守りたいものと同一人物
守りたいもの <番外編>
主人公の名前
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9月。まだ暑さの残る日差しの中、カカシはお気に入りの木の上で読書をしていた。
時折、心地の良い風が吹き暑さを吹き飛ばしてくれる。
久しぶりの休暇で気が抜けていたのか、カカシは少し眠気を感じた。
(そろそろ家に帰るか)
切りのいいところまで読み終わったら、と思いながら文章に目を通す。
最後の一文を読み終わり、パタリと本を閉じた。もちろん読んでいたのはイチャイチャパラダイスだ。
「やっと読み終わったね」
ふと聞こえた声にカカシはドキリと身構えた。
目に写るのは眩い黄色。
「あ、あなたは!」
カカシの目が大きく見開かれる。
いつの間に現れたのか。
流石のカカシも、目の前にはいるはずのない人物が現れれば動揺もする。
「元気そうだね!せっかく良い天気だし、会いに来たよ」
にこりと笑う、その優しげな表情は以前と全く変わらない。
「四代目。…まさか、禁術で!」
懐かしさを感じながらも、頭は冷静にあり得ないと考え、これは誰かの術のせいではと警戒する。
そんなカカシに、四代目こと波風ミナトは困ったなと頭をかいた。
「警戒するのは当たり前だと思う。でも、安心して。誰かの術とかじゃないから。あえて言うなら、幽霊ってことになるかな」
「はぁ!?あなた今何時だと思ってるんですか?まだ、昼過ぎですよ!幽霊がこんな時間に出るわけないでしょ!」
ミナトの昔と変わらない姿形に、声。
それに引っ張られるように、カカシもいつの間にか昔のように話していた。
ミナトと話したい事ならたくさんある。
これが夢幻だとしても、せっかく会いに来たと言うならば、しばらく様子を見ようとカカシは思った。
「そういえば、カカシにも弟子が出来たみたいだね。うちは一族の子に、可愛い女の子が二人も。それに…」
ミナトの言葉が止まり、カカシがちらりと表情を伺うと、嬉しいような悲しいような、なんとも言えない顔をしていた。
「…そうですよ。サスケとサクラにケイ。それから先生の子、ナルトです。みんな育てがいがありますよ。特にナルトはどんどん成長しています」
カカシの言葉にミナトは笑顔を浮かべる。
「そうか。それは良かった。よし!カカシ、オレと手合わせしよう」
「…いきなりですね。オレとしては嬉しいですけど」
「息子を任せるからには、君がどれだけ成長してるか確かめたくてね」
最後に一緒に戦ったのはいつだっただろう。
カカシはもう二度と戦うことは出来ないと思っていた相手と手合わせが出来ることに、久々の喜びを覚えていた。
(ミナト班にいた頃は、先生に勝ちたくて生意気ばかり言っていたな)
同じ班のオビトやリンを囮にする作戦まで立てて挑んでも、結局は負けてばかりだった。
(オレもサスケの事をとやかく言えないな)
サバイバル演習を思い出して一人苦笑いをする。
「ほら、笑ってる暇があったらかかっておいで」
余裕そうにミナトが手招きをする。
「今日こそは先生を超えて見せますよ」
ミナト相手に手加減などする必要もない。
カカシは初めから写輪眼を発動して勝負に挑んだ。
なにせ、ミナトにはマーキングを使った時空間忍術がある。黄色い閃光と呼ばれるほどの瞬身の術は、以前カカシも受けた事があるが、厄介なものだった。
「やっぱり写輪眼は厄介だね。うちは以外で使いこなしてるカカシはやっぱり凄いよ」
互いに術の往来を繰り返し、チャクラも残りわずかとなってきた。
カカシは最後にとオリジナル技の雷切を発動させる。
対するミナトは特注のクナイを構えた。
「先生、オレの技受けて下さい。雷切!」
カカシの鋭い突きがミナトに向かって炸裂する。
雷遁の稲光が空中で飛散した。と同時にカカシは背中に硬いものを押し付けられていることに気づく。
「惜しかったね。オレも危ないところだったよ」
「いつ、マーキングしたんですか?」
全く気づかなかったことに少し悔しさにじませながらカカシは呟いた。
「ああ、これね。前つけたのが残ってたのを思い出して…」
「そんなの!初めから負けが決まってるじゃないですか!」
ごめん、ごめんと笑うミナトに、カカシははぁーとため息をこぼす。
「十分にカカシの成長が見れたし、そろそろオレは退散するよ。ほら、可愛い弟子たちが待ってるよ」
ミナトはそう言うと、現れた時と同じく、いつの間にか姿を消してしまった。
「せんせー!カカシ先生!」
名前を呼ばれ、はっと目を覚ますカカシ。
どうやら、読書の途中で寝てしまっていたようだ。
「大丈夫か、先生。こんなところで寝てたら風邪引くってばよ?」
『先生、具合でも悪いんですか?何回も呼んだのになかなか起きてくれないから心配しましたよ』
先ほどとは違う黄色、ナルトの背後からは輝く銀色、ケイが現れる。
(やっぱり夢だったか…)
「先生、本当に大丈夫か?」
「ん?大丈夫だよ。それよりどしたの?今日は休みでしょ?」
『そうそう!先生見た感じ暇でしょ?ちょっと付き合って下さいよ』
「暇でしょ、って失礼な。これでもオレは」
「どうせ、そのイチャイチャなんたらって変な本読んでるだけじゃん!それより、オレたちに修行つけてくれってばよ!」
なあなあ、とまとわりつくナルトに、カカシは読書の続きは諦めて分かったと承諾する。
『やったね!じゃあ先生、演習場で待ってます。ナルト競走しよう!』
「よーし!負けねぇってばよ!」
走り去って行く二人を見ながら、元気だなぁと感心する。
「先生。あなたの忘れ形見には振り回されっぱなしですよ」
小さくなる後ろ姿を追いかけようと一歩踏み出せば、任せたよ、と背中を何かに押された感触がした。
急いで振り返るも、そこには眩しい太陽が降り注ぐだけだった。
時折、心地の良い風が吹き暑さを吹き飛ばしてくれる。
久しぶりの休暇で気が抜けていたのか、カカシは少し眠気を感じた。
(そろそろ家に帰るか)
切りのいいところまで読み終わったら、と思いながら文章に目を通す。
最後の一文を読み終わり、パタリと本を閉じた。もちろん読んでいたのはイチャイチャパラダイスだ。
「やっと読み終わったね」
ふと聞こえた声にカカシはドキリと身構えた。
目に写るのは眩い黄色。
「あ、あなたは!」
カカシの目が大きく見開かれる。
いつの間に現れたのか。
流石のカカシも、目の前にはいるはずのない人物が現れれば動揺もする。
「元気そうだね!せっかく良い天気だし、会いに来たよ」
にこりと笑う、その優しげな表情は以前と全く変わらない。
「四代目。…まさか、禁術で!」
懐かしさを感じながらも、頭は冷静にあり得ないと考え、これは誰かの術のせいではと警戒する。
そんなカカシに、四代目こと波風ミナトは困ったなと頭をかいた。
「警戒するのは当たり前だと思う。でも、安心して。誰かの術とかじゃないから。あえて言うなら、幽霊ってことになるかな」
「はぁ!?あなた今何時だと思ってるんですか?まだ、昼過ぎですよ!幽霊がこんな時間に出るわけないでしょ!」
ミナトの昔と変わらない姿形に、声。
それに引っ張られるように、カカシもいつの間にか昔のように話していた。
ミナトと話したい事ならたくさんある。
これが夢幻だとしても、せっかく会いに来たと言うならば、しばらく様子を見ようとカカシは思った。
「そういえば、カカシにも弟子が出来たみたいだね。うちは一族の子に、可愛い女の子が二人も。それに…」
ミナトの言葉が止まり、カカシがちらりと表情を伺うと、嬉しいような悲しいような、なんとも言えない顔をしていた。
「…そうですよ。サスケとサクラにケイ。それから先生の子、ナルトです。みんな育てがいがありますよ。特にナルトはどんどん成長しています」
カカシの言葉にミナトは笑顔を浮かべる。
「そうか。それは良かった。よし!カカシ、オレと手合わせしよう」
「…いきなりですね。オレとしては嬉しいですけど」
「息子を任せるからには、君がどれだけ成長してるか確かめたくてね」
最後に一緒に戦ったのはいつだっただろう。
カカシはもう二度と戦うことは出来ないと思っていた相手と手合わせが出来ることに、久々の喜びを覚えていた。
(ミナト班にいた頃は、先生に勝ちたくて生意気ばかり言っていたな)
同じ班のオビトやリンを囮にする作戦まで立てて挑んでも、結局は負けてばかりだった。
(オレもサスケの事をとやかく言えないな)
サバイバル演習を思い出して一人苦笑いをする。
「ほら、笑ってる暇があったらかかっておいで」
余裕そうにミナトが手招きをする。
「今日こそは先生を超えて見せますよ」
ミナト相手に手加減などする必要もない。
カカシは初めから写輪眼を発動して勝負に挑んだ。
なにせ、ミナトにはマーキングを使った時空間忍術がある。黄色い閃光と呼ばれるほどの瞬身の術は、以前カカシも受けた事があるが、厄介なものだった。
「やっぱり写輪眼は厄介だね。うちは以外で使いこなしてるカカシはやっぱり凄いよ」
互いに術の往来を繰り返し、チャクラも残りわずかとなってきた。
カカシは最後にとオリジナル技の雷切を発動させる。
対するミナトは特注のクナイを構えた。
「先生、オレの技受けて下さい。雷切!」
カカシの鋭い突きがミナトに向かって炸裂する。
雷遁の稲光が空中で飛散した。と同時にカカシは背中に硬いものを押し付けられていることに気づく。
「惜しかったね。オレも危ないところだったよ」
「いつ、マーキングしたんですか?」
全く気づかなかったことに少し悔しさにじませながらカカシは呟いた。
「ああ、これね。前つけたのが残ってたのを思い出して…」
「そんなの!初めから負けが決まってるじゃないですか!」
ごめん、ごめんと笑うミナトに、カカシははぁーとため息をこぼす。
「十分にカカシの成長が見れたし、そろそろオレは退散するよ。ほら、可愛い弟子たちが待ってるよ」
ミナトはそう言うと、現れた時と同じく、いつの間にか姿を消してしまった。
「せんせー!カカシ先生!」
名前を呼ばれ、はっと目を覚ますカカシ。
どうやら、読書の途中で寝てしまっていたようだ。
「大丈夫か、先生。こんなところで寝てたら風邪引くってばよ?」
『先生、具合でも悪いんですか?何回も呼んだのになかなか起きてくれないから心配しましたよ』
先ほどとは違う黄色、ナルトの背後からは輝く銀色、ケイが現れる。
(やっぱり夢だったか…)
「先生、本当に大丈夫か?」
「ん?大丈夫だよ。それよりどしたの?今日は休みでしょ?」
『そうそう!先生見た感じ暇でしょ?ちょっと付き合って下さいよ』
「暇でしょ、って失礼な。これでもオレは」
「どうせ、そのイチャイチャなんたらって変な本読んでるだけじゃん!それより、オレたちに修行つけてくれってばよ!」
なあなあ、とまとわりつくナルトに、カカシは読書の続きは諦めて分かったと承諾する。
『やったね!じゃあ先生、演習場で待ってます。ナルト競走しよう!』
「よーし!負けねぇってばよ!」
走り去って行く二人を見ながら、元気だなぁと感心する。
「先生。あなたの忘れ形見には振り回されっぱなしですよ」
小さくなる後ろ姿を追いかけようと一歩踏み出せば、任せたよ、と背中を何かに押された感触がした。
急いで振り返るも、そこには眩しい太陽が降り注ぐだけだった。