守りたいものと同一人物
守りたいもの <番外編>
主人公の名前
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これは困った事になった。
カカシは目の前で起こる事態に苦笑いをする。
「やめるってばよ!正気に戻ってくれー」
『ナルト!待ってよー。あっ!サクラー!』
ナルトを追いかけていたケイが標的を変え、今度はサクラを追いかける。
「えっ!ちょっと待った!カカシ先生、助けてよ!」
サクラが必死に逃げているのには理由がある。
それは、ケイが敵の術により現在正気でないからだ。
ことの次第は少し時間を遡る。
第七班は任務で街に来ていた。任務は暴れている盗賊の鎮圧。
しかし、盗賊の一人に忍が混ざっており、そいつの放った術が、サクラをかばったケイに当たってしまった。
ばたりとその場で倒れるケイにサクラが駆け寄る。
それを見た残りの三人は、盗賊が青ざめるほどコテンパンにしてしまった。
「で、この術の解除方法は?」
鋭い視線を盗賊へと向けるカカシ。
「ひっ!か、解除方法は、えっと。…ないんです。ちょ!ちょっと!話は最後まで聞いてくだせぇ!」
ナルトが噛みつく勢いで睨む姿に焦る盗賊。
「俺の術は、相手を混乱させるってだけなんです。ただ、効果は人それぞれで大体半日くらいで切れます」
「半日か…。とりあえず、ケイの目が覚めるまで様子を見るしかないようだな」
未だに気絶しているケイ。
心配そうにナルト達が見つめる中、ピクリと瞼が動き、ケイが目を覚ます。
「あっ!起きたってばよ!大丈夫か?」
『んー?ナルト?大丈夫だよー?』
そう言ってケイは、おもむろにナルトへと近づいていき、ふわりと笑うと頭へとキスをした。
一瞬の出来事に見ていた全員が固まる。当然キスをされたナルトもだ。
『あれ?みんなどうしたの?』
「そそ、それはケイの方だってばよ!もしかして術のせいか?」
「ちっ!厄介な効果の術だな」
慌てるナルトに、盗賊を睨むサスケ。
「だ、だから効果は人それぞれだって言ったじゃないですか!その子は好きな相手にキスする効果みたいですね。可愛い効果で良かったですよ。前には見た相手を殺しにかかる奴もいましたから…」
「そんな危ない術かけんじゃないわよ!」
サクラが青ざめて盗賊に声を荒げる。
「ま、不幸中の幸いってとこか」
それでも、このままだと困る事に変わりはない。
どうしたものか、と考えるカカシ。
そして、冒頭へと戻る。
『もう!水遁 水枷の術!よし、捕まえた』
動き回るナルト達に痺れを切らしたケイが、術で三人を捕縛しそのまま一塊にする。
「こんな時に術の使い方上手くなってどうすんだ!おい、カカシ!どうにかしろ!」
「いやー、まいったね。これは」
『三人が逃げるからいけないんだよ。あと、カカシ先生もね!』
そう言うとケイはカカシにも術をかける。
だが、さすが上忍。難なく避ける。
『カカシ先生は私のこと嫌いなんだ。良いですよ。私にはナルト達がいるから』
カカシを捕まえられなかった事にいじけたケイは、ナルト達に近づいてまたもや頭にキスをする。
やめろ、と止める声に、ケイは何が嬉しいのか笑っている。三人が嫌がっている訳じゃなく、恥ずかしがっているからだろうか。
(ちょっと心配だけど、これしかないかな)
そろそろナルト達が可哀想になったカカシ。
正気に戻った時のケイのことも考えて、早めにやめさせようと最終手段にでる。
「ケイ、こっちにおいで?」
『カカシ先生。やっと捕まってくれるの?』
嬉しそうに駆け寄ってくるケイ。そんなケイに笑いかけながら、カカシは額当てをずらし写輪眼を発動した。
『カカシ、先生。ずる、い』
「ふー。ま、これもケイの為だから」
カカシは倒れかかるケイの体を支えて、額当てを元に戻す。
「助かったけど、ケイは大丈夫なの?」
「ちょっと幻術で眠ってもらっただけだから。そうでもしないとお前たちずっとケイにやられっぱなしになるだろう?」
うっ、と言葉を詰まらせる三人。
「任務も片付いたし、ケイも心配だから早く里に戻るぞ」
眠るケイをおんぶして、カカシは里へと急ぐ。
里へ着くなり、綱手の元に任務完了の報告と、ケイの容体を診てもらった。
「まーた、お前のところは。厄介な事ばかり持ってくるな。…心配するな。明日には元通りになるさ。ただし、今日一日はカカシ、お前が見張っていろ。放っておくと被害者が増える」
そう言って、綱手が面白そうに笑った。
(この人は。他人事だと思って)
はあー、とため息をついたカカシは、ふと視線を感じる。
『カカシ、せんせー。おはよ、ございます』
「あら、もう解けちゃったの?これも術の影響かな?」
あまりに幻術が解けるのが早い事にカカシは焦る。
『今度こそ、捕まえた』
まずいとカカシは変わり身の術でケイから逃れる。
そこでケイが今度は標的を綱手に変えた。
『綱手さまー!カカシ先生が私のこと嫌います』
「お前、正気なのかそうじゃないのか分かりづらいな」
綱手に向かう姿が普段と変わらない事に油断してしまい、綱手はケイにほっぺへとキスをされる。
「あれ?綱手様にはほっぺにするんだ」
「そういえば、キスは場所によって意味が違ってくるって何かで見ましたね」
シズネの言葉に、ケイがそうだよーと笑う。
『ナルト達には愛しい気持ちで、綱手様は親愛の気持ちです!』
「じゃあさ、カカシ先生は?」
ケイの説明に、ナルトは興味本位で質問をする。
『えへへ、カカシ先生はー。大好きって気持ちだよー』
最後の言葉はカカシを見て伝えるケイ。
これには、カカシも一瞬固まった。その隙をケイは見逃さない。
「あっ!ケイ!」
ほんの一瞬の隙をつかれ、カカシの唇に温かな感触が残る。
実際にはマスク越しだが、それでもケイは満足した様子だ。
ナルト達が、わー!ぎゃー!言っている中で、ケイは次の標的を探しに行こうとする。
「ケイ、終わり」
そんなケイを引き止めて、カカシが再び写輪眼で幻術をかける。
「では、綱手様。ケイは連れて帰ります」
「カカシ、お前顔が赤いぞ?」
にやにやと笑う綱手にカカシは気のせいでしょうと言って、ケイを連れて姿を消した。
翌日、ケイは何も覚えておらず、カカシから事情を聞いて顔を真っ赤に染める事となる。
(覚えてないのが、残念だな)
カカシは目の前で起こる事態に苦笑いをする。
「やめるってばよ!正気に戻ってくれー」
『ナルト!待ってよー。あっ!サクラー!』
ナルトを追いかけていたケイが標的を変え、今度はサクラを追いかける。
「えっ!ちょっと待った!カカシ先生、助けてよ!」
サクラが必死に逃げているのには理由がある。
それは、ケイが敵の術により現在正気でないからだ。
ことの次第は少し時間を遡る。
第七班は任務で街に来ていた。任務は暴れている盗賊の鎮圧。
しかし、盗賊の一人に忍が混ざっており、そいつの放った術が、サクラをかばったケイに当たってしまった。
ばたりとその場で倒れるケイにサクラが駆け寄る。
それを見た残りの三人は、盗賊が青ざめるほどコテンパンにしてしまった。
「で、この術の解除方法は?」
鋭い視線を盗賊へと向けるカカシ。
「ひっ!か、解除方法は、えっと。…ないんです。ちょ!ちょっと!話は最後まで聞いてくだせぇ!」
ナルトが噛みつく勢いで睨む姿に焦る盗賊。
「俺の術は、相手を混乱させるってだけなんです。ただ、効果は人それぞれで大体半日くらいで切れます」
「半日か…。とりあえず、ケイの目が覚めるまで様子を見るしかないようだな」
未だに気絶しているケイ。
心配そうにナルト達が見つめる中、ピクリと瞼が動き、ケイが目を覚ます。
「あっ!起きたってばよ!大丈夫か?」
『んー?ナルト?大丈夫だよー?』
そう言ってケイは、おもむろにナルトへと近づいていき、ふわりと笑うと頭へとキスをした。
一瞬の出来事に見ていた全員が固まる。当然キスをされたナルトもだ。
『あれ?みんなどうしたの?』
「そそ、それはケイの方だってばよ!もしかして術のせいか?」
「ちっ!厄介な効果の術だな」
慌てるナルトに、盗賊を睨むサスケ。
「だ、だから効果は人それぞれだって言ったじゃないですか!その子は好きな相手にキスする効果みたいですね。可愛い効果で良かったですよ。前には見た相手を殺しにかかる奴もいましたから…」
「そんな危ない術かけんじゃないわよ!」
サクラが青ざめて盗賊に声を荒げる。
「ま、不幸中の幸いってとこか」
それでも、このままだと困る事に変わりはない。
どうしたものか、と考えるカカシ。
そして、冒頭へと戻る。
『もう!水遁 水枷の術!よし、捕まえた』
動き回るナルト達に痺れを切らしたケイが、術で三人を捕縛しそのまま一塊にする。
「こんな時に術の使い方上手くなってどうすんだ!おい、カカシ!どうにかしろ!」
「いやー、まいったね。これは」
『三人が逃げるからいけないんだよ。あと、カカシ先生もね!』
そう言うとケイはカカシにも術をかける。
だが、さすが上忍。難なく避ける。
『カカシ先生は私のこと嫌いなんだ。良いですよ。私にはナルト達がいるから』
カカシを捕まえられなかった事にいじけたケイは、ナルト達に近づいてまたもや頭にキスをする。
やめろ、と止める声に、ケイは何が嬉しいのか笑っている。三人が嫌がっている訳じゃなく、恥ずかしがっているからだろうか。
(ちょっと心配だけど、これしかないかな)
そろそろナルト達が可哀想になったカカシ。
正気に戻った時のケイのことも考えて、早めにやめさせようと最終手段にでる。
「ケイ、こっちにおいで?」
『カカシ先生。やっと捕まってくれるの?』
嬉しそうに駆け寄ってくるケイ。そんなケイに笑いかけながら、カカシは額当てをずらし写輪眼を発動した。
『カカシ、先生。ずる、い』
「ふー。ま、これもケイの為だから」
カカシは倒れかかるケイの体を支えて、額当てを元に戻す。
「助かったけど、ケイは大丈夫なの?」
「ちょっと幻術で眠ってもらっただけだから。そうでもしないとお前たちずっとケイにやられっぱなしになるだろう?」
うっ、と言葉を詰まらせる三人。
「任務も片付いたし、ケイも心配だから早く里に戻るぞ」
眠るケイをおんぶして、カカシは里へと急ぐ。
里へ着くなり、綱手の元に任務完了の報告と、ケイの容体を診てもらった。
「まーた、お前のところは。厄介な事ばかり持ってくるな。…心配するな。明日には元通りになるさ。ただし、今日一日はカカシ、お前が見張っていろ。放っておくと被害者が増える」
そう言って、綱手が面白そうに笑った。
(この人は。他人事だと思って)
はあー、とため息をついたカカシは、ふと視線を感じる。
『カカシ、せんせー。おはよ、ございます』
「あら、もう解けちゃったの?これも術の影響かな?」
あまりに幻術が解けるのが早い事にカカシは焦る。
『今度こそ、捕まえた』
まずいとカカシは変わり身の術でケイから逃れる。
そこでケイが今度は標的を綱手に変えた。
『綱手さまー!カカシ先生が私のこと嫌います』
「お前、正気なのかそうじゃないのか分かりづらいな」
綱手に向かう姿が普段と変わらない事に油断してしまい、綱手はケイにほっぺへとキスをされる。
「あれ?綱手様にはほっぺにするんだ」
「そういえば、キスは場所によって意味が違ってくるって何かで見ましたね」
シズネの言葉に、ケイがそうだよーと笑う。
『ナルト達には愛しい気持ちで、綱手様は親愛の気持ちです!』
「じゃあさ、カカシ先生は?」
ケイの説明に、ナルトは興味本位で質問をする。
『えへへ、カカシ先生はー。大好きって気持ちだよー』
最後の言葉はカカシを見て伝えるケイ。
これには、カカシも一瞬固まった。その隙をケイは見逃さない。
「あっ!ケイ!」
ほんの一瞬の隙をつかれ、カカシの唇に温かな感触が残る。
実際にはマスク越しだが、それでもケイは満足した様子だ。
ナルト達が、わー!ぎゃー!言っている中で、ケイは次の標的を探しに行こうとする。
「ケイ、終わり」
そんなケイを引き止めて、カカシが再び写輪眼で幻術をかける。
「では、綱手様。ケイは連れて帰ります」
「カカシ、お前顔が赤いぞ?」
にやにやと笑う綱手にカカシは気のせいでしょうと言って、ケイを連れて姿を消した。
翌日、ケイは何も覚えておらず、カカシから事情を聞いて顔を真っ赤に染める事となる。
(覚えてないのが、残念だな)