中忍選抜試験
主人公の名前
設定NARUTOの夢小説。
カカシ寄りのほのぼのになる予定。
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(…誰かの泣き声が聞こえる)
ケイは少しずつ鮮明になる意識を無理矢理に引き上げて飛び起きた。
「ケイ…?良かった!もう…、みんな起きないのかと、思って。私…」
そこまで言ってサクラはまた泣き出した。
ぐすぐすと涙を拭っているサクラに近寄ろうと体を動かすと全身にズキン、ズキンと痛みが走った。
「まだ動いちゃダメよ!ケイもひどい怪我だったんだから…。ごめんね、私何もできなくて」
『そんな、こと、ない。こうして、みんなを助けて、手当てしてくれてるじゃないの』
一気に話すと痛みが増すため、ケイは少しずつ言葉を繋いだ。
一際痛みが酷いお腹は包帯が巻かれている。きっとアザが出来ているだろうが、内臓は何とか無事のようだ。
(最後まで結界がもってくれてて良かった)
切れていたらきっとこのぐらいではすまなかっただろうと、ケイは冷や汗を流す。
「ちょっとのあいだ、2人をお願い。水を汲んでくるわ」
『分かった。気をつけてね』
サクラが隠れ場所に選んだのは、大きな木の中だった。空洞ができた幹の中は、周りからは見つかりにくく隠れるのに丁度いい。
(あのあと、どうなったんだろう。全員無事だということは、あいつは追い払うことができたのかな)
傷だらけのナルトとサスケを見ながら、よくみんな無事でいれたと身震いする。最悪の場合、全滅だってあり得た。
(とりあえず、今は休んで体を回復させなくちゃ!)
またいつ敵に襲われるかも分からない。休める時に休んでおこうと、ケイは木を背にして座り直した。
そうしてしばらくしているとサクラが帰ってくる。その手には水が入った竹の水筒を持っていて、一本分けてくれた。
「ケイ、飲める?少しでも何か口に入れておいたほうがいいわ。半日くらい眠っていたから」
『そんなに?!じゃあそのあいだ、サクラは一人で見守りしてくれてたの?』
よく見ればサクラは目の下に隈ができて、ふらふらとしている。
『サクラも休んで。今度は私が見張りをするから。交代で二人が起きるまで頑張ろう』
「でも…」
『でもじゃないでしょ!サクラまで倒れちゃうよ?』
そう言ってケイはサクラを自分が寝ていたところに無理矢理寝かした。
戸惑うサクラに大丈夫だから、と笑ってみせる。
「じゃあ、少しだけ」
『2時間経ったら声かけるから、ゆっくりね
』
ありがとうと、言うとサクラはすぐに眠りについた。寝ずの番をしていて、よほど疲れていたのだろう。
(無理させちゃったね。…弱くてごめん)
守りたいのに守れなかった仲間たちを見て、ケイは悔しくて唇を噛み締める。少し切れたところから血が滲み鉄の味がした。
(みんなを守れる強さが欲しい…)
もう、誰も傷つかないように。
ナルト、サクラ、サスケの顔を見ながら、ケイは強くなることを心に誓った。