中忍選抜試験
主人公の名前
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第二試験の試験官、アンコに案内されて第44演習場へと向かった。
そこは別名"死の森"と呼ばれるほど過酷な環境の演習場だという。それを聞いたナルトがぜんぜん怖くないってばよとふざけながら言うと、シュッとクナイが飛んできてナルトの頬をかすめた。
それはアンコが飛ばした物で、いつの間にかナルトの背後に回り、傷ついた頬から流れる血を舐めとっている。
(この試験官のアンコさんって変な人だ)
見た目によらず危険な行動をするアンコにケイは少し不安になる。そのアンコと同じくらい危険な動きをする受験生が現れた。そいつは、アンコが投げたクナイを殺気を出しながらアンコの背後へと回り、長い舌で返したのだ。その不気味な様子にケイは警戒心を強める。
『さすがにここに残った受験生は曲者ぞろいだね』
「はっきり言ってヤバいわよ…。何なのあの人達」
第一の試験である程度ふるいにかけられただけあって、第二の試験はさらに気合を入れて挑まなければならないようだ。
「第二の試験の説明を始めるわ。早い話ここでは、極限のサバイバルに挑んでもらうわ」
川と森、中央には塔があるこの第44演習場の中で"天"と"地"二本の巻物をかけて何でもありの巻物争奪戦を行なう。これが第二の試験の内容だ。
死人が出る可能性もあるため同意書にサインをしたチームだけが、同意書と交換で天か地、どちらかの巻物を受け取る。他のチームから足りない巻物を奪い取り、天地両方の書を持って中央の塔に全員で来れば合格。
「ただし時間内にね。期限は120時間。ちょうど5日間でやるわ!」
自給自足で過酷な環境下を生き抜かなければならないということだ。そのうえ、何でもありの巻物争奪戦。日を追うごとに体力は削られていくのは目に見えている。
続いて失格条件。時間内に全員で塔まで巻物を持って来れなかった場合と、班員を失った又は再起不能者が出た場合は失格。
「それと、もう一つ。巻物の中身は塔の中にたどり着くまで決して見ぬこと!」
「途中で見たらどーなるの?」
「それは見たやつのお楽しみ♡」
中忍にもなれば超極秘文書を扱う任務も請け負うことがある。そのための信頼性を見るためだという。
アンコの笑みからも中身を途中で見ることは避けておいた方が良さそうだとケイは思った。
「最後にアドバイスを一言。死ぬな!」
試験の説明も終わりケイ達は同意書にサインをして、巻物と交換をした。受け取った巻物は"天"の文字が書かれていた。
『天ってことは地の書を持ってるチームを探し出して奪わないといけないってことだね』
「出会ったやつらを片っ端からやっつければ問題ないってばよ!」
「そう簡単にいくわけないでしょ!さっきの変なやつみたいなのが他にもいるのよ?」
「お前ら気を抜くなよ。ここからは周りのやつら全員が敵なんだからな」
指定されたゲートにて開始時間を待つ。
「これより、中忍選抜第二の試験!開始!」
「よっしゃあ!行くぞ!」
合図と同時にナルトが元気よくゲートをくぐる。その後ろにケイ達は続いた。
目の前には薄暗い森が広がっている。あちこちから虫や生き物の気配がしている。
試験が開始されて間もなく、どこかで誰かの悲鳴がした。
『さっそく誰か襲われてるみたいだね』
「な、なんか緊張してきた…」
森の不気味な気配と相まって全員の緊張が高まる。そのせいか、ナルトがちょっとしょんべんと後ろを向いてズボンをごそごそし始める。
それを見たサクラはレディの前で何さらそうとしてるのよと怒り、ケイもさすがに困るとナルトを茂みの向こうへと追いやった。
「あー。すっげー、出たー!すっきり!」
満足そうに戻ってきたナルト。しかし、ケイは何か違和感を感じた。
なぜだろうと思っていた時、サスケがナルトを殴り飛ばす。
「本物のナルトはどこだ!」
サスケの突然の行動にサクラは動揺している。
『そうだ!さっきアンコさんにつけられた顔の傷が消えてたんだ』
「それに手裏剣のホルスターが左足についてる。あいつは右利きだ。てめーはナルトより変化がヘタだな。ニセ物ヤロー」
「アンラッキー!バレちゃあ仕方ねえ!巻物持ってんのはどいつだ!?」
ナルトに変化していた人物、額当てからして雨隠れの忍は実力行使だと襲ってくる。いち早く反撃したのはサスケ。飛び上がって火遁の術を発動している。
そこでサスケは何かを見つけたのかクナイを投げた。その隙をついて相手もサスケへとクナイを投げる。そのクナイには起爆札がつけられていた。
『サスケ!水遁 水鉄砲!大丈夫?』
「ああ。助かった」
間一髪で起爆札にケイの術が命中し不発に終わる。
ホッとする間もなく背後に気配を感じる。
「サスケ君!ケイ!後ろ!」
「これぞ、ラッキー!動くと殺す!巻物をおとなしく渡せ!」
『そんな簡単に渡すわけないでしょ!』
反撃しようとするケイだったが、その前にクナイが飛んでくる。それはナルトが投げた物だった。
「逃がすか!」
奇襲をかけたナルトのクナイを避けた雨隠れの忍に、サスケは足にチャクラを練ってクナイを吸着させ、そのまま飛ばした。
クナイは相手の方へと飛んでいくもギリギリでかわされる。それを予測していたのかサスケ自身も相手に向かって飛んでおり、直接クナイを突き刺した。
「ボケボケすんな!こいつ一人とは限らない。気をぬいたら本気で殺されるぞ!」
状況をいち早く理解しているサスケが三人に注意を飛ばす。
だが、手傷を負った雨隠れの忍は不利だと判断しこの場を去っていった。
『みんな!ケガは?』
幸いなことに全員特に大きな負傷することなくすんだようだった。
いきなりの襲撃に焦りはしたが、これで対策が出来るというものだ。
今後は仲間とはぐれた場合のために、合言葉を決めることにした。
「忍歌、忍機と問う。その答えはこうだ。"大勢の敵の騒ぎは忍びよし 静かな方に隠れ家もなし 忍には時を知ることこそ大事なれ 敵のつかれと油断するとき"」
サクラは一発で覚えたようだが、ケイとナルトは険しい顔をしている。
『忍歌、忍機と…。サスケ、もう一回教えてくれたりしないよね?』
「一回しか言わないっていただろうが」
「そんなの覚えられるわけないじゃん」
二人の抗議もむなしくサスケは巻物を持って立ち上がった。
(いざという時は何とか覚えてるとこだけでも、つなぎ合わせるしかないかな…)
そんなことを考えていると、いきなり突風が吹き荒れる。
あまりの風圧に散り散りに飛ばされてしまう四人。
『いたた…。みんなはどこまで飛ばされちゃったのかな』
ぶつけた頭をさすりながらケイは辺りを見渡した。遠くに引き離されてはいなかったようで、サスケとサクラが一緒にいるところを見つけた。
駆け寄ろうとしたケイは異変に気が付く。急に二人が座り込みガタガタと震えだしたのだ。
(え…。どうしたの。…あ!あいつは)
二人が向いている方向に一人の人物が立っているのが見えた。それは試験の説明の時に現れた不気味な受験生。
そして、認識してケイは初めて気が付いた。離れているこの場所にまで届いている殺気に。きっと二人はこの殺気を直で受けていているのだろうと想像ができる。
『こんなのまともに受けたら動けるわけない!早くあいつの気をそらさないと』
震える足を何とか動かし、ケイは二人の救出に向かった。
ものすごい殺気を放つそいつは動けないサスケとサクラに向かってクナイを投げる。
『水遁 水手裏剣の術!サスケー!今のうちに!』
クナイをはじかれたことで、そいつはケイの方へと注意がそれた。その隙にサスケはサクラを連れて急いでその場を離れる。
「邪魔をしてくれたわね」
『私の仲間に手出ししないでよ』
震えながらも逃げないケイにそいつは愉快そうに笑い、一瞬で間合いを詰める。
「不愉快だわ」
そう言ってケイを切り裂いた。
切り裂かれたケイはびしゃりと音を立ててその場に崩れ去る。
「水分身なんかで私を止めるつもりだったのかしら」
いまだに震えるサスケとサクラと共に身を隠していると、囮の分身が消えたことを察知して、ケイは作戦が上手くいったと安堵した。
(これで少しだけど時間稼ぎも出来た。あとはナルトを見つけて一刻も早くこの場から離れないと…!)
依然として姿を現さない彼の心配をしながら、ケイは次の行動を考えるのだった。