中忍選抜試験
主人公の名前
設定NARUTOの夢小説。
カカシ寄りのほのぼのになる予定。
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指定された日時に、第七班の全員が志願書を持って学校へ集合した。校舎内に入ると受験生達が、教室の前で二人組の男性に足止めされている。無理に通ろうとすれば実力行使に出るようで、殴られている者もいた。お団子頭の少女と緑スーツの少年だ。それでも、教室の前に立ち塞がる二人組に通してもらえるように頼み込んでいる。
「どっちみち受からないものを、ここでフルイにかけて何が悪い!」
そう言い放つ二人組にサスケが正論だなと同意した。
「だが、オレは通してもらおう。そして、この幻術でできた結界をさっさと解いてもらおうか」
3階に用があるんでなと言うと、周りからは何を言っているんだと不思議そうな声が上がった。
「サクラ、お前なら1番に気付いてるはずだ。お前の分析力と幻術のノウハウは、オレ達の班で1番伸びてるからな」
その言葉にサクラは一瞬驚き、そして嬉しそうに笑った。
「もちろん、とっくに気付いてるわよ!だってここは2階じゃない」
先ほどまで301と書かれた表札が、幻術が解けて201と元々の表札へと戻る。
『幻術だったのか。さすがサクラ!』
幻術が解けたことに喜んでいると、二人組のうち1人が、見破っただけじゃねと、またも進路を妨害してきた。
それを止めようとサスケが応戦しようとした時、緑スーツの少年が一瞬で間に入ってサスケ達を止めた。
先ほどまでやられていたとは思えない、まるで別人のような動きだった。
その緑スーツの少年はサクラのことが気に入ってしまったようだ。
「ボクの名前はロック・リー、ボクとお付き合いしましょう!死ぬまでアナタを守りますから!」
キラーンと輝く笑顔でかっこよく決めるも、サクラには届かない。濃ゆいという理由で振られている。見たからに落ち込むリー。
その隣では、リーのチームのうちの1人と思われる長髪の少年がサスケに興味を示していた。
それを見たナルトはまたもサスケだけと嫉妬している。
(中忍試験ってほんとにいろんな下忍が集まってて、面白いな)
試験前から繰り広げられるやりとりに、ケイはなんだかわくわくしていた。この強者揃いの中で自分はどこまでやれるのか、想像しただけで気分が高まる。
「さあ!サスケ君、ナルト、ケイ!行くわよ」
サクラがサスケとナルトを引っ張り、サスケが引っ張るなと文句を言っている。その様子を笑いながらケイは3人に続いた。
ケイ達の後ろから呼び止める声が聞こえる。先ほどのリーだ。彼はサスケに用があると言った。
「今ここで、ボクと勝負しませんか」
それを聞いたナルトはぶすっと不貞腐れている。強そうな人物に会ってはみんな揃ってサスケに注目する。サスケをライバル視しているナルトにとって、これは面白くない。
それにリーがサクラに気があるのも、ナルトにとっては気に食わないのだろうとケイは思った。好きな人に他の人が猛アピールしているのを見るのも、また面白いものではない。
「ゲジマユはオレがやるってばよ!」
「ボクが闘いたいのは君じゃない。"うちは"です」
うるせー!とリーに殴りかかるナルトだが、拳を捌かれて返り討ちに合ってしまう。
『ナルト!』
壁へと飛んでいき気絶しているナルトのもとへケイは急いで駆け寄った。
(ナルトを一撃で。あの人強い)
サスケと勝負を始めるが、あのサスケでさえ彼には攻撃が当たらない。
『サスケがあんなに苦戦するなんて。あの人本当に下忍?』
サスケは今年のNo. 1新人。あんなにやられっぱなしな姿は珍しい。それにいつの間にか写輪眼まで使っているのに、技が見切れていない。
『写輪眼でも見切れないものがあるなんて』
リーの蹴りによってサスケが空中へ飛ばされる。影舞葉でサスケの背後について何か企んでいるようだ。
「…ん?何があったんだってばよ?」
『目が覚めたんだね。あのリーさんって人強いよ。サスケでも全く歯が立たないんだ』
リーの腕の包帯が解かれ、ひらひらと宙にまう。腕から伸びるその包帯がサスケへ巻きつこうとした時、どこからか風車が飛んできてそれを阻止する。
「そこまでだ、リー!」
ボンっと煙と共に現れたのは赤い亀。その亀がリーを叱っている。
先ほどまでの緊張感はどこへやら。変な空気になってしまった。
「なーなー!あれってば亀だよな?」
『うん、亀だね。それにしゃべってる』
なんで亀がリーを止めに来たのか謎であるが、それよりも謎なのがその次に出て来た緑の全身スーツの男性だった。
「まったく!青春してるなー!お前らー!」
リーよりもさらに濃ゆい見た目に、第七班は揃ってギョッとし、それぞれが激濃ゆだの激オカッパだの感想を口にする。
「君達、ガイ先生をバカにするなー!」
「変なのばっか出てくっからリアクションに困ってんだよ!」
ナルトの言う通りだ。こんな印象深い人達は今までに会ったことがない。
ガイ先生と呼ばれたその人は、リーのことをバカヤロー!と殴り飛ばし、さらには説教を始める。目の前でいきなり始まった青春ドラマのようなワンシーンに、ケイ達は何を見せられているんだと呆然とした。
「それよりカカシ先生は元気かい?君達!」
ガイが説教を終えてケイ達へと尋ねる。まさかのカカシと繋がりがあったことに驚いた。
『カカシ先生とお知り合いだったとは』
「知り合いなんて。人は僕らのことを〝永遠のライバル″と呼ぶよ」
一瞬だった。目の前にいたはずのガイが背後に回っていた。驚くべきスピードだ。伊達にライバルを名乗っているわけではないようだ。
「リーも君達もそろそろ教室へ行った方がいいな」
『そうだ!受付時間!早くしないと締め切られちゃう』
最後に頑張れと言い残しガイは消えた。
リーも試験覚悟しといて下さいと慌ただし気に去っていった。
さっそく実力の違いを見せつけられてしまったが、誰もが気づいていた。
リーの包帯で隠れた手にたくさんの傷があったことを。きっとそれはきつい修行を耐えてきた努力の証。その努力の結果が今のケイ達との力の差なのだと。
「面白くなってきたじゃねーか。中忍試験、この先がよ!」
サスケがニヤリと笑う。
「うん!」
「おう!」
『負けてられないね』
意気揚々と足を進めていくと、301号室へ続く廊下でカカシがにこやかに待っていた。どうやら全員が揃うのを確認しに来ていたらしい。それと言うのも、中忍試験を受けるには三人一組も条件にあったと言うのだ。だが第七班はもともとが四人一組ということで、特例で許可が下りているそうだ。
「じゃあもし、私たちの誰かが受験しないって言ってたら?」
「その時は全員受験を中止した。でも先に言っておくとサクラ、お前はサスケたちに言われたら自分の意思とは関係なくいい加減な気持ちで受けるだろ。だからあえて言わなかった。それでも、お前たちは揃って来た。よく来たな」
さすがオレの自慢のチームだと微笑んだカカシは、行ってこいと声をかけケイ達を見送ってくれた。
教室へ入ると嫌な緊張感が漂っていた。そんな空気を弾き飛ばすように誰かがサスケへと抱きつく。
第十班の山中いのだ。よく見ると他の新人たちも勢揃いしている。
『わー!みんなも受験するんだね』
アカデミー以来の仲間にケイは懐かしさを感じていた。卒業してからは任務の関係でなかなか会う機会がなく、話をするのも久しぶりだ。
「ケイちゃん、久しぶり。元気そうだね」
『ヒナタ!私は元気だよ。ヒナタも元気そうでよかった』
相変わらずもじもじとしながら、声をかけてきたのは日向ヒナタ。ナルトのことが気になるらしくよく陰からナルトを見ている少女だ。そんな健気な彼女をケイは応援していた。
「おい、君達!もう少し静かにした方がいいな」
わいわいと盛り上がってしまっているところに、眼鏡の男性こと、カブトから注意が飛ぶ。
急に注意を受けていのが不満そうにしているが、周りを見てみなと言われ素直に大人しくなった。ピリピリとした空気が張り詰めていたからだ。
カブトはもう七回も受験していて、独自に情報を集めていると試験について色々と教えてくれた。
認識カードなるチャクラで反応して情報が閲覧できる特殊なカードを使い、サスケが気になる人物の情報まであった。
優秀な下忍の情報を見て自信がなくなってきていたところで何を思ったかナルトが叫ぶ。
「オレの名はうずまきナルトだ!てめーらにゃあ負けねーぞ!分かったかー!」
言いたいことを言ったナルトはスッキリした表情をしているが、周りはヒヤヒヤしていた。
(いきなり啖呵を切るなんてさすがはナルトだ)
ケイはいつも通りのナルトに元気をもらった。
しかし、周りの目は冷たい。サクラがなんとか誤魔化そうとしているが上手くいっていなかった。
ナルトがサクラに説教を受けている時、どこからか殺気がした。
カブトの足元にクナイが飛んできて、クナイを投げた人物とは別の人物が直接襲ってくる。何とかその攻撃をかわした様に見えたが、カブトの眼鏡は粉々に割れて嘔吐した。
襲ってきたのは音隱れの里の下忍だった。よほど実力に自信があるようで先ほどのカブトの情報が気に入らなかったらしい。中忍確実と書いておけとまで言っている。
「静かにしやがれ、どぐされヤローどもが!」
怒声と共に現れたのは第一の試験の試験官達。
騒ぎを起こした音隠れに注意をする。ついでに集まった下忍全員にも注意喚起した。
「では、これから中忍選抜第一の試験を始める。志願書を順に提出して代わりにこの座席番号を受け取りその指定通りの席に着け!その後、筆記試験の用紙を配る」
第一の試験の内容が分かった途端にナルトの絶叫が悲しく響いた。
(初めからピンチだ…)