修行
主人公の名前
設定NARUTOの夢小説。
カカシ寄りのほのぼのになる予定。
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波の国から無事に帰ってきたケイは、三代目火影のところに訪ねてきていた。どうしても聞きたいことがあったからだ。
再不斬との戦いで覚醒した、守乃一族秘伝忍術の結界術。カカシからは詳しいことは三代目火影から聞いてちょうだいと言われて、ずっと気になっていたのだった。
「ケイよ。お前の一族は結界術に長けておってな。その血を受け継いだお主も、もちろんその術の素質がある。じゃが、今や一族の生き残りはケイただ1人。指導するものがおらぬのでどうしたら良いかと考えていたのだ」
三代目火影はじっと、ケイの様子を伺っている。
『私は一族の術をしっかりと受け継ぎたいと思っています。この力で大切な人たちを守っていきたい、そう考えています!』
ケイの真っ直ぐな眼差しに、そうか、と三代目火影は頷いた。
「ならば、まずは守乃一族の全てを話すとしよう。守乃一族とは、結界術を得意とする一族で、代々一族の長が一番力の強い者であった。力の強い者は弱い者を守るという暗黙のルールがあると聞いておる。皆揃って優しい心の持ち主だったのじゃ。里を九尾が襲った時も、里を守ろうと一族総出で結界を張ってくれた。…しかし、九尾の凄まじい抵抗にチャクラを使い果たした皆は全滅してしまった。里の皆を思う優しさゆえに、最後の最後まで戦ってくれたのじゃ」
その時のことを思い出したのか、三代目火影は俯き言葉が途切れた。
『私の両親もその時に亡くなったんですよね…?』
「そうじゃ。お主の両親は一族の長じゃった。だから、力が強いであろうお前の力を封印していたのだ。力が扱えるようになるその時まで。波の国で初めて力を使ったのは、ナルトたちを守ろうとした時と言ったな?その、誰かを守るという強い意志が封印を解く鍵となったのだ」
優しい一族の血を引くケイ。だからこそ、力の解放も他人のために強い意志を持った時だった。
「封印術自体はそんなに難しい物じゃないが、本人の気持ちが作用する部分があったからな。カカシが解いてくれたなら安心じゃ。」
これからは本来の力が発揮出来るはずだ、と三代目火影はにっこりと笑った。
それから思い出したように棚へ移動し、奥から箱を取り出した。
「守乃一族の衣装じゃ。一人前になったら身につけるのが習慣なのだと言っておった。これをケイに渡しておこう。自分が一人前になったと思えたら着るとよいぞ」
白地の和装に紫の鮮やかな刺繍で背中に、四角が二重で描かれ八角形が出来ている。
『うわぁ!綺麗ですね。ありがとうございます。一人前になった時に大切に着ます』
唯一の形見を胸に抱き少し涙を滲ませるケイ。そんなケイに三代目火影は優しく声をかけた。
「わしに教えられることがあればいつでも訪ねてくるといい」
ケイは涙を拭い、はい!と元気よく返事をして、火影室をあとにした。