波の国
主人公の名前
設定NARUTOの夢小説。
カカシ寄りのほのぼのになる予定。
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カカシの一手により勝負が決まったかに思われた。が、再不斬はもう1体水分身を出しており、カカシにクナイを当てられていたのは分身のほうだった。
本体の再不斬が反撃するも、素早く反応したカカシは攻撃を避けて水の中へと逃げ込む。
「なんだこれは!?」
すぐに水面から顔を出したカカシだが、なんだか様子がおかしい。
そんな彼を見て、再不斬は不敵な笑みを浮かべていた。
「かかったな。水遁 水牢の術!」
再不斬の右手に水が集まり、カカシを中に取り込んで球体が出来上がる。チャクラが練り込まれた球体は簡単に破る事は出来ず、カカシは身動きが取れなくなった。
「お前たち!何をしてる!タズナさんを連れて早く逃げろ!」
最悪の状況になってしまったが、それでも4人は動かない。先生を置いて逃げたところで、無音殺人術の達人と言われる鬼人・再不斬からはどうせ逃げ切れはしないのだ。それならばやることは1つ。カカシの奪還だ。
「サスケ、ちょっと耳かせ。作戦があるってばよ」
ナルトが再不斬に聞こえないように、サスケに小声で話しかける。
そんな2人に再不斬の分身が攻撃を向けた。このままでは殺されてしまうと、ケイは夢中で走り、咄嗟のことで反応が遅れた彼らの前に庇うように立ちふさがる。そんな彼女に対し、再不斬の攻撃が襲い掛かるも、ケイを守るように発動した不思議な力によって攻撃ははじかれた。
(今のは!?)
ナルトとサスケは驚きながらも助かったとお礼を言っているが、発動させた本人さえも驚き、それと同時に疲労感が襲ってきていた。
何だったのかと考える暇もなく、ナルトの声が耳に届く。
「さぁーて、暴れるぜぇ!」
今度はナルトの多重影分身が再不斬に襲い掛かっていた。十何人もの彼が一斉に襲い掛かっても、再不斬には傷1つつかない。それどころか全部の影分身をはじき返し、ナルト本体もはじかれた。
「サスケェ!」
飛ばされながらもナルトは何かをサスケへと投げる。それは風魔手裏剣だった。受け取ったサスケはすぐさま手裏剣を構える。
「風魔手裏剣 影風車!」
サスケの放った手裏剣は再不斬本体を狙うも簡単にキャッチされる。死角からの影手裏剣は惜しいところまでいったが、よけられてしまった。再不斬の後方へと飛んでいく手裏剣。そこでボンっとナルトへと変化する。
『変化の術か!ナルトやるじゃん』
ナルトは術を解き、そこから今度はクナイで再不斬を狙う。
不意をつかれてしまった再不斬は、水牢の術を解かざるを得なかった。術を解かされた彼がナルトを睨みつけ、キャッチしていた風魔手裏剣を投げようとした時、手裏剣をガキンっと水牢から解放されたカカシが手甲で受けとめた。
「ナルト、作戦見事だったぞ。成長したな、お前ら」
「へへっ!」
ナルトが作戦の種明かしをする。
初めの影分身は再不斬を倒すためじゃなく変化を隠すため。ナルトが変化した風魔手裏剣は分身がサスケに投げる。サスケなら受け取ったら分かるはずだと。結果サスケはナルトの意図を汲み取り、影手裏剣の術で作戦を成功させた。
『あの短時間で二人ともすごい』
「いつもはあんなにいがみ合ってるのにね」
初めの頃とは見違えるようだった。カカシも2人の成長が嬉しいようである。
だが、感心している暇はない。再不斬は次の手に移ろうとしている。カカシもそれが分かり、写輪眼でコピーを始めた。2人は素早く印を結んでいく。
「水遁 水龍弾の術!」
コピーをしたはずのカカシは遅れることなく、同時に術が発動し、水龍がぶつかり合う。一気に辺りは水浸しになった。再不斬は術が同時に発動したことに驚いているように見える。それもそのはず。カカシはタズナが
「超同じ動きじゃ!しかも超同じタイミングで」
と驚くほど完璧に真似ていた。しかも、口調まで真似し、言葉を先読みしているようだ。
「お前は俺には勝てねえよ。猿野郎!」
「てめぇのその猿真似口。二度と開かねえようにしてやる!」
しかし、カカシにペースを乱された再不斬は、次の術でコピーだったはずのカカシに負け、術の発動が遅れてしまう。
「水遁 大瀑布の術!」
これには再不斬も動揺を隠せない様子だ。大量の水に押し流された挙句、カカシの投げたクナイで体の自由を奪われる。
未来が見えているかのようにカカシが再不斬の死を言い渡すと、どこからか千本が飛んできて、それは再不斬の首筋に突き刺さった。
投げられた方向に視線を向ければそこにはお面を被った人物が立っている。
「ふふっ、本当だ。死んじゃった」
カカシでさえも苦戦して、ナルトとサスケが協力しても不意打ちで水牢が解けただけ。それだけ実力があった再不斬がたったこれだけのことで殺されてしまうなんて。
カカシが脈を見て本当に死んでいることを確かめる。何も出来なかったことにケイはやらせない気持ちになり、ナルトもお面の子に向かって悔しい気持ちをぶつけている。そんなナルトに向かって、忍者やってればこんな事は良くあるとカカシは言う。
「では、僕はこれで」
お面の子は自分よりも大きくて重い再不斬を担ぎ、その場から消えた。
自分たちの無力さに落ち込むケイたちに、まだ任務は終わってないとカカシが言葉をかける。
「よし、じゃあ気を取り直して先に進もうか」
先ほどまでの激闘からすんなりと切り替えて、カカシが額当てを戻して歩き始める。しかし、タズナの家に向かって足を踏み出した途端に、ばたりとそのまま倒れてしまった。
『先生!カカシ先生!』
「どうしたのよ!」
ケイたちが心配して駆け寄り、声をかけるもカカシが起きる事はなかった。