波の国
主人公の名前
設定NARUTOの夢小説。
カカシ寄りのほのぼのになる予定。
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
一行はタズナの知り合いに船を出してもらい、海を渡っていた。あたりは霧に包まれて、慣れない者が船を出せば迷ってしまいそうだ。
その中を一際大きな建造物が建っている。これがタズナが手がけている橋だ。
その橋を見た瞬間、ナルトは
「うひょー!でっけー!」
と大きな声を出した。
「こら!静かにしてくれ。この霧に隠れて船を出しているんだから。エンジン切って手漕ぎでな。奴らに見つかったら」
船頭がナルトに注意をする。
何やらこの国には事情がありそうである。
「タズナさん、船が桟橋に着く前に聞いておきたいことがあります」
カカシがそう切り出した。
もちろん、聞きたいこととはタズナを狙っている奴らのことである。
話し次第ではタズナが上陸次第、任務を終えることもあると。
「話すしかないようじゃな。いや、ぜひ聞いてもらいたい。あんたらの言うとおり、おそらくこの仕事は任務外じゃろう。…実はわしは超恐ろしい男に命を狙われておる」
タズナは覚悟を決めたように話し始めた。
1年ほど前にやって来た"ガトー"という男。この男、表では海運会社社長ということになっているが、裏ではギャングや忍を使い麻薬や金製品の密売など、悪徳商売をやっているというのだ。そして、財力と暴力で波の国に入り込み、あっという間に海を支配してしまった。
「波の国のような島国で、海を牛耳るということは、富と政治、人、全てを支配するということじゃ。そんなガトーが唯一恐れているのが、かねてから建設中の橋の完成なのじゃ」
「そっか。それで橋を作っているおじさんが邪魔になったってわけね」
「じゃあ、この間のあの忍者たちはガトーの手の者」
サクラとサスケが話す横でナルトが首を傾げる。彼には話の内容が難しいようだ。
「しかし、分かりませんね。相手は忍すら使う危険な相手。なぜそれを隠して依頼されたのですか?」
カカシの問いにタズナは俯きながら答える。
波の国は超貧しい国で、高額なBランク以上の任務を依頼するお金がないのだと。
「なあに、気にすることはない。わしが死んだら可愛い8歳の孫が泣いて泣いて泣きまくるだけじゃ。あー、それにわしの娘も木ノ葉の忍を一生恨んで恨んで恨みまくって寂しく生きていくだけじゃ」
(う、わー)
明るく言い放ったタズナの言葉に、ケイたちは罪悪感が込みあがる。
カカシに至っては、困ったように額当てをカリカリとかいていた。
結局、タズナの話を聞いて出した結論は任務続行。
(あんな話聞いて断れるほど、冷たい人はこの班にいないしね)
話を聞いているうちに、桟橋へと船が到着した。
先ほどの話で、ガトーの手の者がまたやってくるのは目に見えている。
一行は警戒を強めてタズナの家を目指すのだった。