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硝子さんの友達の名前は?
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家入からの連絡は突然だった。
『今度の土曜、ヒマ?』
木曜日の放課後、小夜の携帯にメールが届いた。
挨拶や近況など、用件を伝える前の枕詞というか、一般的に使われる様な言葉を全部取っ払った、端的で愛想も何もない文章に思わず小夜の口元が緩んだ。
『久しぶり!元気そうだね。土曜日は予定ないよ、どうしたの?』
小夜が返事を送って数分後、再びメールが届く。
『やっと時間が出来たから、久しぶりに会おうよ』
進学して以来、時折メールのやり取りをする事はあったが、その度に家入は忙しい、暇が欲しい、課題や実習ばかりだと愚痴をこぼしていた。
『いいよ!久しぶりで嬉しい!』
小夜は即答した。家入と会うのは3カ月振りくらいになるだろうか。そう思うと胸が躍る。当日は何を着て行こうか、どんな話をしようかー今から週末が待ちきれない想いで小夜の頭はいっぱいになった。
土曜日の午前、10時半過ぎ。
小夜は家入と約束した待ち合わせの場所に向けて急いでいた。予定していた電車が遅延とかで、約束していた時間を大幅に過ぎてしまった。
「小夜〜。こっち〜」
雑踏の中、懐かしい声を耳が拾う。小夜がそちらを向くと、予想外の光景が目に飛び込んで来た。
「あ?あいつが硝子のダチ?」
目の前にいるのは間違いなく親友なのだが、問題はその背後に立つ2人の男性。2人とも見上げるくらいに背が高く、均整のとれた身体はモデルの様だった。
1人は人目を引く真っ白な髪に真っ黒なサングラスをかけ、もう1人は長い髪を頭頂部で纏めて前髪を一筋垂らし、大きなピアスといった出立ち。小夜は戸惑った。
「ごめん小夜、コイツら気にしなくていいから」
あっけらかんと家入が口を開くも、小夜はそんな事言っても、と口籠もる。
「コイツら私の同期なんだ。…ついて来るなって言ったのに、人の話を聞きやしない」
家入が2人を睨みつけるも、全く動じる様子はない。
「ま、とにかく行こうぜ」
「おい、待て悟」
「あっちのサングラスが五条、もう1人は夏油。…ああ見えてアイツら中身はガキだからさ、ホント気にしないでよ。ウザいかもだけど、ほっといて問題ないから」
「…う、ん…」
家入は戸惑う小夜の手を引いて、五条と夏油の後を追うように歩き始めた。
「それよりさ、前に小夜が行ってみたいって言ってたカフェあったじゃん?そこ、予約したって」
「…?予約したって、…?」
家入の言葉に安心したように小夜は笑みを見せるも、言い方が引っ掛かる。
「…小夜にメールした後、五条が土曜日出かけようって騒ぎ始めてさ。私は小夜との約束があるって断ったんだけど、何処に行くのかなんて聞いて来て。で、例のカフェの事話したら、4人で予約したって」
「……」
「…そーいうバカだからさ。マジウザいんだ」
先を歩いていた五条が2人を振り返り、早く来いと手を振って騒いでいる。夏油は呆れた様に肩を竦めていた。
五条が予約しておいたカフェに入れば、通されたのは4人用の丸テーブル席で小夜は内心安堵した。ボックス席だったら席を変えてもらえないか店員に声を掛けようかと考えていた程だった。小夜の隣に家入と五条、向かいに夏油が座る。どうにも落ち着かないが、どうしようもない。それぞれ飲み物を注文する。
「で、名前は?」
「悟。初対面でそれは失礼過ぎるだろう」
「五条は黙ってな。…小夜、さっきも言ったけど、コイツが五条、こっちが夏油」
「八重樫、小夜、です…、初めまして」
「小夜ちゃん、ね。…私は夏油傑、よろしくね」
「何1人でスカしてんだコラ」
「初対面の人に挨拶と自己紹介をするのは当たり前だろう?…悟は小学校で教わらなかったのかい?」
「2人とも黙ってな」
「それで、小夜ちゃんは何処の高校?」
「傑、硝子がキレんぞ」
3人の会話が噛み合っていない様でいて、何処かで突然噛み合って会話が始まるような、小夜は経験した事のない感覚に可笑しさを覚えた様で笑い声を上げた。
「誰もおもしれぇ事言ってねーぞ?」
「っ、ごめんなさい、…なんだか、…可笑しく、なってきちゃって」
「硝子のダチって笑い上戸?」
「私より笑いの沸点が低いのは間違いない」
「楽しく過ごせるのは良い事じゃないか」
小夜の笑いが落ち着いたのは、店員がオーダーした飲み物を運んで来てからだった。
カフェで昼食を済ませた後、そのまま4人で遊ぶ事となった。ふらりとアパレルショップを覗いたり、偶然見つけたゲームセンターで五条と夏油が対戦したり、4人でプリントシール機で写真を撮ったり。
当初は夕食前に帰ると言っていた小夜だったが、3人からの強い希望もあって、夕食を済ませて解散となった。
「今日はありがとう、硝子、また会おうね」
「こっちこそありがとう、…今度は2人でね」
家入が少し離れた場所で談笑している五条と夏油を睨む様に振り返れば、小夜は笑いをこぼした。
「…あの2人にもよろしくね」
1人方向の違う小夜を笑顔で見送ると、寮生活の3人は揃って歩き出した。
「あ〜、良い暇潰しになったぜ」
「…私は友達との貴重な時間を台無しにされたよ」
「なぁ、これからどーする?パフェでも食ってかね?」
「私は帰る。夜蛾センから課題出されてるし」
「課題とか別に後回しでも良くね?傑はー?」
「……」
「?」
家入と五条が並んで歩く後ろを歩いていた夏油。彼を振り返ると2人の会話が耳に入っていないのか、何かを考えているようだった。そんな彼を面白くなく思った五条は勢いをつけて夏油の肩を組みにかかった。
「…っぐ」
「話聞いてっか傑〜?」
「…急に危ないだろう。…何の話だい?」
夏油の言葉に、五条は鳩が豆鉄砲を食ったような顔をして家入を見た。そんな2人を見て、今日はもう帰るぞと家入は足早に駅の改札を目指した。
『今度の土曜、ヒマ?』
木曜日の放課後、小夜の携帯にメールが届いた。
挨拶や近況など、用件を伝える前の枕詞というか、一般的に使われる様な言葉を全部取っ払った、端的で愛想も何もない文章に思わず小夜の口元が緩んだ。
『久しぶり!元気そうだね。土曜日は予定ないよ、どうしたの?』
小夜が返事を送って数分後、再びメールが届く。
『やっと時間が出来たから、久しぶりに会おうよ』
進学して以来、時折メールのやり取りをする事はあったが、その度に家入は忙しい、暇が欲しい、課題や実習ばかりだと愚痴をこぼしていた。
『いいよ!久しぶりで嬉しい!』
小夜は即答した。家入と会うのは3カ月振りくらいになるだろうか。そう思うと胸が躍る。当日は何を着て行こうか、どんな話をしようかー今から週末が待ちきれない想いで小夜の頭はいっぱいになった。
土曜日の午前、10時半過ぎ。
小夜は家入と約束した待ち合わせの場所に向けて急いでいた。予定していた電車が遅延とかで、約束していた時間を大幅に過ぎてしまった。
「小夜〜。こっち〜」
雑踏の中、懐かしい声を耳が拾う。小夜がそちらを向くと、予想外の光景が目に飛び込んで来た。
「あ?あいつが硝子のダチ?」
目の前にいるのは間違いなく親友なのだが、問題はその背後に立つ2人の男性。2人とも見上げるくらいに背が高く、均整のとれた身体はモデルの様だった。
1人は人目を引く真っ白な髪に真っ黒なサングラスをかけ、もう1人は長い髪を頭頂部で纏めて前髪を一筋垂らし、大きなピアスといった出立ち。小夜は戸惑った。
「ごめん小夜、コイツら気にしなくていいから」
あっけらかんと家入が口を開くも、小夜はそんな事言っても、と口籠もる。
「コイツら私の同期なんだ。…ついて来るなって言ったのに、人の話を聞きやしない」
家入が2人を睨みつけるも、全く動じる様子はない。
「ま、とにかく行こうぜ」
「おい、待て悟」
「あっちのサングラスが五条、もう1人は夏油。…ああ見えてアイツら中身はガキだからさ、ホント気にしないでよ。ウザいかもだけど、ほっといて問題ないから」
「…う、ん…」
家入は戸惑う小夜の手を引いて、五条と夏油の後を追うように歩き始めた。
「それよりさ、前に小夜が行ってみたいって言ってたカフェあったじゃん?そこ、予約したって」
「…?予約したって、…?」
家入の言葉に安心したように小夜は笑みを見せるも、言い方が引っ掛かる。
「…小夜にメールした後、五条が土曜日出かけようって騒ぎ始めてさ。私は小夜との約束があるって断ったんだけど、何処に行くのかなんて聞いて来て。で、例のカフェの事話したら、4人で予約したって」
「……」
「…そーいうバカだからさ。マジウザいんだ」
先を歩いていた五条が2人を振り返り、早く来いと手を振って騒いでいる。夏油は呆れた様に肩を竦めていた。
五条が予約しておいたカフェに入れば、通されたのは4人用の丸テーブル席で小夜は内心安堵した。ボックス席だったら席を変えてもらえないか店員に声を掛けようかと考えていた程だった。小夜の隣に家入と五条、向かいに夏油が座る。どうにも落ち着かないが、どうしようもない。それぞれ飲み物を注文する。
「で、名前は?」
「悟。初対面でそれは失礼過ぎるだろう」
「五条は黙ってな。…小夜、さっきも言ったけど、コイツが五条、こっちが夏油」
「八重樫、小夜、です…、初めまして」
「小夜ちゃん、ね。…私は夏油傑、よろしくね」
「何1人でスカしてんだコラ」
「初対面の人に挨拶と自己紹介をするのは当たり前だろう?…悟は小学校で教わらなかったのかい?」
「2人とも黙ってな」
「それで、小夜ちゃんは何処の高校?」
「傑、硝子がキレんぞ」
3人の会話が噛み合っていない様でいて、何処かで突然噛み合って会話が始まるような、小夜は経験した事のない感覚に可笑しさを覚えた様で笑い声を上げた。
「誰もおもしれぇ事言ってねーぞ?」
「っ、ごめんなさい、…なんだか、…可笑しく、なってきちゃって」
「硝子のダチって笑い上戸?」
「私より笑いの沸点が低いのは間違いない」
「楽しく過ごせるのは良い事じゃないか」
小夜の笑いが落ち着いたのは、店員がオーダーした飲み物を運んで来てからだった。
カフェで昼食を済ませた後、そのまま4人で遊ぶ事となった。ふらりとアパレルショップを覗いたり、偶然見つけたゲームセンターで五条と夏油が対戦したり、4人でプリントシール機で写真を撮ったり。
当初は夕食前に帰ると言っていた小夜だったが、3人からの強い希望もあって、夕食を済ませて解散となった。
「今日はありがとう、硝子、また会おうね」
「こっちこそありがとう、…今度は2人でね」
家入が少し離れた場所で談笑している五条と夏油を睨む様に振り返れば、小夜は笑いをこぼした。
「…あの2人にもよろしくね」
1人方向の違う小夜を笑顔で見送ると、寮生活の3人は揃って歩き出した。
「あ〜、良い暇潰しになったぜ」
「…私は友達との貴重な時間を台無しにされたよ」
「なぁ、これからどーする?パフェでも食ってかね?」
「私は帰る。夜蛾センから課題出されてるし」
「課題とか別に後回しでも良くね?傑はー?」
「……」
「?」
家入と五条が並んで歩く後ろを歩いていた夏油。彼を振り返ると2人の会話が耳に入っていないのか、何かを考えているようだった。そんな彼を面白くなく思った五条は勢いをつけて夏油の肩を組みにかかった。
「…っぐ」
「話聞いてっか傑〜?」
「…急に危ないだろう。…何の話だい?」
夏油の言葉に、五条は鳩が豆鉄砲を食ったような顔をして家入を見た。そんな2人を見て、今日はもう帰るぞと家入は足早に駅の改札を目指した。