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硝子さんの友達の名前は?
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「っハァ〜!人多いのウゼぇけど悪くねぇな!」
花火大会が終わり、駅へ向かう人混みの中、五条は伸びをしながら後ろを歩く小夜と家入、夏油を振り返る。
「花火は夏の風物詩だからね、人が多いのは仕方ないよ。…悟、誘ってくれた小夜ちゃんに感謝しないとね」
「おぅ、八重樫サンキューな!」
「軽いな」
「あ?…じゃあ…心より感謝申し上げますとか?」
「…あれ、小夜?」
今まで隣を歩いていたはずの小夜の姿がない。歩くペースを落としながら辺りを見回す家入、そんな彼女に気付いた夏油は五条を呼び止める。3人は駅への道を大きく逸れて人混みを出た。
「五条、小夜の事見えるー?」
「パンピーの中からパンピー探せってのかよ?」
「硝子、ケータイは繋がらないのかい?」
「…気付くかな…、」
夏油に促され、家入は携帯を取り出して電話をかける。
「…ダメだ、出ない」
気付けばさっきまで隣にいた家入がいなくなっていた。前を歩いていた白い頭も、少し後ろの長い前髪も、いつの間にか見えなくなっていて、そこで小夜は3人とはぐれてしまったのだと思い至った。
これじゃまるで子供じゃないかと人波を掻き分けて流れから外れた。持っていた巾着バッグから携帯を取り出すも、人が多い場所のせいか電波状態は不安定。
「…困ったなぁ…」
携帯をバッグにしまいながらため息を吐く。目の前を通り過ぎていく人を眺めながら、五条も夏油も背が高くて目立つはずなのに、と思った。幸いにしてここは小夜の自宅の最寄駅、3人と合流出来なければ1人で帰ってしまうというのもアリなのだが。
「…まだお礼言ってないし…」
小夜の気持ちに引っ掛かっている、夏油から贈られたお土産へのお礼ー結局何を準備して良いか迷い過ぎて決められず、とりあえず今日のところは口頭で礼を述べ、本人が望む思うものを準備出来れば良いのではないかと考えていたのだ。それなのに顔を合わせたタイミングは悪く、花火大会の会場でははしゃぐ五条を追いかける事に終始し、帰り道では自分1人だけがはぐれるという残念な状態ー小夜はもう一度ため息を吐いた。
「あの、大丈夫ですか?」
1人の男性が声を掛けてきた。至って普通、という表現がぴったり当てはまる様な男だった。
「えっ…、はい、…大丈夫ですけど、」
「あっ、いや、何か困ってるのかと思って」
大丈夫です、と小夜は再び伝えるも、男はその場を離れようとしない。反応しなければ良かったと小夜が気付くも後の祭り。男はじっと小夜を見ていた。
「…お姉さん、かわいいですね」
「……」
「良かったら少しお話しませんか?」
男の手が小夜の手首を掴んだ。
「…っやめてください…!」
「…あの交番からそっち側が五条、こっち側が夏油、私は交番に行ってみる。困った事があったら交番に行くっていうのは小夜なら考えそうだからな」
「…なんで硝子が交番なワケ?」
「現場ではお前らの方が連携取れるだろ」
「悟、小夜ちゃんが心配だ、早く探しに行こう」
「へぇへぇ、行きますよったく」
「交番集合でな」
3人は手分けして小夜を探す事とした。家入の提案に従う様に、駅前の交番を目印に動き始める。
「悟」
かけられた声に五条は振り返った。
「…この人出だ、何かあったら近くの人に声をかけるんだよ。くれぐれも騒ぎを起こさないようにね」
「なら帳でも降ろしとくかぁ?」
「悟、」
僅かに強まった夏油の語気に五条は手をひらつかせ、夏油とは反対方向へと歩き出す。そんな彼の後ろ姿にため息を吐きながらも、夏油も辺りを見ながら歩き出した。
夏の花火大会、という非日常的な状況下において、開放的な気分になっているらしい者が多く、酒の勢いで騒ぎ立てる者や通りすがりにナンパをする者ー様々な状態の人々で溢れかえる中、小夜が何かトラブルに巻き込まれていないと良いが、と夏油は少々心配になった。
(…あんなに華奢で可愛らしいんだ。想像以上に軽かったしな…。心配だ、早く探そう)
まずは、と夏油は先程まで自分たちが歩いていた駅前の表通りを戻ってみる事にした。
(小夜ちゃんがいない事に気が付いたのはこの辺りか)
人混みから少し離れたところで辺りを見回すが、近くで人待ちをしている様な人影は見当たらないー先程よりも人が少なくなっていて、帰途につく人とそうでない人との違いが明確になってきていた。
と、夏油は少し離れた裏路地へ続く道に、自身の掌よりも小さな髪飾りを見つけた。
「これは、」
小夜の髪飾りではないだろうかと、夏油の心臓が跳ねた。彼女の髪を飾っていたそれを褒めれば、小夜は自身の祖母が作ってくれた物でとても大切にしていると言っていた。数時間前まで目にしていて色や形は良く覚えているー他人の物、という可能性は大いに低い。
夏油はその髪飾りを大切に懐へ入れると、嫌な予感を覚えながら裏路地へと足を踏み入れる。
辺りに注意を払い、気配を探る。蝿頭に毛が生えた様な呪霊が吹き溜まっている事が気になりながらも夏油が足早に奥へと進むと、男が怒鳴る様な声が聞こえ、女が何かを拒む様な、悲鳴に近い声が聞こえてくる。夏油は迷わずその声の方へ足を向けた。
路地の奥、袋小路になっている場所だった。
「何をしてる?」
目の前の光景にー小夜が壁に追いやられ、数人の男に囲まれているー夏油は大きく息を吐いた。
「…女の子1人にこの人数…、君たちにはキツイお仕置きが必要みたいだね。…小夜ちゃん、少し目を閉じていてくれるかな。すぐ終わるから」
夏油の言葉に従い、小夜は浴衣の袖で顔を隠す。が、すぐに聞こえた男たちの悲鳴に慌てて耳も塞いだ。
「お待たせ小夜ちゃん」
肩を軽く叩かれ、小夜は固く閉じていた目を開けて顔を隠していた腕を下ろした。
「…げと、さん」
「怖かったね。もう大丈夫だよ」
夏油は小夜に手を差し出すが、彼女は座り込んだまま立ち上がろうとしない。
「…もしかして、腰抜けちゃった感じ?」
小夜は恥ずかしそうに黙って頷いた。
花火大会が終わり、駅へ向かう人混みの中、五条は伸びをしながら後ろを歩く小夜と家入、夏油を振り返る。
「花火は夏の風物詩だからね、人が多いのは仕方ないよ。…悟、誘ってくれた小夜ちゃんに感謝しないとね」
「おぅ、八重樫サンキューな!」
「軽いな」
「あ?…じゃあ…心より感謝申し上げますとか?」
「…あれ、小夜?」
今まで隣を歩いていたはずの小夜の姿がない。歩くペースを落としながら辺りを見回す家入、そんな彼女に気付いた夏油は五条を呼び止める。3人は駅への道を大きく逸れて人混みを出た。
「五条、小夜の事見えるー?」
「パンピーの中からパンピー探せってのかよ?」
「硝子、ケータイは繋がらないのかい?」
「…気付くかな…、」
夏油に促され、家入は携帯を取り出して電話をかける。
「…ダメだ、出ない」
気付けばさっきまで隣にいた家入がいなくなっていた。前を歩いていた白い頭も、少し後ろの長い前髪も、いつの間にか見えなくなっていて、そこで小夜は3人とはぐれてしまったのだと思い至った。
これじゃまるで子供じゃないかと人波を掻き分けて流れから外れた。持っていた巾着バッグから携帯を取り出すも、人が多い場所のせいか電波状態は不安定。
「…困ったなぁ…」
携帯をバッグにしまいながらため息を吐く。目の前を通り過ぎていく人を眺めながら、五条も夏油も背が高くて目立つはずなのに、と思った。幸いにしてここは小夜の自宅の最寄駅、3人と合流出来なければ1人で帰ってしまうというのもアリなのだが。
「…まだお礼言ってないし…」
小夜の気持ちに引っ掛かっている、夏油から贈られたお土産へのお礼ー結局何を準備して良いか迷い過ぎて決められず、とりあえず今日のところは口頭で礼を述べ、本人が望む思うものを準備出来れば良いのではないかと考えていたのだ。それなのに顔を合わせたタイミングは悪く、花火大会の会場でははしゃぐ五条を追いかける事に終始し、帰り道では自分1人だけがはぐれるという残念な状態ー小夜はもう一度ため息を吐いた。
「あの、大丈夫ですか?」
1人の男性が声を掛けてきた。至って普通、という表現がぴったり当てはまる様な男だった。
「えっ…、はい、…大丈夫ですけど、」
「あっ、いや、何か困ってるのかと思って」
大丈夫です、と小夜は再び伝えるも、男はその場を離れようとしない。反応しなければ良かったと小夜が気付くも後の祭り。男はじっと小夜を見ていた。
「…お姉さん、かわいいですね」
「……」
「良かったら少しお話しませんか?」
男の手が小夜の手首を掴んだ。
「…っやめてください…!」
「…あの交番からそっち側が五条、こっち側が夏油、私は交番に行ってみる。困った事があったら交番に行くっていうのは小夜なら考えそうだからな」
「…なんで硝子が交番なワケ?」
「現場ではお前らの方が連携取れるだろ」
「悟、小夜ちゃんが心配だ、早く探しに行こう」
「へぇへぇ、行きますよったく」
「交番集合でな」
3人は手分けして小夜を探す事とした。家入の提案に従う様に、駅前の交番を目印に動き始める。
「悟」
かけられた声に五条は振り返った。
「…この人出だ、何かあったら近くの人に声をかけるんだよ。くれぐれも騒ぎを起こさないようにね」
「なら帳でも降ろしとくかぁ?」
「悟、」
僅かに強まった夏油の語気に五条は手をひらつかせ、夏油とは反対方向へと歩き出す。そんな彼の後ろ姿にため息を吐きながらも、夏油も辺りを見ながら歩き出した。
夏の花火大会、という非日常的な状況下において、開放的な気分になっているらしい者が多く、酒の勢いで騒ぎ立てる者や通りすがりにナンパをする者ー様々な状態の人々で溢れかえる中、小夜が何かトラブルに巻き込まれていないと良いが、と夏油は少々心配になった。
(…あんなに華奢で可愛らしいんだ。想像以上に軽かったしな…。心配だ、早く探そう)
まずは、と夏油は先程まで自分たちが歩いていた駅前の表通りを戻ってみる事にした。
(小夜ちゃんがいない事に気が付いたのはこの辺りか)
人混みから少し離れたところで辺りを見回すが、近くで人待ちをしている様な人影は見当たらないー先程よりも人が少なくなっていて、帰途につく人とそうでない人との違いが明確になってきていた。
と、夏油は少し離れた裏路地へ続く道に、自身の掌よりも小さな髪飾りを見つけた。
「これは、」
小夜の髪飾りではないだろうかと、夏油の心臓が跳ねた。彼女の髪を飾っていたそれを褒めれば、小夜は自身の祖母が作ってくれた物でとても大切にしていると言っていた。数時間前まで目にしていて色や形は良く覚えているー他人の物、という可能性は大いに低い。
夏油はその髪飾りを大切に懐へ入れると、嫌な予感を覚えながら裏路地へと足を踏み入れる。
辺りに注意を払い、気配を探る。蝿頭に毛が生えた様な呪霊が吹き溜まっている事が気になりながらも夏油が足早に奥へと進むと、男が怒鳴る様な声が聞こえ、女が何かを拒む様な、悲鳴に近い声が聞こえてくる。夏油は迷わずその声の方へ足を向けた。
路地の奥、袋小路になっている場所だった。
「何をしてる?」
目の前の光景にー小夜が壁に追いやられ、数人の男に囲まれているー夏油は大きく息を吐いた。
「…女の子1人にこの人数…、君たちにはキツイお仕置きが必要みたいだね。…小夜ちゃん、少し目を閉じていてくれるかな。すぐ終わるから」
夏油の言葉に従い、小夜は浴衣の袖で顔を隠す。が、すぐに聞こえた男たちの悲鳴に慌てて耳も塞いだ。
「お待たせ小夜ちゃん」
肩を軽く叩かれ、小夜は固く閉じていた目を開けて顔を隠していた腕を下ろした。
「…げと、さん」
「怖かったね。もう大丈夫だよ」
夏油は小夜に手を差し出すが、彼女は座り込んだまま立ち上がろうとしない。
「…もしかして、腰抜けちゃった感じ?」
小夜は恥ずかしそうに黙って頷いた。