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硝子さんの友達の名前は?
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花火大会当日。
家入は午後一番に高専を出て小夜の家を訪れていた。
「小夜さんの友達の家入と申します。今日は突然申し訳ありません、お邪魔します」
「あらあら、ご丁寧に…、わざわざお土産まで、却ってありがとうございます」
玄関先で小夜の母親に挨拶を済ませると、小夜は硝子を連れ部屋に向かった。
「気遣わせちゃってごめんね」
「悪いのはこっちだし。ていうかアイツら2人だし」
夏油と五条が七海と灰原を引き連れて浴衣を買いに出たあの日、待ち合わせ場所と時間の連絡メールを送信した後、家入は小夜へ電話をかけ、事の次第を伝えた。
「浴衣なんて花火大会の時くらいしか着ないし、準備も着るのも大変なんだけどね」
小夜は浴衣の着付けが出来るという事で、彼女の家で着付けをし、それから花火に行こうとなったのだった。部屋に入ると、小夜は家入が手にしていた大きな紙袋を受け取り、中身を出し広げるー藍色に白色や薄桃色の、大小様々の花が咲く浴衣だった。
「…まったく、良い迷惑だよ」
「これ、硝子が選んだの?」
「そーだよ、何か変?」
「ううん、硝子にすごく似合いそう」
嬉しそうに笑う小夜につられる様に家入も笑った。
「小夜はどんな浴衣?」
「私はね…」
一方、高専の学生寮。
「先輩たち、急にどうしたんだろうね?」
共有スペース内に置かれたソファに並んで座る、灰原と七海。午前中から取り組んでいた課題を終え、遅めの昼食を済ませた2人は共有スペースに呼び出された。
「……」
数日前と同様、嫌な予感しかしない。というか9割方どんな用件か予測はついているー七海はため息を吐いた。
5分程時間が経った。
「おっ、来てたのか」
現れた五条と夏油はそれぞれ先日買った浴衣を身につけていた。五条はダークグレーの浴衣、夏油は白地に黒の流水文様の浴衣。いい加減な着付けの仕上がりではなく、帯も綺麗に整っていた。
「うわぁぁ先輩!めちゃくちゃカッコ良いっす!」
「どーだよ七海!これなら文句ねぇだろ!」
「…気付けは五条さんですか?」
「あぁ。流石、五条家のお坊ちゃんだけあって、和服の扱いや和装のマナーはしっかりしているよ」
「オラァ七海!文句があるなら言ってみろよ!」
「…どうしてそんな喧嘩腰なんですか、文句なんてありませんよ。…良いんじゃないですか」
面倒そうに七海が言うと五条は彼の背中をバシバシ叩き、んじゃ行って来るぜと嬉しそうに夏油を引き連れ勇んで寮を飛び出して行った。
「さっすが七海、浴衣のチョイスは良かったね!先輩達のデート、上手くいくと良いね!」
結果はどうあれ、今後こんな面倒な事が無ければいいがと七海はため息を吐いた。
「…あ、先輩達、お土産買ってきてくれるかな…」
「……」
花火大会の会場最寄り駅に着いた夏油と五条。携帯で時間を確認すると、待ち合わせの時間まで30分近くある。
「傑…、早過ぎじゃね?」
「…時間も確認しないで寮を出たのは君だろう」
通りを行く人達を見れば皆花火を観に行くのだろう、2人と同じ様に浴衣姿の人も多い。
「早えトコ硝子ら呼んで合流しようぜ」
そう言う五条の言葉には、2人に集まりつつある視線を鬱陶しがっているのが感じられる。そんな彼の気持ちを理解しながらも夏油はゆっくりと首を振った。
「流石にそれは失礼だ、マナー違反だよ」
「じゃあどーするよ」
「30分くらいだろう?…ここで待っていれば良いじゃないか。30分では何処にも行けないし何も出来ないだろうからね。…生憎時間を潰せそうなところは人が多いし」
夏油の言う通り、花火の会場へ向かう人、2人の様に待ち合わせをしている人、様々な人達が溢れている。そして五条の言う通り、彼を鬱陶しがらせている人達。
「そうは言ってもよぉ…」
「あのぉすみません、お兄さん達、ヒマしてます?」
小夜の家から待ち合わせの駅まで徒歩10分弱。浴衣に身を包み、髪を綺麗に整えた2人は、この交差点の横断歩道を渡れば待ち合わせ場所に到着ーというところに差し掛かっていた。
「ちょっと時間ギリギリになっちゃったね」
「ギリギリでも時間に着けば問題ないっしょ」
約束の時間まであと5分。早く信号が変わらないかと落ち着かない小夜の傍ら、のんびり構える家入は交差点の向こう、同期2人の存在を感じ取っていた。
信号が変わり、人波が一斉に流れ出す。普段よりもずっと多い人波を掻き分けるようにして2人は駅前へ渡り着いた。家入がひと息つく間もなく、小夜が慌てた様子で家入の肩を叩いた。
「ちょっと硝子、あれ…!」
小夜の示す先に視線を向けると、家入の同期2人が見知らぬ女性に絡まれているところだった。
「あー…、良くある事なのよ」
「…どうするの?」
「あーっ硝子!おっせぇよ!」
「小夜ちゃん、こっちだよ」
小夜と家入が行動するよりも先に五条が2人に気付き、声を上げて手を振る。夏油も彼に合わせる様に小夜と家入の元へやって来たーのだが。
「ちょっと、先にウチらが話してたんだけど!」
五条と夏油に声をかけていた見知らぬ女性2人は彼らの後を追いかけてくると、家入よりも小柄な小夜の肩を押した。突然の事に小夜はバランスを崩してよろめいた。
「っきゃ…、」
「危ない!」
素早い身のこなしで、夏油は車道の方に倒れそうになる小夜の身体を軽々引き寄せた。
「お巡りさーん!友達がこの人達に突き飛ばされたんですけど、ちょっと来てもらえませんかぁ?」
機転を利かせた家入が大きな声を出せば、その2人は周囲の注目を浴びながら慌てて逃げて行った。
「小夜、大丈夫?…夏油、いい加減手を離しなよ」
「…すみません夏油さん、ありがとうございます」
「小夜ちゃん本当に大丈夫?ケガしてない?」
「っはい、大丈夫です…」
「んじゃとりあえず行こうぜ」
夏油を小夜から引き剥がして彼を引き摺る様に五条は歩き出す。何処となく名残惜しそうな顔の夏油に小夜と家入は顔を見合わせて笑い合い、後を追って歩き出した。
家入は午後一番に高専を出て小夜の家を訪れていた。
「小夜さんの友達の家入と申します。今日は突然申し訳ありません、お邪魔します」
「あらあら、ご丁寧に…、わざわざお土産まで、却ってありがとうございます」
玄関先で小夜の母親に挨拶を済ませると、小夜は硝子を連れ部屋に向かった。
「気遣わせちゃってごめんね」
「悪いのはこっちだし。ていうかアイツら2人だし」
夏油と五条が七海と灰原を引き連れて浴衣を買いに出たあの日、待ち合わせ場所と時間の連絡メールを送信した後、家入は小夜へ電話をかけ、事の次第を伝えた。
「浴衣なんて花火大会の時くらいしか着ないし、準備も着るのも大変なんだけどね」
小夜は浴衣の着付けが出来るという事で、彼女の家で着付けをし、それから花火に行こうとなったのだった。部屋に入ると、小夜は家入が手にしていた大きな紙袋を受け取り、中身を出し広げるー藍色に白色や薄桃色の、大小様々の花が咲く浴衣だった。
「…まったく、良い迷惑だよ」
「これ、硝子が選んだの?」
「そーだよ、何か変?」
「ううん、硝子にすごく似合いそう」
嬉しそうに笑う小夜につられる様に家入も笑った。
「小夜はどんな浴衣?」
「私はね…」
一方、高専の学生寮。
「先輩たち、急にどうしたんだろうね?」
共有スペース内に置かれたソファに並んで座る、灰原と七海。午前中から取り組んでいた課題を終え、遅めの昼食を済ませた2人は共有スペースに呼び出された。
「……」
数日前と同様、嫌な予感しかしない。というか9割方どんな用件か予測はついているー七海はため息を吐いた。
5分程時間が経った。
「おっ、来てたのか」
現れた五条と夏油はそれぞれ先日買った浴衣を身につけていた。五条はダークグレーの浴衣、夏油は白地に黒の流水文様の浴衣。いい加減な着付けの仕上がりではなく、帯も綺麗に整っていた。
「うわぁぁ先輩!めちゃくちゃカッコ良いっす!」
「どーだよ七海!これなら文句ねぇだろ!」
「…気付けは五条さんですか?」
「あぁ。流石、五条家のお坊ちゃんだけあって、和服の扱いや和装のマナーはしっかりしているよ」
「オラァ七海!文句があるなら言ってみろよ!」
「…どうしてそんな喧嘩腰なんですか、文句なんてありませんよ。…良いんじゃないですか」
面倒そうに七海が言うと五条は彼の背中をバシバシ叩き、んじゃ行って来るぜと嬉しそうに夏油を引き連れ勇んで寮を飛び出して行った。
「さっすが七海、浴衣のチョイスは良かったね!先輩達のデート、上手くいくと良いね!」
結果はどうあれ、今後こんな面倒な事が無ければいいがと七海はため息を吐いた。
「…あ、先輩達、お土産買ってきてくれるかな…」
「……」
花火大会の会場最寄り駅に着いた夏油と五条。携帯で時間を確認すると、待ち合わせの時間まで30分近くある。
「傑…、早過ぎじゃね?」
「…時間も確認しないで寮を出たのは君だろう」
通りを行く人達を見れば皆花火を観に行くのだろう、2人と同じ様に浴衣姿の人も多い。
「早えトコ硝子ら呼んで合流しようぜ」
そう言う五条の言葉には、2人に集まりつつある視線を鬱陶しがっているのが感じられる。そんな彼の気持ちを理解しながらも夏油はゆっくりと首を振った。
「流石にそれは失礼だ、マナー違反だよ」
「じゃあどーするよ」
「30分くらいだろう?…ここで待っていれば良いじゃないか。30分では何処にも行けないし何も出来ないだろうからね。…生憎時間を潰せそうなところは人が多いし」
夏油の言う通り、花火の会場へ向かう人、2人の様に待ち合わせをしている人、様々な人達が溢れている。そして五条の言う通り、彼を鬱陶しがらせている人達。
「そうは言ってもよぉ…」
「あのぉすみません、お兄さん達、ヒマしてます?」
小夜の家から待ち合わせの駅まで徒歩10分弱。浴衣に身を包み、髪を綺麗に整えた2人は、この交差点の横断歩道を渡れば待ち合わせ場所に到着ーというところに差し掛かっていた。
「ちょっと時間ギリギリになっちゃったね」
「ギリギリでも時間に着けば問題ないっしょ」
約束の時間まであと5分。早く信号が変わらないかと落ち着かない小夜の傍ら、のんびり構える家入は交差点の向こう、同期2人の存在を感じ取っていた。
信号が変わり、人波が一斉に流れ出す。普段よりもずっと多い人波を掻き分けるようにして2人は駅前へ渡り着いた。家入がひと息つく間もなく、小夜が慌てた様子で家入の肩を叩いた。
「ちょっと硝子、あれ…!」
小夜の示す先に視線を向けると、家入の同期2人が見知らぬ女性に絡まれているところだった。
「あー…、良くある事なのよ」
「…どうするの?」
「あーっ硝子!おっせぇよ!」
「小夜ちゃん、こっちだよ」
小夜と家入が行動するよりも先に五条が2人に気付き、声を上げて手を振る。夏油も彼に合わせる様に小夜と家入の元へやって来たーのだが。
「ちょっと、先にウチらが話してたんだけど!」
五条と夏油に声をかけていた見知らぬ女性2人は彼らの後を追いかけてくると、家入よりも小柄な小夜の肩を押した。突然の事に小夜はバランスを崩してよろめいた。
「っきゃ…、」
「危ない!」
素早い身のこなしで、夏油は車道の方に倒れそうになる小夜の身体を軽々引き寄せた。
「お巡りさーん!友達がこの人達に突き飛ばされたんですけど、ちょっと来てもらえませんかぁ?」
機転を利かせた家入が大きな声を出せば、その2人は周囲の注目を浴びながら慌てて逃げて行った。
「小夜、大丈夫?…夏油、いい加減手を離しなよ」
「…すみません夏油さん、ありがとうございます」
「小夜ちゃん本当に大丈夫?ケガしてない?」
「っはい、大丈夫です…」
「んじゃとりあえず行こうぜ」
夏油を小夜から引き剥がして彼を引き摺る様に五条は歩き出す。何処となく名残惜しそうな顔の夏油に小夜と家入は顔を見合わせて笑い合い、後を追って歩き出した。