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硝子さんの友達の名前は?
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中学時代の親しい友達。
頭は良くて、成績はいつも上位。
身体を動かすのはあまり好きじゃないみたいで、体育の授業の度に「ダルい」と言うのが定番。
見た目は派手でもなく地味でもなく、至って普通。
性格は捌けていて、自分の意見や想いはハッキリと言葉にする。相手が先生だろうが先輩だろうがその姿勢は変わらなくて、見ていてとても気持ちが良い。
そんな性格だから、周りの人からの好き嫌いが別れる。
それでも本人はそんな事を気にする風は全くなくて、男女問わず、去る者追わず。
同い年なはずなのに、そうは思えないくらいに世の中を知っている様に達観していて。
中学時代の親しい友達ー名前は家入硝子。
「…あのさ、消しゴム2つ持ってたりしない?」
中学の定期テストの直前、家入は自身の前の席に座る八重樫小夜に声をかけた。
「…え?」
「新しいやつ入れ忘れちゃってさ」
突然掛けられた声に戸惑いながら、小夜は家入を振り返る。彼女が差し出していた手には、辛うじて摘める程度の小さな消しゴムが乗っていた。
「…ちょっと待ってて」
小夜は机の中の文具入れを漁り、取り出した鋏で比較的新しい自身の消しゴムを半分に切った。
「…それよりは使える…かな?」
「八重樫めっちゃ良い奴じゃん?ありがと」
始業を告げるチャイムが鳴り、テストが始まる。小夜からの消しゴムのおかげで、家入は無事その日のテストを乗り切る事が出来た。
「八重樫、今日はホントありがとね」
「ううん、全然」
「コレ、借りといていい?」
「…あげる。小さいけど、家入さん使って」
「マジいいの?サンキュー」
ニカッと笑う家入を見て、噂通り捌けてる人だなと小夜は思った。同じクラス、何度か話をした事はあるが、特に親しいわけでもない。というより、家入自身が親しい人間を作ろうと思っているのか疑問である。
中学生の女子といえば大抵グループでつるんでいたり、特定の子と行動を共にしたりするものだが、家入はそう言った事に関心は無さそうで、良くも悪くも目立つ存在として見られている。そんな飄々とした家入の事を少し羨ましく小夜は見ていた。正直なところ、小夜自身は相手を束縛するような友人関係が苦手であった。自分のペースで行動したい時もあるし、いろんな人と話をしたって良いじゃないーそんな事を思いながらも周りに流されるように日々を過ごしていた。
「…八重樫は放課後何してんの?」
「ん…だいたいは、友達と帰ってる、かな」
「何それ、私だって家に帰るわ」
「あ、そうだよね、…えっと…」
上手く言葉に出来ず、どう応えたものかと小夜が考えていると、2人に近付いてくる女子が2人。
「小夜、帰ろ」
言いながら小夜の手を引く女子。家入は自身と小夜の気持ちを無視したその態度に苛立ちを覚えた。
「…あのさ、今私が八重樫と話してんだけど?」
「小夜は私たちと帰るの、小夜行こ!」
「八重樫はモノじゃないよ。本人の気持ち無視して何言ってんの?アンタらホントに友達?」
「アンタこそ何なの?」
「やめよ、もう小夜なんてほっとこ!」
一瞬にして嵐が去ったような感覚と共に、恐らく彼女たちとの関係に亀裂が生じただろう事を小夜はぼんやりと、そして他人事の様に思った。
「…ごめん八重樫、…余計な事したね」
気まずそうな顔でいて、謝罪を口にする家入。小夜は笑って首を振った。
「じゃあ、一緒に帰ろ?」
学校を出て、あれこれ話をする。そして互いの家へ向かう道の分岐で2人は立ち止まった。
「…少し無理してるかなって自覚はあったの」
小夜がぽつりと言った。先程の出来事に関わらず、今の友人関係に窮屈さを感じていた事、他人に振り回されない家入の態度に憧れに似た気持ちを抱いていた事を告げると、家入は照れたように笑った。
「私は自己チューなだけだよ。…だって、自分の事を一番大事に出来るのって自分だけじゃん?親も自分の事を大事にしてくれるけどさ、結局自分とは違う人間だし。自分と一生付き合ってくのは自分だし、やっぱり自分の気持ちは大事にしなくちゃ自分可哀想じゃん」
スラスラと淀みなく話す家入の言葉に小夜は感銘を受けた。彼女の話は決して間違いではないし、その通りだと思えた。そしてそんな彼女の強さは何処から来るのだろうと、小夜は家入硝子という人物に興味がわいた。
「家入さん、今日は話を聞いてくれてありがとう。…もし良かったら、また一緒に帰ろう?」
「良いよ、またいろいろ話そ。…じゃ、ウチこっちだから。またね、小夜」
家入からの言葉に小夜は思わず破顔した。
「ありがとう、硝子」
親しくなるのに時間の長短は関係ないと思い知った瞬間だった。あの日以来、2人は親友と呼べるまでに親しくなり、中学時代を共に過ごした。
中学を卒業した後は互いに別の学校へ進学する事となり、小夜は都内の女子校へ進学する事に決まった。家入はどこの学校かと小夜が尋ねても、彼女は全寮制の、都立の高専だとしか答えなかった。
別離には淋しさを覚えるも、2人は再会を約束してそれぞれに新しい生活をスタートさせた。
頭は良くて、成績はいつも上位。
身体を動かすのはあまり好きじゃないみたいで、体育の授業の度に「ダルい」と言うのが定番。
見た目は派手でもなく地味でもなく、至って普通。
性格は捌けていて、自分の意見や想いはハッキリと言葉にする。相手が先生だろうが先輩だろうがその姿勢は変わらなくて、見ていてとても気持ちが良い。
そんな性格だから、周りの人からの好き嫌いが別れる。
それでも本人はそんな事を気にする風は全くなくて、男女問わず、去る者追わず。
同い年なはずなのに、そうは思えないくらいに世の中を知っている様に達観していて。
中学時代の親しい友達ー名前は家入硝子。
「…あのさ、消しゴム2つ持ってたりしない?」
中学の定期テストの直前、家入は自身の前の席に座る八重樫小夜に声をかけた。
「…え?」
「新しいやつ入れ忘れちゃってさ」
突然掛けられた声に戸惑いながら、小夜は家入を振り返る。彼女が差し出していた手には、辛うじて摘める程度の小さな消しゴムが乗っていた。
「…ちょっと待ってて」
小夜は机の中の文具入れを漁り、取り出した鋏で比較的新しい自身の消しゴムを半分に切った。
「…それよりは使える…かな?」
「八重樫めっちゃ良い奴じゃん?ありがと」
始業を告げるチャイムが鳴り、テストが始まる。小夜からの消しゴムのおかげで、家入は無事その日のテストを乗り切る事が出来た。
「八重樫、今日はホントありがとね」
「ううん、全然」
「コレ、借りといていい?」
「…あげる。小さいけど、家入さん使って」
「マジいいの?サンキュー」
ニカッと笑う家入を見て、噂通り捌けてる人だなと小夜は思った。同じクラス、何度か話をした事はあるが、特に親しいわけでもない。というより、家入自身が親しい人間を作ろうと思っているのか疑問である。
中学生の女子といえば大抵グループでつるんでいたり、特定の子と行動を共にしたりするものだが、家入はそう言った事に関心は無さそうで、良くも悪くも目立つ存在として見られている。そんな飄々とした家入の事を少し羨ましく小夜は見ていた。正直なところ、小夜自身は相手を束縛するような友人関係が苦手であった。自分のペースで行動したい時もあるし、いろんな人と話をしたって良いじゃないーそんな事を思いながらも周りに流されるように日々を過ごしていた。
「…八重樫は放課後何してんの?」
「ん…だいたいは、友達と帰ってる、かな」
「何それ、私だって家に帰るわ」
「あ、そうだよね、…えっと…」
上手く言葉に出来ず、どう応えたものかと小夜が考えていると、2人に近付いてくる女子が2人。
「小夜、帰ろ」
言いながら小夜の手を引く女子。家入は自身と小夜の気持ちを無視したその態度に苛立ちを覚えた。
「…あのさ、今私が八重樫と話してんだけど?」
「小夜は私たちと帰るの、小夜行こ!」
「八重樫はモノじゃないよ。本人の気持ち無視して何言ってんの?アンタらホントに友達?」
「アンタこそ何なの?」
「やめよ、もう小夜なんてほっとこ!」
一瞬にして嵐が去ったような感覚と共に、恐らく彼女たちとの関係に亀裂が生じただろう事を小夜はぼんやりと、そして他人事の様に思った。
「…ごめん八重樫、…余計な事したね」
気まずそうな顔でいて、謝罪を口にする家入。小夜は笑って首を振った。
「じゃあ、一緒に帰ろ?」
学校を出て、あれこれ話をする。そして互いの家へ向かう道の分岐で2人は立ち止まった。
「…少し無理してるかなって自覚はあったの」
小夜がぽつりと言った。先程の出来事に関わらず、今の友人関係に窮屈さを感じていた事、他人に振り回されない家入の態度に憧れに似た気持ちを抱いていた事を告げると、家入は照れたように笑った。
「私は自己チューなだけだよ。…だって、自分の事を一番大事に出来るのって自分だけじゃん?親も自分の事を大事にしてくれるけどさ、結局自分とは違う人間だし。自分と一生付き合ってくのは自分だし、やっぱり自分の気持ちは大事にしなくちゃ自分可哀想じゃん」
スラスラと淀みなく話す家入の言葉に小夜は感銘を受けた。彼女の話は決して間違いではないし、その通りだと思えた。そしてそんな彼女の強さは何処から来るのだろうと、小夜は家入硝子という人物に興味がわいた。
「家入さん、今日は話を聞いてくれてありがとう。…もし良かったら、また一緒に帰ろう?」
「良いよ、またいろいろ話そ。…じゃ、ウチこっちだから。またね、小夜」
家入からの言葉に小夜は思わず破顔した。
「ありがとう、硝子」
親しくなるのに時間の長短は関係ないと思い知った瞬間だった。あの日以来、2人は親友と呼べるまでに親しくなり、中学時代を共に過ごした。
中学を卒業した後は互いに別の学校へ進学する事となり、小夜は都内の女子校へ進学する事に決まった。家入はどこの学校かと小夜が尋ねても、彼女は全寮制の、都立の高専だとしか答えなかった。
別離には淋しさを覚えるも、2人は再会を約束してそれぞれに新しい生活をスタートさせた。