wanderers
猪野くんの同級生のお名前は?
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ちはるが運転する車がホテルに到着すると、まず七海は補助監督を休ませる為に伊地知へと連絡を入れた。ホテルに宿泊部屋の追加を依頼すれば、宿泊客があまり居ないのだろうか、フロント係は嬉しそうな顔を見せた。
「ひとまず私たちも休みましょう」
「そっすね。移動で車乗ってるだけでも疲れるっちゃ疲れますもんね」
猪野は伸びをしてひとつ欠伸を溢した。
「明日以降の事はまた後で話し合いましょう」
七海は具合の悪そうな補助監督に肩を貸し、エレベーターへと姿を消した。それを見送る形でその場に残った猪野とちはる。猪野がちはるを見下ろす。
「ちはるはどーすんの?」
「私も少し休むつもり。やっぱり疲れたし、この後状況がどう変わるかもわかんないし」
「…晩メシ、どーする?」
「…食事係に任命するから決まったら教えて」
何よソレ、と騒ぐ猪野に構わず、ちはるはエレベーターを呼ぶ。部屋に着いたらまず伊地知に連絡しようーエレベーターに乗り込む。階数ボタンを押して振り返るとフロント係に声をかけている猪野が目に入った。
ちはるは部屋に入るとソファに座り、ポケットから取り出したスマホを操作して伊地知へと電話をかける。
『お疲れ様です、伊地知です』
「忙しいところすみません、水野です。伊地知さんに相談というか、ちょっとお願いがありまして…」
補助監督を部屋に送り届け、部屋での仮眠から目を覚ました七海は腕時計を見たー間もなく19時。
起き上がって窓の外を見れば、晩夏と言える時期に差し掛かった太陽はゆっくりと眠りにつくところだった。
さて、明日以降の予定を立てなくてはいけない、猪野とちはるはしっかり休んだだろうかなどと考えながら、僅かに乱れた髪を手櫛で整えると七海は部屋を出た。
まずはロビーに行ってみるかとエレベーターホールに向かうと、タイミング良くちはるの後ろ姿を見つけた。
「水野さん」
振り返ったちはるは欠伸を噛み殺した表情で、自身を呼んだのが七海と気付くと照れた様に笑った。自然と七海の口元も僅かに緩む。
「休めましたか?」
「少し横になりましたけど…、やっぱりいろいろ考えてしまって。…あ、体調は問題ないですよ」
七海の視線がちはるの右腕を気にしている事に気付き、ちはるは包帯ではなく大きめの絆創膏が数枚貼られている右腕を見せた。
「…ところで猪野くんは」
エレベーターの扉が開く。先に乗るようちはるを促し、七海は階数ボタンを押して扉を閉めた。
「あ〜…食事係に任命したので…」
「…はい?」
「食事の心配ばかりしていたので、つい…」
ロビーに降り立った七海は状況を理解したと同時にデジャヴを覚え、小さく息を吐いた。
「…そういう事ですか」
「アッ、七海サン!ちはるも!」
フロント係と話をしていた猪野が2人を振り返った。
「今日の晩メシ、良い店聞いたんで行ってみましょ!」
嬉しそうに話す猪野に七海とちはるは顔を見合わせ、互いに口元を緩めて見せた。
「別の補助監督が配備されるまで時間がかかる様です。今休んでいる彼も、回復にもう少しかかるでしょう」
猪野がホテルのフロント係から聞いてきた飲食店ー落ち着いた雰囲気の洋風居酒屋。個室に案内され、七海と猪野は生ビール、ちはるはジンジャーエール、そしていくつか料理をオーダーした。
「何よちはる、飲まねぇの?」
「補助監督が動けないんだもん、私まで飲んだら不便があるかもしれないでしょ。…私は飲まなくても平気だから気にしないでいいよ」
以前も似たような事があったなーちはると出会った時も彼女は車があるからとノンアルコール飲料を飲んでいた事を七海は思い出した。テーブルに飲み物が届き、お疲れっス、という猪野の言葉を合図に3人は喉を潤した。
「補助監督が不在で動いても平気っスかね?」
料理が次々と届き、テーブルの上はあっという間に賑やかになった。それぞれ好きなものに手を伸ばし、リラックスした様な雰囲気の中、世間話でもするかの様に任務の話に流れていく。
「今回の任務概要は事務方でも把握していますし、すぐに祓除に取り掛かれる状況でもありません。我々の方で現場の調査を進めても問題はないでしょう」
「じゃあ当面は私が車も担当って事で」
「えぇ、お手数をおかけしますが」
問題ありませんよ、とちはるが返事をすると、猪野がビールの追加をオーダーした。遠慮なく飲むんだな、とちはるが猪野にちょっかいをかけようとした時、彼女のスマホが鳴った。
「あ、伊地知さんだ」
ちはるは失礼します、と言い置いて通話を繋ぐ。
『お疲れさまです、伊地知です』
「水野ですお疲れさまです。…何かありました?」
『先程ご連絡いただいた件なのですが、上からの許可が出たので手配を致しました。タイミングが良かった様で、明日の17時にはお届け出来るという事です』
「マジですか⁉︎さっすが伊地知さん!」
思わず大きな声を出してしまい、ちはるはこちらを見ている七海と猪野に頭を下げた。
『はは、恐縮です。あとそれから…ついでと言っては何ですが、水野さんの装備品であるクロスボウの矢も一緒に手配しておきましたので、そちらもご確認ください』
「明日の17時ですね、了解です。やっぱ伊地知さん頼りになります、本当にありがとうございます。いつも無理言ってすみません」
『いいえ、こちらの無理は私1人でも、如何とでも出来ますが、現場はそうはいきません。無理だけは本当になさらないでくださいね』
伊地知へ感謝を伝えて通話を切ると、七海は料理を口に運んだところ、猪野はビールを飲みながら興味深げにちはるを見つめていた。
「明日なんかあんの?嬉しそうだけど」
「ん、伊地知さんにお願いしてた事があって。それが明日の17時に届くって話」
自分の判断で動いてしまったが、2人はなんて言うだろうか。いや、そんな事を今更考えても仕方ないかーちはるは七海が勧めてくれた料理に手を伸ばした。
「ひとまず私たちも休みましょう」
「そっすね。移動で車乗ってるだけでも疲れるっちゃ疲れますもんね」
猪野は伸びをしてひとつ欠伸を溢した。
「明日以降の事はまた後で話し合いましょう」
七海は具合の悪そうな補助監督に肩を貸し、エレベーターへと姿を消した。それを見送る形でその場に残った猪野とちはる。猪野がちはるを見下ろす。
「ちはるはどーすんの?」
「私も少し休むつもり。やっぱり疲れたし、この後状況がどう変わるかもわかんないし」
「…晩メシ、どーする?」
「…食事係に任命するから決まったら教えて」
何よソレ、と騒ぐ猪野に構わず、ちはるはエレベーターを呼ぶ。部屋に着いたらまず伊地知に連絡しようーエレベーターに乗り込む。階数ボタンを押して振り返るとフロント係に声をかけている猪野が目に入った。
ちはるは部屋に入るとソファに座り、ポケットから取り出したスマホを操作して伊地知へと電話をかける。
『お疲れ様です、伊地知です』
「忙しいところすみません、水野です。伊地知さんに相談というか、ちょっとお願いがありまして…」
補助監督を部屋に送り届け、部屋での仮眠から目を覚ました七海は腕時計を見たー間もなく19時。
起き上がって窓の外を見れば、晩夏と言える時期に差し掛かった太陽はゆっくりと眠りにつくところだった。
さて、明日以降の予定を立てなくてはいけない、猪野とちはるはしっかり休んだだろうかなどと考えながら、僅かに乱れた髪を手櫛で整えると七海は部屋を出た。
まずはロビーに行ってみるかとエレベーターホールに向かうと、タイミング良くちはるの後ろ姿を見つけた。
「水野さん」
振り返ったちはるは欠伸を噛み殺した表情で、自身を呼んだのが七海と気付くと照れた様に笑った。自然と七海の口元も僅かに緩む。
「休めましたか?」
「少し横になりましたけど…、やっぱりいろいろ考えてしまって。…あ、体調は問題ないですよ」
七海の視線がちはるの右腕を気にしている事に気付き、ちはるは包帯ではなく大きめの絆創膏が数枚貼られている右腕を見せた。
「…ところで猪野くんは」
エレベーターの扉が開く。先に乗るようちはるを促し、七海は階数ボタンを押して扉を閉めた。
「あ〜…食事係に任命したので…」
「…はい?」
「食事の心配ばかりしていたので、つい…」
ロビーに降り立った七海は状況を理解したと同時にデジャヴを覚え、小さく息を吐いた。
「…そういう事ですか」
「アッ、七海サン!ちはるも!」
フロント係と話をしていた猪野が2人を振り返った。
「今日の晩メシ、良い店聞いたんで行ってみましょ!」
嬉しそうに話す猪野に七海とちはるは顔を見合わせ、互いに口元を緩めて見せた。
「別の補助監督が配備されるまで時間がかかる様です。今休んでいる彼も、回復にもう少しかかるでしょう」
猪野がホテルのフロント係から聞いてきた飲食店ー落ち着いた雰囲気の洋風居酒屋。個室に案内され、七海と猪野は生ビール、ちはるはジンジャーエール、そしていくつか料理をオーダーした。
「何よちはる、飲まねぇの?」
「補助監督が動けないんだもん、私まで飲んだら不便があるかもしれないでしょ。…私は飲まなくても平気だから気にしないでいいよ」
以前も似たような事があったなーちはると出会った時も彼女は車があるからとノンアルコール飲料を飲んでいた事を七海は思い出した。テーブルに飲み物が届き、お疲れっス、という猪野の言葉を合図に3人は喉を潤した。
「補助監督が不在で動いても平気っスかね?」
料理が次々と届き、テーブルの上はあっという間に賑やかになった。それぞれ好きなものに手を伸ばし、リラックスした様な雰囲気の中、世間話でもするかの様に任務の話に流れていく。
「今回の任務概要は事務方でも把握していますし、すぐに祓除に取り掛かれる状況でもありません。我々の方で現場の調査を進めても問題はないでしょう」
「じゃあ当面は私が車も担当って事で」
「えぇ、お手数をおかけしますが」
問題ありませんよ、とちはるが返事をすると、猪野がビールの追加をオーダーした。遠慮なく飲むんだな、とちはるが猪野にちょっかいをかけようとした時、彼女のスマホが鳴った。
「あ、伊地知さんだ」
ちはるは失礼します、と言い置いて通話を繋ぐ。
『お疲れさまです、伊地知です』
「水野ですお疲れさまです。…何かありました?」
『先程ご連絡いただいた件なのですが、上からの許可が出たので手配を致しました。タイミングが良かった様で、明日の17時にはお届け出来るという事です』
「マジですか⁉︎さっすが伊地知さん!」
思わず大きな声を出してしまい、ちはるはこちらを見ている七海と猪野に頭を下げた。
『はは、恐縮です。あとそれから…ついでと言っては何ですが、水野さんの装備品であるクロスボウの矢も一緒に手配しておきましたので、そちらもご確認ください』
「明日の17時ですね、了解です。やっぱ伊地知さん頼りになります、本当にありがとうございます。いつも無理言ってすみません」
『いいえ、こちらの無理は私1人でも、如何とでも出来ますが、現場はそうはいきません。無理だけは本当になさらないでくださいね』
伊地知へ感謝を伝えて通話を切ると、七海は料理を口に運んだところ、猪野はビールを飲みながら興味深げにちはるを見つめていた。
「明日なんかあんの?嬉しそうだけど」
「ん、伊地知さんにお願いしてた事があって。それが明日の17時に届くって話」
自分の判断で動いてしまったが、2人はなんて言うだろうか。いや、そんな事を今更考えても仕方ないかーちはるは七海が勧めてくれた料理に手を伸ばした。