真偽
猪野くんの同級生のお名前は?
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暗い厨房を手分けして捜索していると、猪野が厨房奥の倉庫の様な場所で小さな扉を見つけた。湿気と年月が金属製のそのドアを腐食させていて、猪野が把手を引くとその部分だけが外れる、といった有様だった。
「…もうぶち抜くしかねぇよな」
「私がやりましょう」
そう言うと七海はドアをあちこち軽く叩いて状態を確認し始め蝶番の位置を確認すると、一息に鉈で両断した。柄で叩き押し、蹴り倒す様にすればドアは向こう側へと崩れる様に倒れて埃が舞った。猪野がライトで照らせば、地下へ続いているらしい階段があった。
「あっ」
猪野が声を上げる。ネズミが逃げて行くのが見えた。
「……」
「?…七海サン?どうかしました?」
黙り込む七海に猪野が声をかける。
「…以前、似た様なケースがあったそうですね」
ちはるの言葉に、七海は思わず彼女を振り返った。
「…五条さんから、ハンディファンと虎柄のTシャツを寄越された事があって」
「何それ?」
笑う猪野だったが、七海は笑わなかった。
「以前受けた任務の話です。…基本的に全く同じ呪霊は存在しないはずですからー」
「じゃあ大丈夫ですよね?」
とりあえず行きましょ、と猪野が階段を降り始めた。続いてちはる、七海と進む。
「何があるかわかりません、警戒していきましょう」
「猪野っち、ちょっと速いって!」
ずんずん降りて行く猪野、慎重に降りて行くちはると七海。数段先を行く猪野にちはるの不安が的中したー猪野が階段を踏み抜いた。その部分だけが酷く傷んでいた様で、猪野は落とし穴に足を取られたようにバランスを崩した。その衝撃もあってか辺りに地割れの様に亀裂が走り、階段が崩れ始めた。
「うっそマジかよぉぉぉ!」
「っきゃ…」
「猪野くん!水野さん!」
それほど幅が広くない階段だったのが幸いし、七海が手を伸ばせばちはるを捕まえる事が出来た。足元が崩れる中、ちはるを片腕で抱き抱える様な格好になりながら七海は呪力を込めた鉈を壁面に突き刺した。落下の勢いを殺した鉈にぶら下がったまま、七海は息を吐いた。
「…申し訳ありません水野さん、非常事態という事で、どうかお許しください」
「…却って…すみません…」
もう冷や汗が止まらないーちはるは七海にしがみ付きながら歯を食い縛った。とにかく七海が近い。恋人同士でない限り、こんな距離感あり得ない。猪野を呪ってやりたいとこんなに強く思ったのは初めてかもしれない。
「…水野さん、スマホは手元にありますか?…可能であれば下の状況と、どれくらいの距離があるかの確認をお願いします。猪野くんが持っていたライトの光が見えないのも気になります」
七海の言葉に、自分は何を考えているんだと冷静さを取り戻したちはるは、七海に負担がかからない様、極力身体を動かさない様にしてポケットを探る。ポケットを探ると同時に、自身の得物であるクロスボウと矢は身体にストラップで固定していたのもあって無事だという事の確認も出来、スマホを握るとライトをつけた。
「…高さは…、あまりない様ですね…」
高さはそれ程でないにしても、瓦礫が散乱していてあまり足元は良くない。
「…水野さん、しっかり掴まって」
「え、」
「飛びますよ」
七海が鉈に回していた呪力を弱めるのが感じられ、ぐらりと身体が重力に引かれ始める。
「っっ!」
落ちるーそんな感覚にちはるは一層の力を込めて七海にしがみ付く。七海は彼女を支えている腕に力を込め、ちはるが捻挫などする事がない様に注意を払いながら無事に着地した。七海はふっと息を吐いた。
「ケガはありませんか?」
「…あ、りがとう、ございます…」
全く嫌な汗をかいたーちはるは猪野を一発殴ってやらなきゃ気が済まない、という思いを抱えながらスマホのライトで辺りを照らす。着地の影響で舞い上がった埃で視界が悪い。2人は口元を押さえながら猪野を探す。
「猪野っちー?」
「水野さん」
声に振り返ると、七海は壁面に空いた大きめの穴を示した。屈めば通れるくらいのサイズだ。2人は顔を見合わせ頷き合うと、スマホのライトで穴を照らす。
「…ここにドアがあった様な作りになっていますね」
「瓦礫から逃げて飛び込んだ、とか?」
「猪野くん、居たら返事を、」
「ふぁーい…」
「えっ嘘⁉︎」
正に2人が注意を向けていた穴の中から猪野の声が聞こえ、のそりと姿を見せた。
「無事ですか?」
「えぇ、なんとか。…悪ぃちはる、ライト壊れちった」
猪野の手にはポッキリと真っ二つ折れたライトが握られていた。非常事態だったとはいえ、何をどうすればこんな壊れ方をするんだろうかとちはるは肩をすくめた。
「…後で弁償してよね」
「ちぇっ」
「水野さん、ネズミはどうなりましたか?」
「あ、えっ…と、…」
ちはるは気配を追う様に意識を集中させる。と、ちはるは壁に手を当て、何かを確かめる様に、壁をなぞる様にそのまま歩き出す。七海と猪野が見守る中、立ち止まると壁を軽く叩く。
「…恐らく、この壁の向こうに」
「…七海サン、どーします?」
「行きましょう。迷っている時間が惜しい。…壁を抜きます。水野さん、下がってください」
七海が壁に近付き、彼の拳に呪力が集まり始めた時。
「っ、」
ちはるは壁の向こうに存在したはずの自身の呪力が消えた事に気付くと同時に、別の呪力が膨らむのを感じた。七海もそれに気が付いたらしく、動きを止めた。
「…おっ、出てきたか?」
「その様ですね」
七海は改めて2人を振り返る。彼に呼応する様に猪野はニット帽を引き下げ、ちはるはクロスボウを構えた。
「…もうぶち抜くしかねぇよな」
「私がやりましょう」
そう言うと七海はドアをあちこち軽く叩いて状態を確認し始め蝶番の位置を確認すると、一息に鉈で両断した。柄で叩き押し、蹴り倒す様にすればドアは向こう側へと崩れる様に倒れて埃が舞った。猪野がライトで照らせば、地下へ続いているらしい階段があった。
「あっ」
猪野が声を上げる。ネズミが逃げて行くのが見えた。
「……」
「?…七海サン?どうかしました?」
黙り込む七海に猪野が声をかける。
「…以前、似た様なケースがあったそうですね」
ちはるの言葉に、七海は思わず彼女を振り返った。
「…五条さんから、ハンディファンと虎柄のTシャツを寄越された事があって」
「何それ?」
笑う猪野だったが、七海は笑わなかった。
「以前受けた任務の話です。…基本的に全く同じ呪霊は存在しないはずですからー」
「じゃあ大丈夫ですよね?」
とりあえず行きましょ、と猪野が階段を降り始めた。続いてちはる、七海と進む。
「何があるかわかりません、警戒していきましょう」
「猪野っち、ちょっと速いって!」
ずんずん降りて行く猪野、慎重に降りて行くちはると七海。数段先を行く猪野にちはるの不安が的中したー猪野が階段を踏み抜いた。その部分だけが酷く傷んでいた様で、猪野は落とし穴に足を取られたようにバランスを崩した。その衝撃もあってか辺りに地割れの様に亀裂が走り、階段が崩れ始めた。
「うっそマジかよぉぉぉ!」
「っきゃ…」
「猪野くん!水野さん!」
それほど幅が広くない階段だったのが幸いし、七海が手を伸ばせばちはるを捕まえる事が出来た。足元が崩れる中、ちはるを片腕で抱き抱える様な格好になりながら七海は呪力を込めた鉈を壁面に突き刺した。落下の勢いを殺した鉈にぶら下がったまま、七海は息を吐いた。
「…申し訳ありません水野さん、非常事態という事で、どうかお許しください」
「…却って…すみません…」
もう冷や汗が止まらないーちはるは七海にしがみ付きながら歯を食い縛った。とにかく七海が近い。恋人同士でない限り、こんな距離感あり得ない。猪野を呪ってやりたいとこんなに強く思ったのは初めてかもしれない。
「…水野さん、スマホは手元にありますか?…可能であれば下の状況と、どれくらいの距離があるかの確認をお願いします。猪野くんが持っていたライトの光が見えないのも気になります」
七海の言葉に、自分は何を考えているんだと冷静さを取り戻したちはるは、七海に負担がかからない様、極力身体を動かさない様にしてポケットを探る。ポケットを探ると同時に、自身の得物であるクロスボウと矢は身体にストラップで固定していたのもあって無事だという事の確認も出来、スマホを握るとライトをつけた。
「…高さは…、あまりない様ですね…」
高さはそれ程でないにしても、瓦礫が散乱していてあまり足元は良くない。
「…水野さん、しっかり掴まって」
「え、」
「飛びますよ」
七海が鉈に回していた呪力を弱めるのが感じられ、ぐらりと身体が重力に引かれ始める。
「っっ!」
落ちるーそんな感覚にちはるは一層の力を込めて七海にしがみ付く。七海は彼女を支えている腕に力を込め、ちはるが捻挫などする事がない様に注意を払いながら無事に着地した。七海はふっと息を吐いた。
「ケガはありませんか?」
「…あ、りがとう、ございます…」
全く嫌な汗をかいたーちはるは猪野を一発殴ってやらなきゃ気が済まない、という思いを抱えながらスマホのライトで辺りを照らす。着地の影響で舞い上がった埃で視界が悪い。2人は口元を押さえながら猪野を探す。
「猪野っちー?」
「水野さん」
声に振り返ると、七海は壁面に空いた大きめの穴を示した。屈めば通れるくらいのサイズだ。2人は顔を見合わせ頷き合うと、スマホのライトで穴を照らす。
「…ここにドアがあった様な作りになっていますね」
「瓦礫から逃げて飛び込んだ、とか?」
「猪野くん、居たら返事を、」
「ふぁーい…」
「えっ嘘⁉︎」
正に2人が注意を向けていた穴の中から猪野の声が聞こえ、のそりと姿を見せた。
「無事ですか?」
「えぇ、なんとか。…悪ぃちはる、ライト壊れちった」
猪野の手にはポッキリと真っ二つ折れたライトが握られていた。非常事態だったとはいえ、何をどうすればこんな壊れ方をするんだろうかとちはるは肩をすくめた。
「…後で弁償してよね」
「ちぇっ」
「水野さん、ネズミはどうなりましたか?」
「あ、えっ…と、…」
ちはるは気配を追う様に意識を集中させる。と、ちはるは壁に手を当て、何かを確かめる様に、壁をなぞる様にそのまま歩き出す。七海と猪野が見守る中、立ち止まると壁を軽く叩く。
「…恐らく、この壁の向こうに」
「…七海サン、どーします?」
「行きましょう。迷っている時間が惜しい。…壁を抜きます。水野さん、下がってください」
七海が壁に近付き、彼の拳に呪力が集まり始めた時。
「っ、」
ちはるは壁の向こうに存在したはずの自身の呪力が消えた事に気付くと同時に、別の呪力が膨らむのを感じた。七海もそれに気が付いたらしく、動きを止めた。
「…おっ、出てきたか?」
「その様ですね」
七海は改めて2人を振り返る。彼に呼応する様に猪野はニット帽を引き下げ、ちはるはクロスボウを構えた。