真偽
猪野くんの同級生のお名前は?
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事態の急転、というのはこの様な事をいうのだろうか。そして青天の霹靂ーちはるは目の前の伊地知と五条を交互に見、十分に時間をかけて言葉を吐き出す。
「…冗談ですよね?」
「ヤダなぁちはる、僕がそんな冗談言うと思う?」
「…はい。…五条さんですから」
「っえぇ、マジ?」
「マジです。…伊地知さん、」
突っ込み所満載の会話に困った顔をしながらも、伊地知はちはるに頷いた。
「…本当に急で申し訳ないのですが、学長からの決裁も降りた話なんです」
「っ、じゃあ、教員としての立場は…」
「一旦休職の様な状態に、と仰っておりました。…落ち着き次第、復帰してくれれば良いと」
「……」
「僕だって教員だけど、任務であちこち出張ってて休職してる様なもんじゃない?」
「……」
ちはるは大きくため息を吐いた。ほぼ学長命令という事であれば従う他なく、ちはるは渋々了承を告げた。
「ま、少し休んだからって教員に戻れないわけじゃないし〜!たまの気分転換と思ってさぁ」
そんな風に思えるのは特級術師だけだよーちはるはそんな言葉を飲み込みながら事務室内に設えてある応接用の椅子から立ち上がった。
自分のデスクに戻り、広げていた書類、採点予定のペーパー、添削途中の書類をそれぞれ仕分けをすると、少し離れたデスクの日下部の下へ運び込んだ。
「…新手の嫌がらせか?」
「えぇ、私も嫌がらせを受けた様なものなので」
「…何言ってんだ?」
「当面、高専の職員としての業務を休みます」
「は?寝言は寝て言えよ?」
「残念ながら」
マジかよ、とボヤく日下部に頭を下げ、ちはるはデスクの片付けを済ませると事務室を出た。
「今日からしばらく七海の任務に合わせて出てもらう事になったからよろしくね」
伊地知に声を掛けられ、応接セットへ誘導されれば五条が座っていて。座る様促され、用件を問えばそんな事を言われ、言われた言葉に頭が追いつかない状況のちはるは何も言えなかった。
「なんでそんな事なったかって思ってるでしょ?実は七海の方から連絡が来て、査定任務の前にちはるの術式とかやり方を見ておきたいらしくてさ。んで、七海はとりあえずフリーな立場だから、割と連続で地方任務に出たりするのよ。だからちはるも学校休んで行って来て?」
そんな事を朝イチで言われれば、誰だって言葉に詰まるだろうし冗談だと思うに決まっている。が、そんな冗談みたいな事が現実として目の前に立ちはだかっている。ちはるはふっと息を吐くと、先程伊地知から渡されたタブレットを一瞥した。これに今回七海が請け負った任務の概要が入っているという。ちはるは仕事用のバッグにタブレットを突っ込み、通って1時間も経っていない同じ道を引き返した。とりあえず家に戻って荷物をまとめなくては、と早足で車に向かった。
小さめのトランクに必要な荷物を詰め込んでいく。足りないものは現地調達すればいいやと、特に中身の確認もせずにトランクの蓋を閉めた。後は車のトランクに積んである自身の武具を持てば大丈夫だろう。
部屋を出る前に1本だけ煙草を吸っていこうとキッチンへ向かった。いつもの様に換気扇を回して火を点ける。煙を吐き出しながら、ちはるの意識が冷蔵庫に向くー食品の買い物をしたばかりだったなと肩をすくめた。いくつか無駄になってしまいそうな食材があるが、今更もうどうしようもない。帰って来た時にまた考えようと、ちはるは冷蔵庫に背を向けた。
煙草がすっかり短くなり、灰皿に押し付けてから水をかけた。高専に所属してから長期で自宅を空けるのは初めてだなと思いながらトランクを持って玄関へ向かう。忘れ物が無いかの確認をすると部屋を出た。
地方での任務という事で、七海との合流場所は都内のハブステーションに指定されている。まずは七海と合流する事が第一の目標である。ちはるは車のトランクから武具を取り出し、最寄りの駅へ向かう事にした。ちょうど良い電車があれば良し、無いならタクシーだーそう思って歩き始め、駅までもう少しというところでちはるのスマホが着信を告げ始めた。忙しいのに誰だとディスプレイを確認するとちはるはため息を吐くー久しぶりな事もあってすっかり存在を忘れていた。
「…もしもし?」
『おっはよーちはる!』
底抜けに明るい元気な声ー猪野だった。
「久しぶり。…聞いてよ、今朝出勤してすぐ、ちょっと長めに出てくれって言われてさ〜。言っても仕方ないけど、前もって連絡して欲しいよね」
『まーちはるは高専の業務もあるからな。確かにある程度時間は欲しいよな』
ちはるの愚痴に文句も言わずに同調してくれる猪野のおかげでちはるの気持ちもだいぶ軽くなって来た。
「猪野っちは何してるの?移動中?」
『おぉ、俺も今日から任務でさ』
「お互いがんばろね。…じゃ、これから私電車だから」
そう言って通話を終えるとちはるは改札を抜け、迷う事なくホームへ向かい、電車に乗り込んだ。
時間を確認すれば、予定時間に余裕を持って間に合いそうだった。行き当たりで行動した割にはスムーズに進んでいる。電車を降りたらコーヒーでも飲みながら合流場所の確認をしようーちはるは電車の外、流れる景色を眺めながらそんな事を考えた。
果たして無事に電車を降りたちはるは近くのカフェでコーヒーをオーダーした。生憎店は混み合っていて、仕方なくテイクアウトでのオーダーとなった。コーヒーを受け取り、スマホで待ち合わせ場所を確認して歩き出す。
待ち合わせ場所はもう目の前、というところでちはるは七海と共にいる人物に自身の目を疑った。
「…冗談ですよね?」
「ヤダなぁちはる、僕がそんな冗談言うと思う?」
「…はい。…五条さんですから」
「っえぇ、マジ?」
「マジです。…伊地知さん、」
突っ込み所満載の会話に困った顔をしながらも、伊地知はちはるに頷いた。
「…本当に急で申し訳ないのですが、学長からの決裁も降りた話なんです」
「っ、じゃあ、教員としての立場は…」
「一旦休職の様な状態に、と仰っておりました。…落ち着き次第、復帰してくれれば良いと」
「……」
「僕だって教員だけど、任務であちこち出張ってて休職してる様なもんじゃない?」
「……」
ちはるは大きくため息を吐いた。ほぼ学長命令という事であれば従う他なく、ちはるは渋々了承を告げた。
「ま、少し休んだからって教員に戻れないわけじゃないし〜!たまの気分転換と思ってさぁ」
そんな風に思えるのは特級術師だけだよーちはるはそんな言葉を飲み込みながら事務室内に設えてある応接用の椅子から立ち上がった。
自分のデスクに戻り、広げていた書類、採点予定のペーパー、添削途中の書類をそれぞれ仕分けをすると、少し離れたデスクの日下部の下へ運び込んだ。
「…新手の嫌がらせか?」
「えぇ、私も嫌がらせを受けた様なものなので」
「…何言ってんだ?」
「当面、高専の職員としての業務を休みます」
「は?寝言は寝て言えよ?」
「残念ながら」
マジかよ、とボヤく日下部に頭を下げ、ちはるはデスクの片付けを済ませると事務室を出た。
「今日からしばらく七海の任務に合わせて出てもらう事になったからよろしくね」
伊地知に声を掛けられ、応接セットへ誘導されれば五条が座っていて。座る様促され、用件を問えばそんな事を言われ、言われた言葉に頭が追いつかない状況のちはるは何も言えなかった。
「なんでそんな事なったかって思ってるでしょ?実は七海の方から連絡が来て、査定任務の前にちはるの術式とかやり方を見ておきたいらしくてさ。んで、七海はとりあえずフリーな立場だから、割と連続で地方任務に出たりするのよ。だからちはるも学校休んで行って来て?」
そんな事を朝イチで言われれば、誰だって言葉に詰まるだろうし冗談だと思うに決まっている。が、そんな冗談みたいな事が現実として目の前に立ちはだかっている。ちはるはふっと息を吐くと、先程伊地知から渡されたタブレットを一瞥した。これに今回七海が請け負った任務の概要が入っているという。ちはるは仕事用のバッグにタブレットを突っ込み、通って1時間も経っていない同じ道を引き返した。とりあえず家に戻って荷物をまとめなくては、と早足で車に向かった。
小さめのトランクに必要な荷物を詰め込んでいく。足りないものは現地調達すればいいやと、特に中身の確認もせずにトランクの蓋を閉めた。後は車のトランクに積んである自身の武具を持てば大丈夫だろう。
部屋を出る前に1本だけ煙草を吸っていこうとキッチンへ向かった。いつもの様に換気扇を回して火を点ける。煙を吐き出しながら、ちはるの意識が冷蔵庫に向くー食品の買い物をしたばかりだったなと肩をすくめた。いくつか無駄になってしまいそうな食材があるが、今更もうどうしようもない。帰って来た時にまた考えようと、ちはるは冷蔵庫に背を向けた。
煙草がすっかり短くなり、灰皿に押し付けてから水をかけた。高専に所属してから長期で自宅を空けるのは初めてだなと思いながらトランクを持って玄関へ向かう。忘れ物が無いかの確認をすると部屋を出た。
地方での任務という事で、七海との合流場所は都内のハブステーションに指定されている。まずは七海と合流する事が第一の目標である。ちはるは車のトランクから武具を取り出し、最寄りの駅へ向かう事にした。ちょうど良い電車があれば良し、無いならタクシーだーそう思って歩き始め、駅までもう少しというところでちはるのスマホが着信を告げ始めた。忙しいのに誰だとディスプレイを確認するとちはるはため息を吐くー久しぶりな事もあってすっかり存在を忘れていた。
「…もしもし?」
『おっはよーちはる!』
底抜けに明るい元気な声ー猪野だった。
「久しぶり。…聞いてよ、今朝出勤してすぐ、ちょっと長めに出てくれって言われてさ〜。言っても仕方ないけど、前もって連絡して欲しいよね」
『まーちはるは高専の業務もあるからな。確かにある程度時間は欲しいよな』
ちはるの愚痴に文句も言わずに同調してくれる猪野のおかげでちはるの気持ちもだいぶ軽くなって来た。
「猪野っちは何してるの?移動中?」
『おぉ、俺も今日から任務でさ』
「お互いがんばろね。…じゃ、これから私電車だから」
そう言って通話を終えるとちはるは改札を抜け、迷う事なくホームへ向かい、電車に乗り込んだ。
時間を確認すれば、予定時間に余裕を持って間に合いそうだった。行き当たりで行動した割にはスムーズに進んでいる。電車を降りたらコーヒーでも飲みながら合流場所の確認をしようーちはるは電車の外、流れる景色を眺めながらそんな事を考えた。
果たして無事に電車を降りたちはるは近くのカフェでコーヒーをオーダーした。生憎店は混み合っていて、仕方なくテイクアウトでのオーダーとなった。コーヒーを受け取り、スマホで待ち合わせ場所を確認して歩き出す。
待ち合わせ場所はもう目の前、というところでちはるは七海と共にいる人物に自身の目を疑った。