決戦、交流会
恵の幼馴染のお名前は?
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翌日、交流会当日。
事前の連絡ミスか本人の勘違いか、釘崎1人が遠征準備をして姿を見せた他、これといって大きな問題もなく、京都校の面々を出迎えた。
京都校学長の来校時の一件から、釘崎の中で京都校の人間ー特に真希の妹・真依ーは嫌悪の対象となったらしい。いきなり突っかかっていく釘崎を芙蓉がハラハラしながら見守っていると、空気をぶち破るように五条が大きな箱を乗せた台車を押して姿を見せた。
海外まで出張に行っていたという五条、京都校の生徒にはとある部族のお守りを土産だと配り、東京校の生徒にはサプライズだと言って台車の箱を示す。次の瞬間、箱から出てきたのは先日任務に殉じた形となったはずの虎杖。元気良く“おっぱっぴー”の言葉と共に文字通り飛び出して来た虎杖だったが、彼と五条が計画の段階で予想していた通りのリアクションー驚き泣いて喜んだーを見せたのは芙蓉だけだった。
京都姉妹校交流会1日目、団体戦。
東京校、直前ミーティング。
釘崎の虎杖への苛立ちが募る中、虎杖と2年の顔合わせを兼ねた作戦の練り直しが行われる。
当初の計画では伏黒かパンダのどちらかを東堂の足止めに、真希と芙蓉に伏黒かパンダが、狗巻と釘崎に割り、分散して行動する予定だったが、虎杖の復帰に伴い、作戦を大幅に変更する事になった。
「索敵出来る奴を減らしたくねぇからな。悠仁を東堂に当てる。恵は私と、野薔薇はパンダ、芙蓉は棘と行け」
3人ずつ割っても良いが、2人の方が連携が取りやすいという事、それぞれの等級を加味しての割り振りとなった。東京校で等級が一番高いのが狗巻。彼と術師の経験が少ない芙蓉が組むという真希の考えは妥当と言えた。
「…、わかりました」
正直なところ、芙蓉は狗巻に対して若干の苦手意識があった。男にしては華奢で小柄、威圧感などというものは感じられないが、コミュニケーションが上手くとれそうにない、というのが芙蓉にとって悩みの種。というのも狗巻は生来の呪言師、言葉が彼の武器である為基本的にあまり喋らず、喋ったとしてもおにぎりの具のみ。付き合いの長い2年や伏黒は彼の言わんとしている事を理解できるようだが、芙蓉はまだそこまでの付き合いもない。悪い人ではないとわかっているが、会話が成り立たない、連携の面で不安ーそれでも、やるしかない。
「狗巻先輩、よろしくお願いします」
「しゃけ」
そう言ってピースサインを作って見せる彼は笑っているのだろうかー口元を隠すデザインの制服のせいで、そこまでの表情は読めないが、目元は細められているから笑っているのかもしれない。
「棘、後輩の前だからってカッコつけようとするなよ」
そんなパンダの声に狗巻が、こんぶ、と答えればパンダが大笑いしている。芙蓉には全くわからなかった。
「ま、不安かもしれねぇけど大丈夫だ。私らの中では棘が一番気が利く。何とかなる」
何と返事していいかー芙蓉は真希の言葉に頷いた。
「よし、そろそろ行くか」
刻一刻と迫る開始時間。芙蓉はトンファーを身につけ、忘れ物がないかを確認する。1人、また1人と部屋を出て行くのを横目に見ながら、制服の上からネックレスに触れるように手を添えて目を閉じ深呼吸をする。
目を開けば伏黒と目が合ったー彼は芙蓉を待っていたようだった。芙蓉が伏黒と並ぶと、彼は芙蓉の気持ちを落ち着かせようと彼女の肩をポンポンと叩き、続いて自身の胸元を示した。昨夜約束した通り、ネックレスをつけているぞ、と言うように。
「自分の力を信じろ。芙蓉にはそれだけの力がある」
「…うん、ありがとう」
外に出れば、全員がやる気に満ち、何処となく楽しそうな表情で思い思いにスタンバイしているー芙蓉は一気に身体から緊張が抜けた感覚を覚えた。隣に立つ伏黒を見上げ、いつも通りにだよね、と笑って見せれば伏黒は頷き、微かに笑った。
「そこ!イチャイチャしない!」
「え、何?どゆこと?え、伏黒?」
釘崎の怒声に芙蓉は飛び上がり伏黒はため息をつく。
「ややこしくなる事を言うんじゃねぇ釘崎」
「ややこしいも何も事実じゃない」
「タイミングってもんがあるだろ」
「ねぇ2人とも、ちょっと落ち着いて…」
「…俺、置いてかれてる?」
「うぉーい1年、そろそろ移動するぞぉ〜」
パンダの声に伏黒と釘崎が互いに顔を逸らしてその場はとりあえずの解決となった。それぞれがスタート地点へ移動していく。
程なくして五条のアナウンスが団体戦の開始を告げた。
メンバーが一斉に走り出す。伏黒の玉犬が索敵をしながら先行する。互いの連携、動きを再確認していくと、進行方向に呪霊が姿を見せた。祓おうと真希が構える。
「先輩ストップ‼︎」
玉犬の反応に気付いた伏黒が声を上げるとほぼ同時に、ブルドーザーが木々をなぎ倒すような激しい音と共に姿を見せた1人の男。
「よぉーし、全員いるな!」
京都校の東堂だった。すかさず虎杖が彼に飛びかかる。
「散れ!」
真希の言葉を合図に、それぞれがペア割りされたメンバーと移動を開始。東堂に圧倒されながらも芙蓉はどうにか狗巻と合流。京都姉妹校交流会団体戦が動き始めた。
事前の連絡ミスか本人の勘違いか、釘崎1人が遠征準備をして姿を見せた他、これといって大きな問題もなく、京都校の面々を出迎えた。
京都校学長の来校時の一件から、釘崎の中で京都校の人間ー特に真希の妹・真依ーは嫌悪の対象となったらしい。いきなり突っかかっていく釘崎を芙蓉がハラハラしながら見守っていると、空気をぶち破るように五条が大きな箱を乗せた台車を押して姿を見せた。
海外まで出張に行っていたという五条、京都校の生徒にはとある部族のお守りを土産だと配り、東京校の生徒にはサプライズだと言って台車の箱を示す。次の瞬間、箱から出てきたのは先日任務に殉じた形となったはずの虎杖。元気良く“おっぱっぴー”の言葉と共に文字通り飛び出して来た虎杖だったが、彼と五条が計画の段階で予想していた通りのリアクションー驚き泣いて喜んだーを見せたのは芙蓉だけだった。
京都姉妹校交流会1日目、団体戦。
東京校、直前ミーティング。
釘崎の虎杖への苛立ちが募る中、虎杖と2年の顔合わせを兼ねた作戦の練り直しが行われる。
当初の計画では伏黒かパンダのどちらかを東堂の足止めに、真希と芙蓉に伏黒かパンダが、狗巻と釘崎に割り、分散して行動する予定だったが、虎杖の復帰に伴い、作戦を大幅に変更する事になった。
「索敵出来る奴を減らしたくねぇからな。悠仁を東堂に当てる。恵は私と、野薔薇はパンダ、芙蓉は棘と行け」
3人ずつ割っても良いが、2人の方が連携が取りやすいという事、それぞれの等級を加味しての割り振りとなった。東京校で等級が一番高いのが狗巻。彼と術師の経験が少ない芙蓉が組むという真希の考えは妥当と言えた。
「…、わかりました」
正直なところ、芙蓉は狗巻に対して若干の苦手意識があった。男にしては華奢で小柄、威圧感などというものは感じられないが、コミュニケーションが上手くとれそうにない、というのが芙蓉にとって悩みの種。というのも狗巻は生来の呪言師、言葉が彼の武器である為基本的にあまり喋らず、喋ったとしてもおにぎりの具のみ。付き合いの長い2年や伏黒は彼の言わんとしている事を理解できるようだが、芙蓉はまだそこまでの付き合いもない。悪い人ではないとわかっているが、会話が成り立たない、連携の面で不安ーそれでも、やるしかない。
「狗巻先輩、よろしくお願いします」
「しゃけ」
そう言ってピースサインを作って見せる彼は笑っているのだろうかー口元を隠すデザインの制服のせいで、そこまでの表情は読めないが、目元は細められているから笑っているのかもしれない。
「棘、後輩の前だからってカッコつけようとするなよ」
そんなパンダの声に狗巻が、こんぶ、と答えればパンダが大笑いしている。芙蓉には全くわからなかった。
「ま、不安かもしれねぇけど大丈夫だ。私らの中では棘が一番気が利く。何とかなる」
何と返事していいかー芙蓉は真希の言葉に頷いた。
「よし、そろそろ行くか」
刻一刻と迫る開始時間。芙蓉はトンファーを身につけ、忘れ物がないかを確認する。1人、また1人と部屋を出て行くのを横目に見ながら、制服の上からネックレスに触れるように手を添えて目を閉じ深呼吸をする。
目を開けば伏黒と目が合ったー彼は芙蓉を待っていたようだった。芙蓉が伏黒と並ぶと、彼は芙蓉の気持ちを落ち着かせようと彼女の肩をポンポンと叩き、続いて自身の胸元を示した。昨夜約束した通り、ネックレスをつけているぞ、と言うように。
「自分の力を信じろ。芙蓉にはそれだけの力がある」
「…うん、ありがとう」
外に出れば、全員がやる気に満ち、何処となく楽しそうな表情で思い思いにスタンバイしているー芙蓉は一気に身体から緊張が抜けた感覚を覚えた。隣に立つ伏黒を見上げ、いつも通りにだよね、と笑って見せれば伏黒は頷き、微かに笑った。
「そこ!イチャイチャしない!」
「え、何?どゆこと?え、伏黒?」
釘崎の怒声に芙蓉は飛び上がり伏黒はため息をつく。
「ややこしくなる事を言うんじゃねぇ釘崎」
「ややこしいも何も事実じゃない」
「タイミングってもんがあるだろ」
「ねぇ2人とも、ちょっと落ち着いて…」
「…俺、置いてかれてる?」
「うぉーい1年、そろそろ移動するぞぉ〜」
パンダの声に伏黒と釘崎が互いに顔を逸らしてその場はとりあえずの解決となった。それぞれがスタート地点へ移動していく。
程なくして五条のアナウンスが団体戦の開始を告げた。
メンバーが一斉に走り出す。伏黒の玉犬が索敵をしながら先行する。互いの連携、動きを再確認していくと、進行方向に呪霊が姿を見せた。祓おうと真希が構える。
「先輩ストップ‼︎」
玉犬の反応に気付いた伏黒が声を上げるとほぼ同時に、ブルドーザーが木々をなぎ倒すような激しい音と共に姿を見せた1人の男。
「よぉーし、全員いるな!」
京都校の東堂だった。すかさず虎杖が彼に飛びかかる。
「散れ!」
真希の言葉を合図に、それぞれがペア割りされたメンバーと移動を開始。東堂に圧倒されながらも芙蓉はどうにか狗巻と合流。京都姉妹校交流会団体戦が動き始めた。