もしも、明日死ぬなら
恵の幼馴染のお名前は?
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「はぁ〜やっぱみんなで食う飯は美味いな〜!」
「…アンタの腹はどーなってんのよ…」
虎杖が注文した料理の半分は彼が全て平らげた。釘崎と芙蓉で全体の1/4を、伏黒が残りの1/4を片付けた。
「…お腹いっぱいだけど、デザート頼んでも良い?」
「そうね、私も口直しに何か食べようかしら」
芙蓉と釘崎は杏仁豆腐とマンゴープリンを注文した。
「ねぇ芙蓉、硝子さんの用事、どうだったの?」
「何かあったのか?」
釘崎の言葉に伏黒が口を挟む。杏仁豆腐を飲み込み、芙蓉は返事をする。
「うん、再来週の話なんだけど、硝子さん、医師会の同期会があるみたい。そこで勉強会もやるから、良かったら一緒に行ってみないかって」
「…?何で高峰が?」
「芙蓉は反転が使える。恐らく将来的に家入さんのサポート役も担って欲しいってとこだろう」
「マジ⁉︎高峰スゲェじゃん!」
明るい虎杖の表情と対照に芙蓉の表情は冴えない。
「? どうしたの?」
「…私、ホントは祓除の術師を希望してるから、ちょっと複雑、なんだよね」
芙蓉の本音に、一同は口を噤む。
「っ、ごめん、何て言っていいか困るよね…、気にしないで。…最近ちょっと、考えてて」
「何事も向き不向きはあるが、反転に関してはそういう次元の話じゃなく、使える術師が限られるからな。…芙蓉が望まない事だとしても、出来る事の可能性は広げておいて困る事や損はないと思うけどな」
「うん、それは硝子さんにも言われた」
「なら、とりあえず参加してみたら良いんじゃない?」
「難しい話はよくわかんねぇけど、俺もそう思う」
「アンタちゃんと話聞いてたの?」
虎杖と釘崎のやり取りに芙蓉は声を上げて笑った。
「…虎杖くんて天然?」
「え、初めて言われたけど」
「単なるバカかアホでしょ」
「うわっ釘崎酷っ」
芙蓉は一層笑い声を上げた。そんな彼女につられるように笑う虎杖と釘崎、口元を緩める伏黒。
「ありがとう、みんなのおかげで気持ちの整理が出来てスッキリした。先の事はわかんないけど、とりあえずチャンスは拾えるだけ拾ってみる」
「そうね、大当たりがあるかもしれないものね。…医者の彼氏が出来るとか?」
「…」
「釘崎、伏黒の顔がヤバイ」
「恵、そんな事は絶対ないから!ね!」
「…やーね、冗談に決まってるじゃない」
微妙な空気になったところで伏黒が時間を見、そろそろ戻らないとバスが無くなる、と席を立った。それじゃあ急がないと、と伏黒を追う芙蓉。そんな2人を見て虎杖と釘崎はくすくす笑っていた。
店を出て、駅で電車に乗る直前でトイレに行きたいと言い出した虎杖を待つ事となり、結局4人は電車を降りてから高専方面へ向かうバスを逃してしまった。
「…ごめん…」
すっかり日が暮れ、4人は暗くなった一本道を歩く。
「…少しは考えて食べなさいよバカ」
「ハイ…」
トボトボ歩く虎杖に釘崎が怒りをぶつけるように文句をこぼし、その後ろに伏黒と芙蓉が続く。
「恵」
「ん?」
「私、高専に来て良かった。恵がいつも側に居てくれるからっていうのは勿論だけど、虎杖くんや野薔薇に出会えて、本当に良かったって」
「…そうか」
短い返事だったが、伏黒の口元は薄く弧を描いている。前を歩いていた2人も芙蓉を振り返って笑ってみせた。
翌日の放課後、芙蓉は再び家入を尋ね、2週間後の会合へ同行する旨を伝えた。
「少々無理を言ったかと思ったが…、」
「いえ、大丈夫です。…私にしか出来ない事があるかもしれないですし、やれる事はやってみようって」
芙蓉の言葉に家入はよく言った、と笑った。
「私のように医者になるかどうかは今すぐ考える必要もないし、見聞を広げるつもりで居てくれれば十分だ」
その言葉に芙蓉が頷く。
「当日着る服は制服の寸法を元にしたスーツを準備しよう。出来上がったら連絡する」
「え、制服じゃダメなんですか?」
「高校生に鞄持ちさせるわけにはいかないだろうが。あと高峰はあまり化粧っ気がないからな、釘崎にでも聞いてそれなりに化粧もするようにな」
「ハイ…」
もっと気軽に行けると思ってたのに、と内心ため息を吐きながら寮へ戻る。自室に戻る前に釘崎の部屋へ立ち寄った。事情を話せば釘崎はとても楽しそうに、任せなさい、とメイクの練習を快諾した。
そして同期会まであと1週間と迫った日、1年へ次の任務が割り当てられー芙蓉は悲鳴を上げた。
「どしたん高峰?」
一番早く反応した虎杖が声を上げる。伏黒と釘崎も驚きを含んだ表情で芙蓉を見ている。
「…この日、硝子さんと約束の日だ…」
今にも泣き出しそうに、涙目の彼女に、3人はどう声をかけたものかと顔を見合わせる。
「…みんなで任務に行きたかった…」
目に見えて落ち込む芙蓉を前に、虎杖と釘崎の視線が伏黒に集まるーなんとか慰めてやれと言わんばかりに。
2人の視線を受け、伏黒は小さく息を吐く。
「…芙蓉、」
伏黒の声に、目に涙を溜めた芙蓉が振り返る。
「…そんなに任務に出たいなら、家入さんとの約束を断るしかない。…任務はまたチャンスはあるだろうが、家入さんの方は次いつになるか、」
「うん、…わかってる…、…みんな、困らせてごめん」
伏黒の言葉を遮るように応えるも、芙蓉の表情は冴えなかった。誰かが悪いわけではないとわかっているも、それ以上誰も何も言えなかった。
「…アンタの腹はどーなってんのよ…」
虎杖が注文した料理の半分は彼が全て平らげた。釘崎と芙蓉で全体の1/4を、伏黒が残りの1/4を片付けた。
「…お腹いっぱいだけど、デザート頼んでも良い?」
「そうね、私も口直しに何か食べようかしら」
芙蓉と釘崎は杏仁豆腐とマンゴープリンを注文した。
「ねぇ芙蓉、硝子さんの用事、どうだったの?」
「何かあったのか?」
釘崎の言葉に伏黒が口を挟む。杏仁豆腐を飲み込み、芙蓉は返事をする。
「うん、再来週の話なんだけど、硝子さん、医師会の同期会があるみたい。そこで勉強会もやるから、良かったら一緒に行ってみないかって」
「…?何で高峰が?」
「芙蓉は反転が使える。恐らく将来的に家入さんのサポート役も担って欲しいってとこだろう」
「マジ⁉︎高峰スゲェじゃん!」
明るい虎杖の表情と対照に芙蓉の表情は冴えない。
「? どうしたの?」
「…私、ホントは祓除の術師を希望してるから、ちょっと複雑、なんだよね」
芙蓉の本音に、一同は口を噤む。
「っ、ごめん、何て言っていいか困るよね…、気にしないで。…最近ちょっと、考えてて」
「何事も向き不向きはあるが、反転に関してはそういう次元の話じゃなく、使える術師が限られるからな。…芙蓉が望まない事だとしても、出来る事の可能性は広げておいて困る事や損はないと思うけどな」
「うん、それは硝子さんにも言われた」
「なら、とりあえず参加してみたら良いんじゃない?」
「難しい話はよくわかんねぇけど、俺もそう思う」
「アンタちゃんと話聞いてたの?」
虎杖と釘崎のやり取りに芙蓉は声を上げて笑った。
「…虎杖くんて天然?」
「え、初めて言われたけど」
「単なるバカかアホでしょ」
「うわっ釘崎酷っ」
芙蓉は一層笑い声を上げた。そんな彼女につられるように笑う虎杖と釘崎、口元を緩める伏黒。
「ありがとう、みんなのおかげで気持ちの整理が出来てスッキリした。先の事はわかんないけど、とりあえずチャンスは拾えるだけ拾ってみる」
「そうね、大当たりがあるかもしれないものね。…医者の彼氏が出来るとか?」
「…」
「釘崎、伏黒の顔がヤバイ」
「恵、そんな事は絶対ないから!ね!」
「…やーね、冗談に決まってるじゃない」
微妙な空気になったところで伏黒が時間を見、そろそろ戻らないとバスが無くなる、と席を立った。それじゃあ急がないと、と伏黒を追う芙蓉。そんな2人を見て虎杖と釘崎はくすくす笑っていた。
店を出て、駅で電車に乗る直前でトイレに行きたいと言い出した虎杖を待つ事となり、結局4人は電車を降りてから高専方面へ向かうバスを逃してしまった。
「…ごめん…」
すっかり日が暮れ、4人は暗くなった一本道を歩く。
「…少しは考えて食べなさいよバカ」
「ハイ…」
トボトボ歩く虎杖に釘崎が怒りをぶつけるように文句をこぼし、その後ろに伏黒と芙蓉が続く。
「恵」
「ん?」
「私、高専に来て良かった。恵がいつも側に居てくれるからっていうのは勿論だけど、虎杖くんや野薔薇に出会えて、本当に良かったって」
「…そうか」
短い返事だったが、伏黒の口元は薄く弧を描いている。前を歩いていた2人も芙蓉を振り返って笑ってみせた。
翌日の放課後、芙蓉は再び家入を尋ね、2週間後の会合へ同行する旨を伝えた。
「少々無理を言ったかと思ったが…、」
「いえ、大丈夫です。…私にしか出来ない事があるかもしれないですし、やれる事はやってみようって」
芙蓉の言葉に家入はよく言った、と笑った。
「私のように医者になるかどうかは今すぐ考える必要もないし、見聞を広げるつもりで居てくれれば十分だ」
その言葉に芙蓉が頷く。
「当日着る服は制服の寸法を元にしたスーツを準備しよう。出来上がったら連絡する」
「え、制服じゃダメなんですか?」
「高校生に鞄持ちさせるわけにはいかないだろうが。あと高峰はあまり化粧っ気がないからな、釘崎にでも聞いてそれなりに化粧もするようにな」
「ハイ…」
もっと気軽に行けると思ってたのに、と内心ため息を吐きながら寮へ戻る。自室に戻る前に釘崎の部屋へ立ち寄った。事情を話せば釘崎はとても楽しそうに、任せなさい、とメイクの練習を快諾した。
そして同期会まであと1週間と迫った日、1年へ次の任務が割り当てられー芙蓉は悲鳴を上げた。
「どしたん高峰?」
一番早く反応した虎杖が声を上げる。伏黒と釘崎も驚きを含んだ表情で芙蓉を見ている。
「…この日、硝子さんと約束の日だ…」
今にも泣き出しそうに、涙目の彼女に、3人はどう声をかけたものかと顔を見合わせる。
「…みんなで任務に行きたかった…」
目に見えて落ち込む芙蓉を前に、虎杖と釘崎の視線が伏黒に集まるーなんとか慰めてやれと言わんばかりに。
2人の視線を受け、伏黒は小さく息を吐く。
「…芙蓉、」
伏黒の声に、目に涙を溜めた芙蓉が振り返る。
「…そんなに任務に出たいなら、家入さんとの約束を断るしかない。…任務はまたチャンスはあるだろうが、家入さんの方は次いつになるか、」
「うん、…わかってる…、…みんな、困らせてごめん」
伏黒の言葉を遮るように応えるも、芙蓉の表情は冴えなかった。誰かが悪いわけではないとわかっているも、それ以上誰も何も言えなかった。