もしも、明日死ぬなら
恵の幼馴染のお名前は?
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授業が終わり、寮の部屋へ戻る途中。釘崎からこの後街へ外出しないかと誘われた芙蓉。嬉しい誘いであるはずなのに、芙蓉は困った顔を見せた。
「せっかくなんだけど、硝子さんに呼ばれてて」
「硝子さん?何かあったの?」
「昨日の夜、メールが来たの。今日の授業終わったら、医務室に来て欲しいって」
「ふーん…仕方ないわね。今日は1人で行くわ」
また今度行こうねと釘崎と別れ、芙蓉は授業の参考書を部屋に置くとすぐ医務室へ向かった。
医務室のドアを叩き、お疲れ様です、と声を掛けながら中へ入る。デスクに向かい、何かしらの書類を見ていた家入が顔を上げた。
「おう。呼び出して悪かったな」
家入は書類をデスクに置き、適当に座ってくれ、と立ち上がって大きく伸びをした。芙蓉はデスクのすぐ側、診察で使っているであろう丸椅子に腰を下ろす。
「コーヒーか紅茶か、どっちが良い?」
「あ、そんな、」
「少しゆっくり話がしたいからな、気にするな」
生憎茶菓子はないが、と笑う家入に芙蓉は紅茶をお願いしますと頭を下げた。家入が淹れてくれた紅茶はアールグレイのとても良い香りがした。
「貰い物だがな、なかなかいい紅茶だ」
ありがとうございます、と芙蓉は紅茶に口を付ける。
数口飲んだところで家入は立ち上がり、デスクから紙を一枚手に戻って来た。それを芙蓉に手渡す。
「…同期会のお知らせ…?」
芙蓉が見出しを音読する。そのまま視線を下に動かせば、家入が医師免許を取った年の同期生の会合を知らせている。期日は2週間後となっている。
「…これがどうかしたんですか?」
「私の鞄持ちで一緒に行かないか?」
「ぇえ⁉︎」
「単純な集まりじゃない、勉強会も兼ねての会合だ」
「…私、関係なくないですか…?ていうか一泊の予定じゃないですかコレ⁉︎」
家入は持っていたカップを置き、真剣な顔で芙蓉を見た。芙蓉は思わず居住まいを正す。
「高峰が祓除の術師を目指しているのはわかってる。けど、反転術式を他人に使える術師はそうそういるもんじゃないんだ。五条とも話をしたが、高峰にはバックアップも行える術師になってもらいたいと思ってる」
将来的に家入のような役割を果たす術師になれ、医学の知識も身につけて欲しいという事かー芙蓉は困惑した。黙り込む芙蓉を見た家入は紅茶をひと口飲んだ。
「…何も今すぐ決めろとは言わない。高峰にその気がないなら断ってくれれば良いし、そんな気を遣うような事じゃない。ただ、可能性は広げて起きたいだろう?高峰は他の術師にはないモノを待ってる、それだけだよ」
芙蓉はもう一度手元の案内用紙に目を落とした。
「…一晩考えてもいいですか?お返事は明日に、」
「構わないよ。寧ろ悪いな」
「いえっ!…その、…、私、自信がなくて」
「何言ってんだ。交流会でも結構がんばったそうじゃないか。それに、私の手伝いまでしてくれたしな。高峰は本当によくやれてるんじゃないか?…そうだ、今度メンタルトレーナーを紹介してやろうか。同期に結構優秀な奴がいてな。だいぶ意識変わると思うぞ?」
話をしながら紅茶を飲んでいると、医務室の内線が鳴る。任務に出ている術師が負傷し、家入の手当てが必要だという話らしかった。家入が治療の為の準備を始める傍ら、芙蓉は給湯場でカップを2つ片付けた。
「すまないな、時間割いてもらったのに」
「いえ、お忙しいところ、ありがとうございました。明日また来ます」
「あぁ、よろしくな」
芙蓉は医務室を辞して寮へ向かった。
寮のエントランスを抜けて、2階の部屋を目指す。と、階段を昇る時には必ずその前を通る事になる、階段すぐ側の共有スペースから話し声が聞こえる。
「あっ、高峰お疲れ!」
「…みんな揃ってどうしたの?」
掛けられた声にスペースを覗けば、虎杖、伏黒、釘崎がいた。釘崎に至っては外出着だ。芙蓉は出掛けたんじゃなかったの、と釘崎に声を掛ける。
「出掛けようとしたら虎杖に捕まったのよ。久しぶりにみんなでごはん食べに行かないかって」
「ホラ、俺ずっと死んでた事になってたしさ!外で飯食うの久しぶりなワケ。で、せっかくだからみんなで行きたいなって思ってさ」
「勝手に食堂にキャンセルの連絡したくせによく言う」
「つーわけで飯行こうぜ!」
屈託のない虎杖の笑顔につられて芙蓉も笑みを浮かべ、誘いに乗ることにした。
「さすが高峰イイ奴〜!」
「じゃあ準備してくるね」
芙蓉は階段を駆け上がり、伏黒も着替えてくる、と立ち上がり部屋へ向かった。
「…アンタそのカッコで行くつもり?」
その場に残った制服姿の虎杖に、釘崎の指摘。
「え、なんかマズイ?」
「伏黒でさえ着替えるって言ってんのよ。1人だけ制服とかおかしいでしょ」
「え〜別に誰も気にしないっしょ」
「身だしなみとかオシャレってのは自分の為だけじゃないのよ。一緒にいる人に不快な思いや恥ずかしい思いをさせない為にもするもんなのよ?少なくとも制服は私にとっては不快なの」
「そんな細かい事言うなよ〜」
「…どーしたの?」
支度を済ませた芙蓉が降りてくるなり声をかける。続いて伏黒も姿を見せる。
「……」
何も言わない私服の3人に囲まれ、スミマセン着替えてきます、と虎杖は部屋へ走った。
「せっかくなんだけど、硝子さんに呼ばれてて」
「硝子さん?何かあったの?」
「昨日の夜、メールが来たの。今日の授業終わったら、医務室に来て欲しいって」
「ふーん…仕方ないわね。今日は1人で行くわ」
また今度行こうねと釘崎と別れ、芙蓉は授業の参考書を部屋に置くとすぐ医務室へ向かった。
医務室のドアを叩き、お疲れ様です、と声を掛けながら中へ入る。デスクに向かい、何かしらの書類を見ていた家入が顔を上げた。
「おう。呼び出して悪かったな」
家入は書類をデスクに置き、適当に座ってくれ、と立ち上がって大きく伸びをした。芙蓉はデスクのすぐ側、診察で使っているであろう丸椅子に腰を下ろす。
「コーヒーか紅茶か、どっちが良い?」
「あ、そんな、」
「少しゆっくり話がしたいからな、気にするな」
生憎茶菓子はないが、と笑う家入に芙蓉は紅茶をお願いしますと頭を下げた。家入が淹れてくれた紅茶はアールグレイのとても良い香りがした。
「貰い物だがな、なかなかいい紅茶だ」
ありがとうございます、と芙蓉は紅茶に口を付ける。
数口飲んだところで家入は立ち上がり、デスクから紙を一枚手に戻って来た。それを芙蓉に手渡す。
「…同期会のお知らせ…?」
芙蓉が見出しを音読する。そのまま視線を下に動かせば、家入が医師免許を取った年の同期生の会合を知らせている。期日は2週間後となっている。
「…これがどうかしたんですか?」
「私の鞄持ちで一緒に行かないか?」
「ぇえ⁉︎」
「単純な集まりじゃない、勉強会も兼ねての会合だ」
「…私、関係なくないですか…?ていうか一泊の予定じゃないですかコレ⁉︎」
家入は持っていたカップを置き、真剣な顔で芙蓉を見た。芙蓉は思わず居住まいを正す。
「高峰が祓除の術師を目指しているのはわかってる。けど、反転術式を他人に使える術師はそうそういるもんじゃないんだ。五条とも話をしたが、高峰にはバックアップも行える術師になってもらいたいと思ってる」
将来的に家入のような役割を果たす術師になれ、医学の知識も身につけて欲しいという事かー芙蓉は困惑した。黙り込む芙蓉を見た家入は紅茶をひと口飲んだ。
「…何も今すぐ決めろとは言わない。高峰にその気がないなら断ってくれれば良いし、そんな気を遣うような事じゃない。ただ、可能性は広げて起きたいだろう?高峰は他の術師にはないモノを待ってる、それだけだよ」
芙蓉はもう一度手元の案内用紙に目を落とした。
「…一晩考えてもいいですか?お返事は明日に、」
「構わないよ。寧ろ悪いな」
「いえっ!…その、…、私、自信がなくて」
「何言ってんだ。交流会でも結構がんばったそうじゃないか。それに、私の手伝いまでしてくれたしな。高峰は本当によくやれてるんじゃないか?…そうだ、今度メンタルトレーナーを紹介してやろうか。同期に結構優秀な奴がいてな。だいぶ意識変わると思うぞ?」
話をしながら紅茶を飲んでいると、医務室の内線が鳴る。任務に出ている術師が負傷し、家入の手当てが必要だという話らしかった。家入が治療の為の準備を始める傍ら、芙蓉は給湯場でカップを2つ片付けた。
「すまないな、時間割いてもらったのに」
「いえ、お忙しいところ、ありがとうございました。明日また来ます」
「あぁ、よろしくな」
芙蓉は医務室を辞して寮へ向かった。
寮のエントランスを抜けて、2階の部屋を目指す。と、階段を昇る時には必ずその前を通る事になる、階段すぐ側の共有スペースから話し声が聞こえる。
「あっ、高峰お疲れ!」
「…みんな揃ってどうしたの?」
掛けられた声にスペースを覗けば、虎杖、伏黒、釘崎がいた。釘崎に至っては外出着だ。芙蓉は出掛けたんじゃなかったの、と釘崎に声を掛ける。
「出掛けようとしたら虎杖に捕まったのよ。久しぶりにみんなでごはん食べに行かないかって」
「ホラ、俺ずっと死んでた事になってたしさ!外で飯食うの久しぶりなワケ。で、せっかくだからみんなで行きたいなって思ってさ」
「勝手に食堂にキャンセルの連絡したくせによく言う」
「つーわけで飯行こうぜ!」
屈託のない虎杖の笑顔につられて芙蓉も笑みを浮かべ、誘いに乗ることにした。
「さすが高峰イイ奴〜!」
「じゃあ準備してくるね」
芙蓉は階段を駆け上がり、伏黒も着替えてくる、と立ち上がり部屋へ向かった。
「…アンタそのカッコで行くつもり?」
その場に残った制服姿の虎杖に、釘崎の指摘。
「え、なんかマズイ?」
「伏黒でさえ着替えるって言ってんのよ。1人だけ制服とかおかしいでしょ」
「え〜別に誰も気にしないっしょ」
「身だしなみとかオシャレってのは自分の為だけじゃないのよ。一緒にいる人に不快な思いや恥ずかしい思いをさせない為にもするもんなのよ?少なくとも制服は私にとっては不快なの」
「そんな細かい事言うなよ〜」
「…どーしたの?」
支度を済ませた芙蓉が降りてくるなり声をかける。続いて伏黒も姿を見せる。
「……」
何も言わない私服の3人に囲まれ、スミマセン着替えてきます、と虎杖は部屋へ走った。