決戦、交流会
恵の幼馴染のお名前は?
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「っつーわけでさ、色々あったし、人も死んでるけど、どうする?続ける?交流会」
学生が集まった部屋、五条が全体に問いかける。それに声を上げて唸ったのは虎杖だ。声にこそ出さないが、他の面々も互いに顔を見合わせたりしている。
「当然、続けるに決まっているだろう」
そう声を上げたのは京都校の東堂だった。彼が続けて理由を述べるも反対の声もなく、満場一致の形で交流会の続行が決定。
「個人戦の組み合わせはくじ引きか?」
暗黙で初日が団体戦、2日目が個人戦となっている交流会なのだが、今年は個人戦をやらないという五条の言葉に一同がため息を吐いたり呆れたり。
「僕、ルーティンって嫌いなんだよね」
言いながら五条は一番近くにいた虎杖に何かが入った小ぶりの箱を投げ渡す。
「毎年この箱に勝負方法入れて当日開けんの」
反射的に箱を受け取った虎杖は中に手を入れる。
『野球』
虎杖が取り出した紙に書かれていた言葉ーそれを半ば叫ぶように読み上げたのは各校の学長2人。学生よりも騒ぎ立ていた。
決まった事には仕方ない。東京校のメンバーは早速別室でミーティングを開く。
「…ホントに野球、やるんですか?」
「ん〜もう決まっちまったからなぁ。ま、団体戦みてーな殴り合いより平和的でいーんじゃねぇかぁ?」
戸惑いを口にする芙蓉にパンダがのんびりと答える。
「私、ソフトボールくらいしか経験ないんですけど…」
「上等。人数少ねぇから外野は1人だけ術式使っていいらしいからな、外野は恵と芙蓉だな。玉犬使ってもいいし、芙蓉の壁でカバーも出来る」
「そーよ!芙蓉の術式で固めてボール飛ばないように抑えちゃえばいいのよ!」
「さすがにそれはマズイだろ」
「なぁ、ポジションどーすんの?」
「すじこ」
「そうだな。とりあえずピッチャーは私、キャッチャーは悠仁がやれ。…パンダでもいいが、アイツがホームにいると狭くなって妨害取られかねねぇからな。よーし、キャッチボールに行くぞ」
「え、やるんですか?今から⁈」
「たりめーだろ。京都の連中に負けてられっか」
「真希さん、着いていきます!」
何処で調達して来たのか、外へ向かう真希の手には野球ボールが。彼女に続いて行く釘崎の後ろ姿を見送る。
「…ピッチャー、キャッチャー、外野しか決まってないけど良いのかな…?」
芙蓉が思わず口にした言葉に残った全員が同調した。
団体戦から1日空いて、交流会が再開する。
こんなユニホームをいつ誰が準備したんだろうと思いながら、芙蓉はユニホームに袖を通す。野球のユニホームなんて着た事もない。女子の下衣はショート丈、とりあえずこんな感じかと部屋を出る。フロアは静まり返っていて、階段の下ー共有スペースから話し声が聞こえてくる。芙蓉は一番最後かも、と慌てて階段を駆け降りた。
「おはようございます!」
芙蓉が声を掛ければ、既に集まっていた全員が応える。
「すみません遅くなっちゃって」
「おー、意外と様になってんじゃねぇかぁ?」
「なんだこのセクハラパンダは」
「こんぶ…」
「…とりあえず、外出ませんか」
「っし、全員そろったし、行こうぜ!」
「だから何でアンタが仕切ってんのよ」
なんだかんだ和気藹々とグラウンドへ向かう東京校の面々。グラウンドに着くと、京都校のメンバーは既に集まっていた。
「…だから良い?アンタたち、野球だからって手ェ抜くんじゃないわよ?…」
京都校の引率である庵歌姫の並々ならぬ意気込みが伝わってくる。そんな彼女と対照に何処か冷えた様子の学生達が何とも言えない空気を醸している。
「気合い入ってるわね…」
「歌姫は熱狂的な野球ファンみたいだからねぇ」
「五条先生!」
「悟くんは監督やらないの?」
「ぅん?…やって欲しいっていうならやるけど、基本、みんな話聞かないでしょ。って言うか、みんなに任せた方が上手くいく事多いしさ」
みんなの自主性を重んじてるからね、今日はアンパイアを務めるよと手をひらつかせて行ってしまった。
「…なんだかんだ言って、めんどくせーだけだろ」
「ま、悟の言う事もあながち間違いじゃねーわな」
「しゃけ」
全体でウォームアップを済ませ、そのまま円形でキャッチボールを始める。
「不安がってた割にはいい球投げるじゃねーか」
芙蓉の投げた球を真希が受け止めながら言う。
「芙蓉はもっと自信持てよ。自分で思ってる以上に出来てるし、能力もあるんだからよ」
「しゃけしゃけ!」
「今回の交流会、良い力試しになったろ?芙蓉はしっかりやれてたぜ」
2年からの言葉に涙が滲みそうになるも、ありがとうございます、と笑顔を見せた。
そろそろ始めるよ、という五条の言葉に両校集まるとプレイボールの声が掛かり、交流会が再開。
「…なんだか変に緊張するね」
「たまにはこんな事もあって良いだろ」
伏黒と話をしながら芙蓉は外野へ向かう。
「…落ち着いたら、またどこか出かけるか」
伏黒の提案に、芙蓉は満面の笑みで頷いた。
学生が集まった部屋、五条が全体に問いかける。それに声を上げて唸ったのは虎杖だ。声にこそ出さないが、他の面々も互いに顔を見合わせたりしている。
「当然、続けるに決まっているだろう」
そう声を上げたのは京都校の東堂だった。彼が続けて理由を述べるも反対の声もなく、満場一致の形で交流会の続行が決定。
「個人戦の組み合わせはくじ引きか?」
暗黙で初日が団体戦、2日目が個人戦となっている交流会なのだが、今年は個人戦をやらないという五条の言葉に一同がため息を吐いたり呆れたり。
「僕、ルーティンって嫌いなんだよね」
言いながら五条は一番近くにいた虎杖に何かが入った小ぶりの箱を投げ渡す。
「毎年この箱に勝負方法入れて当日開けんの」
反射的に箱を受け取った虎杖は中に手を入れる。
『野球』
虎杖が取り出した紙に書かれていた言葉ーそれを半ば叫ぶように読み上げたのは各校の学長2人。学生よりも騒ぎ立ていた。
決まった事には仕方ない。東京校のメンバーは早速別室でミーティングを開く。
「…ホントに野球、やるんですか?」
「ん〜もう決まっちまったからなぁ。ま、団体戦みてーな殴り合いより平和的でいーんじゃねぇかぁ?」
戸惑いを口にする芙蓉にパンダがのんびりと答える。
「私、ソフトボールくらいしか経験ないんですけど…」
「上等。人数少ねぇから外野は1人だけ術式使っていいらしいからな、外野は恵と芙蓉だな。玉犬使ってもいいし、芙蓉の壁でカバーも出来る」
「そーよ!芙蓉の術式で固めてボール飛ばないように抑えちゃえばいいのよ!」
「さすがにそれはマズイだろ」
「なぁ、ポジションどーすんの?」
「すじこ」
「そうだな。とりあえずピッチャーは私、キャッチャーは悠仁がやれ。…パンダでもいいが、アイツがホームにいると狭くなって妨害取られかねねぇからな。よーし、キャッチボールに行くぞ」
「え、やるんですか?今から⁈」
「たりめーだろ。京都の連中に負けてられっか」
「真希さん、着いていきます!」
何処で調達して来たのか、外へ向かう真希の手には野球ボールが。彼女に続いて行く釘崎の後ろ姿を見送る。
「…ピッチャー、キャッチャー、外野しか決まってないけど良いのかな…?」
芙蓉が思わず口にした言葉に残った全員が同調した。
団体戦から1日空いて、交流会が再開する。
こんなユニホームをいつ誰が準備したんだろうと思いながら、芙蓉はユニホームに袖を通す。野球のユニホームなんて着た事もない。女子の下衣はショート丈、とりあえずこんな感じかと部屋を出る。フロアは静まり返っていて、階段の下ー共有スペースから話し声が聞こえてくる。芙蓉は一番最後かも、と慌てて階段を駆け降りた。
「おはようございます!」
芙蓉が声を掛ければ、既に集まっていた全員が応える。
「すみません遅くなっちゃって」
「おー、意外と様になってんじゃねぇかぁ?」
「なんだこのセクハラパンダは」
「こんぶ…」
「…とりあえず、外出ませんか」
「っし、全員そろったし、行こうぜ!」
「だから何でアンタが仕切ってんのよ」
なんだかんだ和気藹々とグラウンドへ向かう東京校の面々。グラウンドに着くと、京都校のメンバーは既に集まっていた。
「…だから良い?アンタたち、野球だからって手ェ抜くんじゃないわよ?…」
京都校の引率である庵歌姫の並々ならぬ意気込みが伝わってくる。そんな彼女と対照に何処か冷えた様子の学生達が何とも言えない空気を醸している。
「気合い入ってるわね…」
「歌姫は熱狂的な野球ファンみたいだからねぇ」
「五条先生!」
「悟くんは監督やらないの?」
「ぅん?…やって欲しいっていうならやるけど、基本、みんな話聞かないでしょ。って言うか、みんなに任せた方が上手くいく事多いしさ」
みんなの自主性を重んじてるからね、今日はアンパイアを務めるよと手をひらつかせて行ってしまった。
「…なんだかんだ言って、めんどくせーだけだろ」
「ま、悟の言う事もあながち間違いじゃねーわな」
「しゃけ」
全体でウォームアップを済ませ、そのまま円形でキャッチボールを始める。
「不安がってた割にはいい球投げるじゃねーか」
芙蓉の投げた球を真希が受け止めながら言う。
「芙蓉はもっと自信持てよ。自分で思ってる以上に出来てるし、能力もあるんだからよ」
「しゃけしゃけ!」
「今回の交流会、良い力試しになったろ?芙蓉はしっかりやれてたぜ」
2年からの言葉に涙が滲みそうになるも、ありがとうございます、と笑顔を見せた。
そろそろ始めるよ、という五条の言葉に両校集まるとプレイボールの声が掛かり、交流会が再開。
「…なんだか変に緊張するね」
「たまにはこんな事もあって良いだろ」
伏黒と話をしながら芙蓉は外野へ向かう。
「…落ち着いたら、またどこか出かけるか」
伏黒の提案に、芙蓉は満面の笑みで頷いた。