決戦、交流会
恵の幼馴染のお名前は?
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狗巻と芙蓉、伏黒、加茂は突如現れた呪霊と対峙した。人間のような身体つきであるものの、その背は高く、頭部は人間の顔とは似ても似つかない異形であった。互いに睨み合いの最中、上空からは帳が降りてくる。正に異常事態と言える状況になっていた。
「何故高専に呪霊がいる?帳も誰のものだ?」
詳細な状況把握を求める加茂。
「多分その呪霊と組んでる呪詛師のです」
冷静に、端的に情報を伝える伏黒、早く五条に連絡すべきと言う狗巻。伏黒は狗巻に同調し、スマホを取り出して通話を繋ぐ。その間に芙蓉は咳き込む狗巻に反転術式を施そうと動いた、刹那。
伏黒のスマホが呪霊に弾かれた。それを合図としたかのように全てが動き出す。
「動 く な」
狗巻の呪言に合わせるように芙蓉も術式で呪霊の動きを押さえにかかり、伏黒と加茂が攻撃を仕掛ける。相手は特級、そう簡単にダメージが通るはずもなく、伏黒は思わず舌打ちをした。
直後、それぞれの頭の中に言葉が入り込んできた。その言葉は対峙する呪霊が発しているものらしく、その内容から察するに、自然界、ひいては地球上の人間以外の言い分のようでー芙蓉はその言葉と、その呪霊の徐々に増幅されていく呪力に圧倒されかかっていた。
「行くぞ‼︎」
伏黒の言葉を合図に、加茂、狗巻が動き出す。木が地中でその根を広げるように、呪霊は4人に襲い掛かる。
「っあ、」
ほんの一瞬、ひと呼吸分だけ遅れた芙蓉。木の根に身体を貫かれそうになったところを伏黒に手を引かれ、トンファーを1本取り落としたものの、窮地を脱した。
「走れ‼︎」
先を行く狗巻と加茂を追って高専の建物へ逃げ込む。木の根は周囲を破壊しながら勢力を広げていく。
「来るぞ‼︎」
加茂の言葉に一同は迎撃態勢をとる。
「止 ま れ」
狗巻の言葉で相手の動きを止め、加茂が攻撃を仕掛ける。先程と同じように芙蓉も呪霊の足止めに壁を作り出す。自分の行動が役に立っているかもよくわからないが、きっとやらないよりはマシなはず、そう信じなきゃやってられないー芙蓉は3人に従って再び走る。
建物の上へ追われる格好となった4人は窓から屋根へ飛び出した。追ってきた呪霊と再び対峙、狗巻の言葉で動きを止めるタイミングで伏黒が鵺を差し向けるー。
「狗巻先輩っ‼︎」
芙蓉の悲鳴が上がり、鵺が片翼を呪霊に貫かれた。加茂がその状況に気を取られたほんの一瞬の隙を突き、呪霊は彼に襲い掛かった。正面から殴り飛ばされた加茂、呪霊の追い討ちから既の所で伏黒が救い出す。
「生きてますか‼︎加茂さん‼︎… 芙蓉‼︎」
「はいっ‼︎」
芙蓉は伏黒の背後に横たわる加茂の下へ走った。
「高菜」
式神を召喚しようとしていた伏黒を狗巻が止めた。たった一言ではあるが、伏黒は狗巻の意思を察した。
「狗巻先輩‼︎それ以上は…!」
強い意思を秘めた目で呪霊を見据え、狗巻は一歩、また一歩と呪霊に歩み寄る。
「先輩、ダメ!やめて‼︎」
「ぶっ とべ」
建物の屋根を削りながら呪霊が後退、ひとつ上の屋根に叩き付けられていた。狗巻はその場に崩れ落ちた。
「芙蓉、頼んだ!」
「っはい!」
伏黒の言葉に返事をしたものの、とてもケガ人2人を芙蓉1人でどうにか出来る状況ではない。応急処置と呼べるかどうかの程度ではあるが、芙蓉は持てる呪力を、反転術式を通じてそれぞれ2人へ送り込む。僅かに2人の容体が落ち着いたのを見て取ると、続いての問題はここからの移動手段だ。すぐ側に呪霊がいる状況では自分の身も危ない。と、芙蓉の頭に再び言葉が流れ込んでくるーそのナマクラでは切れませんよー顔を上げて目を凝らすと、騒ぎに気付いたのだろう、いつの間にか現れた真希が呪霊に攻撃を仕掛けていた。
伏黒に真希が加勢している今、2人を連れて移動するにはこのタイミングしかない。走りに走った脚が限界を迎えているのはわかっているが、芙蓉は無理を承知で狗巻を背負う。地に手を着き、立ち上がろうにも足が言う事を聞かない状況だという事を突き付けられた、その時。
「ちょっと、そんなの無理だって!」
頭上から声が掛かった。見上げれば、箒に跨った女子生徒が驚いた顔で芙蓉を見ていた。
「えっ…と、…西宮、先輩、でしたっけ」
「私の事覚えてたのは褒めてあげる。けどそんな身体じゃ無理よ」
西宮はひらりと箒から降りると、私が連れて行くから手を貸して、と芙蓉の背の狗巻を引っ張る。どう見ても芙蓉より小柄で力も無さそうな西宮、芙蓉は移動手段を聞かずにはいられなかった。
「…2人くらい乗せても飛べるはずだから」
宙に浮かんだ箒に2人かがりで加茂を凭せ掛け、その箒に跨った西宮に狗巻を背負わせる形となる。
「っ…」
狗巻に潰されそうになっている西宮を芙蓉が気遣うも、私がやるしかないでしょ、と強気な言葉を吐く。
「ただ、高峰さんは申し訳ないけど…」
「大丈夫です、早く、行ってください」
2人が話している間にも激しい衝突の音が聞こえる。
「…ごめんね、気を付けてね」
「ありがとうございます。先輩も、気を付けて」
西宮を見送り、芙蓉は思わずその場にへたり込んだ。少し休息を取らないと動けそうもないー体力も呪力も、身体も限界を迎えていた。少し離れた森へ視線を向ける。伏黒と真希が気掛かりではあるが、西宮に託した2人も気になる。芙蓉は目を閉じて深呼吸をする。腹部に意識を向け、呪力を捻出する。
「よし、」
とにかくここから移動しなくてはー動き始めた芙蓉の後を、1羽の烏が彼女を追うように飛んでいた。
「何故高専に呪霊がいる?帳も誰のものだ?」
詳細な状況把握を求める加茂。
「多分その呪霊と組んでる呪詛師のです」
冷静に、端的に情報を伝える伏黒、早く五条に連絡すべきと言う狗巻。伏黒は狗巻に同調し、スマホを取り出して通話を繋ぐ。その間に芙蓉は咳き込む狗巻に反転術式を施そうと動いた、刹那。
伏黒のスマホが呪霊に弾かれた。それを合図としたかのように全てが動き出す。
「動 く な」
狗巻の呪言に合わせるように芙蓉も術式で呪霊の動きを押さえにかかり、伏黒と加茂が攻撃を仕掛ける。相手は特級、そう簡単にダメージが通るはずもなく、伏黒は思わず舌打ちをした。
直後、それぞれの頭の中に言葉が入り込んできた。その言葉は対峙する呪霊が発しているものらしく、その内容から察するに、自然界、ひいては地球上の人間以外の言い分のようでー芙蓉はその言葉と、その呪霊の徐々に増幅されていく呪力に圧倒されかかっていた。
「行くぞ‼︎」
伏黒の言葉を合図に、加茂、狗巻が動き出す。木が地中でその根を広げるように、呪霊は4人に襲い掛かる。
「っあ、」
ほんの一瞬、ひと呼吸分だけ遅れた芙蓉。木の根に身体を貫かれそうになったところを伏黒に手を引かれ、トンファーを1本取り落としたものの、窮地を脱した。
「走れ‼︎」
先を行く狗巻と加茂を追って高専の建物へ逃げ込む。木の根は周囲を破壊しながら勢力を広げていく。
「来るぞ‼︎」
加茂の言葉に一同は迎撃態勢をとる。
「止 ま れ」
狗巻の言葉で相手の動きを止め、加茂が攻撃を仕掛ける。先程と同じように芙蓉も呪霊の足止めに壁を作り出す。自分の行動が役に立っているかもよくわからないが、きっとやらないよりはマシなはず、そう信じなきゃやってられないー芙蓉は3人に従って再び走る。
建物の上へ追われる格好となった4人は窓から屋根へ飛び出した。追ってきた呪霊と再び対峙、狗巻の言葉で動きを止めるタイミングで伏黒が鵺を差し向けるー。
「狗巻先輩っ‼︎」
芙蓉の悲鳴が上がり、鵺が片翼を呪霊に貫かれた。加茂がその状況に気を取られたほんの一瞬の隙を突き、呪霊は彼に襲い掛かった。正面から殴り飛ばされた加茂、呪霊の追い討ちから既の所で伏黒が救い出す。
「生きてますか‼︎加茂さん‼︎… 芙蓉‼︎」
「はいっ‼︎」
芙蓉は伏黒の背後に横たわる加茂の下へ走った。
「高菜」
式神を召喚しようとしていた伏黒を狗巻が止めた。たった一言ではあるが、伏黒は狗巻の意思を察した。
「狗巻先輩‼︎それ以上は…!」
強い意思を秘めた目で呪霊を見据え、狗巻は一歩、また一歩と呪霊に歩み寄る。
「先輩、ダメ!やめて‼︎」
「ぶっ とべ」
建物の屋根を削りながら呪霊が後退、ひとつ上の屋根に叩き付けられていた。狗巻はその場に崩れ落ちた。
「芙蓉、頼んだ!」
「っはい!」
伏黒の言葉に返事をしたものの、とてもケガ人2人を芙蓉1人でどうにか出来る状況ではない。応急処置と呼べるかどうかの程度ではあるが、芙蓉は持てる呪力を、反転術式を通じてそれぞれ2人へ送り込む。僅かに2人の容体が落ち着いたのを見て取ると、続いての問題はここからの移動手段だ。すぐ側に呪霊がいる状況では自分の身も危ない。と、芙蓉の頭に再び言葉が流れ込んでくるーそのナマクラでは切れませんよー顔を上げて目を凝らすと、騒ぎに気付いたのだろう、いつの間にか現れた真希が呪霊に攻撃を仕掛けていた。
伏黒に真希が加勢している今、2人を連れて移動するにはこのタイミングしかない。走りに走った脚が限界を迎えているのはわかっているが、芙蓉は無理を承知で狗巻を背負う。地に手を着き、立ち上がろうにも足が言う事を聞かない状況だという事を突き付けられた、その時。
「ちょっと、そんなの無理だって!」
頭上から声が掛かった。見上げれば、箒に跨った女子生徒が驚いた顔で芙蓉を見ていた。
「えっ…と、…西宮、先輩、でしたっけ」
「私の事覚えてたのは褒めてあげる。けどそんな身体じゃ無理よ」
西宮はひらりと箒から降りると、私が連れて行くから手を貸して、と芙蓉の背の狗巻を引っ張る。どう見ても芙蓉より小柄で力も無さそうな西宮、芙蓉は移動手段を聞かずにはいられなかった。
「…2人くらい乗せても飛べるはずだから」
宙に浮かんだ箒に2人かがりで加茂を凭せ掛け、その箒に跨った西宮に狗巻を背負わせる形となる。
「っ…」
狗巻に潰されそうになっている西宮を芙蓉が気遣うも、私がやるしかないでしょ、と強気な言葉を吐く。
「ただ、高峰さんは申し訳ないけど…」
「大丈夫です、早く、行ってください」
2人が話している間にも激しい衝突の音が聞こえる。
「…ごめんね、気を付けてね」
「ありがとうございます。先輩も、気を付けて」
西宮を見送り、芙蓉は思わずその場にへたり込んだ。少し休息を取らないと動けそうもないー体力も呪力も、身体も限界を迎えていた。少し離れた森へ視線を向ける。伏黒と真希が気掛かりではあるが、西宮に託した2人も気になる。芙蓉は目を閉じて深呼吸をする。腹部に意識を向け、呪力を捻出する。
「よし、」
とにかくここから移動しなくてはー動き始めた芙蓉の後を、1羽の烏が彼女を追うように飛んでいた。