前章─復讐の先に掴む未来は(1)
黙々と解除作業に追われる中、一羽の鮮やかな青を纏 う小鳥がメリーの肩に乗る。
「使い魔のカワセミか?」
カーラントがこちらを一瞥 して呟く。カワセミということはモナカの使い魔だろう。使い魔へ魔力を注ぐと、さえずりがモナカの声に変化する。
『お久しぶりメリー、元気〜? 忙しいと思うから要件だけ言うわね〜』
間延びしたおっとりめの声に毒気を抜かれたような気分になりながらも、作業を続けながら耳を傾ける。要件はおそらくグリモワールの写しの解析結果の話だろう。
『写しからわかることは少なかったんだけど、これは役に立つかもーってこともあったのよ。グリモワールは世界にかけられた大きな呪いなんだと思う。本自体は呪いの塊だね。無数の呪いを集めてぎゅっと一つにしたって感じかなぁ』
だから冥界管理なのかと納得する。初めてフィロメナに会ったときや、天族の魔族や穢れに対する異様な反応を見れば納得だ。
穢れの塊のような魔書を傍に置いて管理しようとはならないだろう。おそらくグリモワール自体を作成したのも冥界に住む側の者のはずだ。
『で、大切なのはここから。前に魔物になった双子をフィロメナが浄化してたの覚えてる?』
アイゼアの弟と妹が、アイゼアの力になりたいという思いを利用されてグリモワールで魔物化したことがあった。その魔物化を魔力を借りることでフィロメナは浄化しきったのだ。
『グリモワール自体も同じで、天族の力で対抗できると思うんだよね。だから天族に協力してもらうのがいいかなーと。以上、モナカからでした〜』
モナカの提案に思わず口を引き結んだ。天族の生き残りなど存在しているのだろうか。世界のどこかにはいるかもしれない。だが、この島にいる天族は絶望的だ。
となれば最後の頼みの綱はフィロメナになる。今のうちにモナカからの情報を含めて話しておくためにメリーは四人を呼び寄せた。
「何かあったのか?」
結界の解除に支障が出たと思っているのか、スイウとアイゼアの表情は険しく、エルヴェとフィロメナはどこか不安そうにしている。メリーは空いている方の手にカワセミをのせ、四人へ向けて差し出す。
「モナカさんから連絡が来ました。簡潔に言います。グリモワールは呪いの塊で、対抗するには天族の力が必要だそうです」
「ならあたしの出番ね! 氷漬けになったみんなの分もあたしが頑張るわ。任せてちょうだい!」
使命に燃え、明るく振る舞っているフィロメナをメリーは気の毒に思ってしまった。他の三人の表情を見るに、メリーが本当は何を言いたいのかを察しているようだ。
「承知いたしました。全てを引き換えにしてもフィロメナ様をお守りいたします」
「全てって……エルヴェそれはダメよ! そこまでして守られるわけにはいかないわ。あたしだって自分の身くらい……」
「阿呆が。天族の替えが利かない今、お前が死んだら世界が終わるだろ。お前が嫌がろうが俺らが死のうが最後まで生き残ってもらわないと困る。軽率な行動は慎めよ」
「……わかったわよ」
いつになく妙な迫力と威圧感のあるスイウにフィロメナが身を縮める。
「それはわかったけど、グリモワール相手にたった一人でフィロメナの体は持つのかい? 二人を浄化するだけで堕天したんだよね?」
アイゼアの不安は、メリーが最も懸念していることでもある。魔力の方はメリーとカーラントだけでも相当量補えるだろうが、メリーの魔力はフィロメナには猛毒だ。そして確実に魔力が足りる保証もない。
前回の堕天に関してはメリーの魔力による要因だったが、体に通常あり得ない量の魔力を受け入れて浄化を行っていた以上、穢れ以外にも相当な負荷がかかっていたはずだ。
グリモワールを全て浄化しきるための負荷を一身に受け続けたとき、フィロメナの体が耐えきれるとは到底思えなかった。
「現状かなり厳しいと思います」
「メリー様。それはもしや、フィロメナ様は……」
嘘や誤魔化しで隠したところで何も意味は成さない。言うべきことは言う、たとえそれが本人にとって残酷な現実だとしても。それが心から相手を思う誠意なのではないかと、少なくともメリーは信じている。
「ほぼ間違いなく消滅すると私は予測しています」
言葉を選び、配慮しろと責められるかもしれない。だが正直に話そうとするほど、言葉選びが上手くできなくなる。
それでも自分にできる誠意の示し方はこれしかない。あからさまな嘘で取り繕って騙して利用する方が、余程卑怯 で狡い選択ではないのか、と。確定された死という結論の前に、甘い嘘は何の意味も成さない。
「僕たちはフィロメナが死ぬとわかってて、グリモワールの浄化を頼むんだね。この世界や僕たちのために死んでくれって言ってるようなもんじゃないか……」
アイゼアは悔しさとやるせなさを滲ませながら顔を顰 める。表情を隠そうともしないのを珍しく感じながら見つめていると、おもむろにスイウが口を開いた。
「それが天族の役目だ。気に病む必要ないだろ」
常に役目を重んじていたスイウだからこそ重く、しかし酷く冷たい温度を持って耳に届く。
「スイウ。君はフィロメナが死んでもいいと──
「思ってるが?」
「……っ! 君はっ!」
「お二人共、お止め下さい!!」
一触即発のところまできていた二人の間にエルヴェが割って入る。アイゼアがここまでの激しい感情を露わにするのは双子の件以来だろうか。スイウは眉一つ動かさず、無表情でアイゼアを睨 みつけていた。
「共に旅をしてきた仲間だろう? 君には情というものがないのかい?」
「生憎、必要以上の情は持ち合わせてない」
アイゼアの怒りもスイウの言葉もメリーには理解できた。いくらフィロメナが天族とはいえ、死んでも構わないというのはあまりにも言葉として鋭すぎる。
一方で、役目のためならば消滅するのも仕方ないというスイウの意見は至極正論だともメリーは思う。スイウ自身もまた、魔族としての役目のためなら消滅することを厭 わない。
だからこそ、その凶器のように鋭い言葉をフィロメナへと向けられるのだ。スイウは同じ鋭さを持った言葉で刺される覚悟をしている。それはきっとアイゼア自身もわかりきっていることだろう。
だからといって彼は、フィロメナが傷ついたり死んでいくことを仕方ないことだと割りきれるような性格でもなかった。
「お前はそのクソ難儀な性格をどうにかしろ……そもそも人と俺らを同列に扱うな。魔族や天族は世界の調整役に過ぎん。そのためだけに存在する。それ以上でも以下でもない」
「僕は君たちをそんなふうには見られない。フィロメナだけじゃない。スイウにだって死んでほしくは……」
「温いことを言うな。俺の役目は最初からグリモワールの回収と破滅の阻止。その過程で消滅するなら仕方ないことだ。俺らが世界のために殉じることは、雨が降って雑草が生えるのと同義だ」
自分やフィロメナが世界のために死ぬことを、この世の摂理なのだとスイウは言いきる。
「だから気に病む理由がないつってんだ。それともお前は、そこらへんの雑草が枯れる度に一々泣き喚いてんのか?」
それはスイウなりの慰めか、それともただ事実を言葉にしただけなのか、メリーにはわからない。アイゼアは諦めたようにスイウから視線を外し、こちらへと視線を向けた。
「メリー、何か方法はないのかい?」
アイゼアの行き場のない嘆きが刺さった。他の道はないのかと求め、赤紫色の瞳が揺れている。
「方法……」
フィロメナには生きてほしい。死んでいいわけがない。だが心のどこかで、誰かがやらねばならないのだという諦めに似た思いもある。自分がフィロメナの立場でも同じことを思うだろう。死にたいわけじゃない。でもやらねばならない、と。
元々自分の命への感覚が希薄なこともあるが、この心はもしかしたら石でできているのかもしれないと時々思うことがある。
「他に生き残りの天族がいてくれれば……」
絶望的な可能性にも関わらず、無意識に口をついて言葉が漏れる。誰もが口を噤 み、重苦しい沈黙に包まれたときだった。
「もー……あんたたち、なんて顔してんのよ!」
それは場にそぐわない一際明るいフィロメナの声だった。
「そんなに心配しなくても平気よ。あたし、みんなと旅をして……いろんなものを見て、出会って、考えて、強くなれたと思うの。昔の私だったらきっと怖がって泣いてたんだろうけどね」
フィロメナは自身が消滅するかもしれないと、本当に理解しているのだろうか。そんなふうに感じてしまうほど、今の彼女は明るく晴れやかな顔をしている。
「あたしとみんなは役目が違うだけで同じなのよ。ここにいるみんなが命をかけてて、犠牲になることだって覚悟してる。だからあたしも覚悟を決めるわ。あたしだけ死にたくないだなんて言ってらんないもの。本当は怖いけど、怖くない。あたしのやるべきことがグリモワールの浄化なら、あんたたちはあたしを……必ずグリモワールの所まで導いて」
フィロメナの言葉は嘘がなく、どこまでも素直だ。だからこそまっすぐに心に突き刺さる。健気で純粋な瞳がキラキラと煌めいている。絶望も不安もまるで視界に入っていないかのようだった。
「でもね……どうせ守って死ぬなら、あんたたちが笑顔で生きてる世界がいいわ。だから、みんな死なないでね……お願いよ」
柔らかな春の日差しのようでいてどこか寂しげな笑みと、真摯 な言葉が胸の内を抉っていく。自分という存在を粗雑に扱い、道具のように扱われて生きてきた。命の重さがわかるようでわからなくて、わかったような気でいた。
だがそんなふうに死なないでと言われたら、自分の命にもそれだけの重みと価値があるのではないかと錯覚しそうになる。
こんなことのためにフィロメナを消滅させたくない。死なせてたまるか、と強い怒りに似た感情が込み上げた。
第65話 黄昏は太陽を追いかけて(2) 終
「使い魔のカワセミか?」
カーラントがこちらを
『お久しぶりメリー、元気〜? 忙しいと思うから要件だけ言うわね〜』
間延びしたおっとりめの声に毒気を抜かれたような気分になりながらも、作業を続けながら耳を傾ける。要件はおそらくグリモワールの写しの解析結果の話だろう。
『写しからわかることは少なかったんだけど、これは役に立つかもーってこともあったのよ。グリモワールは世界にかけられた大きな呪いなんだと思う。本自体は呪いの塊だね。無数の呪いを集めてぎゅっと一つにしたって感じかなぁ』
だから冥界管理なのかと納得する。初めてフィロメナに会ったときや、天族の魔族や穢れに対する異様な反応を見れば納得だ。
穢れの塊のような魔書を傍に置いて管理しようとはならないだろう。おそらくグリモワール自体を作成したのも冥界に住む側の者のはずだ。
『で、大切なのはここから。前に魔物になった双子をフィロメナが浄化してたの覚えてる?』
アイゼアの弟と妹が、アイゼアの力になりたいという思いを利用されてグリモワールで魔物化したことがあった。その魔物化を魔力を借りることでフィロメナは浄化しきったのだ。
『グリモワール自体も同じで、天族の力で対抗できると思うんだよね。だから天族に協力してもらうのがいいかなーと。以上、モナカからでした〜』
モナカの提案に思わず口を引き結んだ。天族の生き残りなど存在しているのだろうか。世界のどこかにはいるかもしれない。だが、この島にいる天族は絶望的だ。
となれば最後の頼みの綱はフィロメナになる。今のうちにモナカからの情報を含めて話しておくためにメリーは四人を呼び寄せた。
「何かあったのか?」
結界の解除に支障が出たと思っているのか、スイウとアイゼアの表情は険しく、エルヴェとフィロメナはどこか不安そうにしている。メリーは空いている方の手にカワセミをのせ、四人へ向けて差し出す。
「モナカさんから連絡が来ました。簡潔に言います。グリモワールは呪いの塊で、対抗するには天族の力が必要だそうです」
「ならあたしの出番ね! 氷漬けになったみんなの分もあたしが頑張るわ。任せてちょうだい!」
使命に燃え、明るく振る舞っているフィロメナをメリーは気の毒に思ってしまった。他の三人の表情を見るに、メリーが本当は何を言いたいのかを察しているようだ。
「承知いたしました。全てを引き換えにしてもフィロメナ様をお守りいたします」
「全てって……エルヴェそれはダメよ! そこまでして守られるわけにはいかないわ。あたしだって自分の身くらい……」
「阿呆が。天族の替えが利かない今、お前が死んだら世界が終わるだろ。お前が嫌がろうが俺らが死のうが最後まで生き残ってもらわないと困る。軽率な行動は慎めよ」
「……わかったわよ」
いつになく妙な迫力と威圧感のあるスイウにフィロメナが身を縮める。
「それはわかったけど、グリモワール相手にたった一人でフィロメナの体は持つのかい? 二人を浄化するだけで堕天したんだよね?」
アイゼアの不安は、メリーが最も懸念していることでもある。魔力の方はメリーとカーラントだけでも相当量補えるだろうが、メリーの魔力はフィロメナには猛毒だ。そして確実に魔力が足りる保証もない。
前回の堕天に関してはメリーの魔力による要因だったが、体に通常あり得ない量の魔力を受け入れて浄化を行っていた以上、穢れ以外にも相当な負荷がかかっていたはずだ。
グリモワールを全て浄化しきるための負荷を一身に受け続けたとき、フィロメナの体が耐えきれるとは到底思えなかった。
「現状かなり厳しいと思います」
「メリー様。それはもしや、フィロメナ様は……」
嘘や誤魔化しで隠したところで何も意味は成さない。言うべきことは言う、たとえそれが本人にとって残酷な現実だとしても。それが心から相手を思う誠意なのではないかと、少なくともメリーは信じている。
「ほぼ間違いなく消滅すると私は予測しています」
言葉を選び、配慮しろと責められるかもしれない。だが正直に話そうとするほど、言葉選びが上手くできなくなる。
それでも自分にできる誠意の示し方はこれしかない。あからさまな嘘で取り繕って騙して利用する方が、余程
「僕たちはフィロメナが死ぬとわかってて、グリモワールの浄化を頼むんだね。この世界や僕たちのために死んでくれって言ってるようなもんじゃないか……」
アイゼアは悔しさとやるせなさを滲ませながら顔を
「それが天族の役目だ。気に病む必要ないだろ」
常に役目を重んじていたスイウだからこそ重く、しかし酷く冷たい温度を持って耳に届く。
「スイウ。君はフィロメナが死んでもいいと──
「思ってるが?」
「……っ! 君はっ!」
「お二人共、お止め下さい!!」
一触即発のところまできていた二人の間にエルヴェが割って入る。アイゼアがここまでの激しい感情を露わにするのは双子の件以来だろうか。スイウは眉一つ動かさず、無表情でアイゼアを
「共に旅をしてきた仲間だろう? 君には情というものがないのかい?」
「生憎、必要以上の情は持ち合わせてない」
アイゼアの怒りもスイウの言葉もメリーには理解できた。いくらフィロメナが天族とはいえ、死んでも構わないというのはあまりにも言葉として鋭すぎる。
一方で、役目のためならば消滅するのも仕方ないというスイウの意見は至極正論だともメリーは思う。スイウ自身もまた、魔族としての役目のためなら消滅することを
だからこそ、その凶器のように鋭い言葉をフィロメナへと向けられるのだ。スイウは同じ鋭さを持った言葉で刺される覚悟をしている。それはきっとアイゼア自身もわかりきっていることだろう。
だからといって彼は、フィロメナが傷ついたり死んでいくことを仕方ないことだと割りきれるような性格でもなかった。
「お前はそのクソ難儀な性格をどうにかしろ……そもそも人と俺らを同列に扱うな。魔族や天族は世界の調整役に過ぎん。そのためだけに存在する。それ以上でも以下でもない」
「僕は君たちをそんなふうには見られない。フィロメナだけじゃない。スイウにだって死んでほしくは……」
「温いことを言うな。俺の役目は最初からグリモワールの回収と破滅の阻止。その過程で消滅するなら仕方ないことだ。俺らが世界のために殉じることは、雨が降って雑草が生えるのと同義だ」
自分やフィロメナが世界のために死ぬことを、この世の摂理なのだとスイウは言いきる。
「だから気に病む理由がないつってんだ。それともお前は、そこらへんの雑草が枯れる度に一々泣き喚いてんのか?」
それはスイウなりの慰めか、それともただ事実を言葉にしただけなのか、メリーにはわからない。アイゼアは諦めたようにスイウから視線を外し、こちらへと視線を向けた。
「メリー、何か方法はないのかい?」
アイゼアの行き場のない嘆きが刺さった。他の道はないのかと求め、赤紫色の瞳が揺れている。
「方法……」
フィロメナには生きてほしい。死んでいいわけがない。だが心のどこかで、誰かがやらねばならないのだという諦めに似た思いもある。自分がフィロメナの立場でも同じことを思うだろう。死にたいわけじゃない。でもやらねばならない、と。
元々自分の命への感覚が希薄なこともあるが、この心はもしかしたら石でできているのかもしれないと時々思うことがある。
「他に生き残りの天族がいてくれれば……」
絶望的な可能性にも関わらず、無意識に口をついて言葉が漏れる。誰もが口を
「もー……あんたたち、なんて顔してんのよ!」
それは場にそぐわない一際明るいフィロメナの声だった。
「そんなに心配しなくても平気よ。あたし、みんなと旅をして……いろんなものを見て、出会って、考えて、強くなれたと思うの。昔の私だったらきっと怖がって泣いてたんだろうけどね」
フィロメナは自身が消滅するかもしれないと、本当に理解しているのだろうか。そんなふうに感じてしまうほど、今の彼女は明るく晴れやかな顔をしている。
「あたしとみんなは役目が違うだけで同じなのよ。ここにいるみんなが命をかけてて、犠牲になることだって覚悟してる。だからあたしも覚悟を決めるわ。あたしだけ死にたくないだなんて言ってらんないもの。本当は怖いけど、怖くない。あたしのやるべきことがグリモワールの浄化なら、あんたたちはあたしを……必ずグリモワールの所まで導いて」
フィロメナの言葉は嘘がなく、どこまでも素直だ。だからこそまっすぐに心に突き刺さる。健気で純粋な瞳がキラキラと煌めいている。絶望も不安もまるで視界に入っていないかのようだった。
「でもね……どうせ守って死ぬなら、あんたたちが笑顔で生きてる世界がいいわ。だから、みんな死なないでね……お願いよ」
柔らかな春の日差しのようでいてどこか寂しげな笑みと、
だがそんなふうに死なないでと言われたら、自分の命にもそれだけの重みと価値があるのではないかと錯覚しそうになる。
こんなことのためにフィロメナを消滅させたくない。死なせてたまるか、と強い怒りに似た感情が込み上げた。
第65話 黄昏は太陽を追いかけて(2) 終