Welcome to dream
愛+愛=
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「明日は14時にお迎えに上がります」
「はいよ。お疲れー」
毎週木曜日は仕事が終わると決まってノアの自宅へ向かう。右手には鞄、左手にはコンビニの袋をぶら下げて今日は何のゲームをしようか、と考えながら。
それはいつだったか。
皆が皆、ノアをどうにかして独り占めにしようと模索する中で突然その話が沸き立った。もう日替わりにしちゃえばいいじゃない?そう言ったのは珍しくも大野さんで、しかしその言葉に反対する者はいる筈も無く同意を示す様に男が5人、ただ静かに頷いた。
月曜日は大野さん、火曜日は翔さん、水曜日は相葉さん、木曜日は俺で金曜日はJ。土日は各自で決めるというルールになり、それにもまた同意された。
「ただいま〜」
「 あら、今日は早かったですね!
おかえりなさい、二宮さん 」
「早く帰ってきてやったよ。あ"ー疲れた...」
扉の閉まる音が聞こえたのか、パタパタとエプロン姿で俺に駆け寄るノアの姿に頬は緩み、張り詰めた神経が解かれる。
俺からコンビニの袋と鞄を受け取ったノアは、先に手洗いうがいお願いしますね、と言い残しリビングへと戻って行った。後ろで結ばれたリボンがふわふわと揺れる。
夫婦の様な会話は毎度のことながら、しかしそれに慣れる事は無い。
「 ご飯にしますか?
それともビールにしますか? 」
洗面所から戻るとリビングに漂う美味そうな匂い。これは恐らく...というか十中八九ハンバーグだ。俺お気に入りのデミグラスソース。
「ハンバーグ、あとビールね」
「 はーい! 」
「ノアも一緒に食べるでしょ?」
「 勿論。お腹空きましたよ〜 」
ノアは基本、1人で飯を食わない。本人曰く1人で食べるより誰かと食べた方が断然美味しい、という事らしい。ソロの仕事でも必ずマネージャーかスタッフと食べる様で、俺からすればただの寂しがり屋だ。そこがまた可愛いけど。
仕事で遅くなる日は時間によって飯を食わずに待っているなんてザラにあるし、それを分かっているから俺達も早く帰ろうと仕事に集中出来る。周りからは過保護だ何だと言われるが、過保護になっても仕方ない。人を信じて疑う事を知らない素直すぎる彼女が、いつか誰かに騙されてしまうかもしれないから。ノアの悲しそうな顔は見たくないんだ。俺達は弱いから。
「 今日はどうでした?
確か...雑誌の取材と収録でしたっけ? 」
「収録は結構巻きで終わった(終わらせた)。
取材はいつもの通り。結婚の予定は、とか」
「 最近よく聞かれる様になりましたもんね 」
「まぁ、結婚にはいい歳だからね俺等」
嵐の殆どが30代後半に掛かる歳だ。結婚やら子供やら、恋愛事情を聞かれるのも無理はない。ソロでの取材でも嵐での取材でも同じだ。他に聞くことないのか不思議なほどに。ただ、そこで終わるなら未だしも...ノアについて聞いてくる記者もいる。
「 ...二宮さん? 」
ノアの事をどう思っているのか。ジャニーズ初の女性としてどう思ったのか。メンバーとして気になる事はないか。自分たちとの違いを感じないのか。等々不躾な質問をいけしゃあしゃあと...ノアがいる前で聞いてきた記者にJがキレかけた事もあった。その時はノアが上手いこと丸く収めて話を流したけど。
そういう質問は本当に多い。
男だろうと女だろうと。俺たちが嵐って事には変わりないのに。20年経つ今でさえ反感はあるのだ。聞こえない様に聞かない様にノアを囲って遠ざけてるだけでその反感は消えない。
「 ...大丈夫ですよ、二宮さん 」
「ん?」
「 そんなに怖い顔しないでください。
大丈夫です。此処は二宮さんの家ですから 」
こんなにいい子でこんなに可愛い子なのに。...嫌、でもそれは分かる人にだけ分かればいいのだろう。分からない奴に分かってもらおうとするだけきっと無駄だろうから。
「お前の家でもあるけどね」
「 ふふ、そうですね〜。
じゃー此処は嵐の家になりますね 」
「なんだよそれ」
それは全てノアがいるから。
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