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青々とした視界いっぱいに広がる空。
点々と浮かぶふわふわ綿あめの白い雲。
手が届きそうで思わず己のそれを伸ばすが、その手は空を切りやはり雲など掴めやしない。分かりきっていた事を先程から2度も3度も繰り返す女はふ、と倒れていた体を持ち上げ後方に目を向けた。
「 やぁ、久しいね 」
女にしては低いであろう自分の声が耳を燻る。
「渡り鳥が寝床を見つけたと風の噂を聞いてな」
「 はは、そうかいそうかい 」
「寝床が知られてすぐに飛び立つ思っていたんだが...」
「 まさか!どうしてお気に入りを自ら手放すんだい?
そんな勿体無いこと私はしないよ 」
ここずっと見ていた眩しいほどの青よりも、目の前に立つ屈強なこの男の赤の方が随分と輝かしいのは初めましてをしたあの時から変わらず。撫で付けた赤髪が風によりふわりと宙を舞う。
あぁ、ほら。美しいだろう?
口元に小さな笑みを浮かべたノアは、微かな警戒を灯したままの男に座るよう促し、男は腰からサーベルを抜いてノアの正面へと腰を下ろした。
「 風の便りに赤い髪の海賊がやって来ると聞いていた。驚きはしないし、キミ相手に逃げる様な真似もしないさ。どうせまた執拗く追って来るのだろう? 」
「さぁ、どうだろうな。そん時の気分にもよるだろ」
「 いんや、キミは意地でも追ってくるよ。確かにキミは気分屋だが、支配欲もあるし知識欲もある。私に聞きたい事があるのと同時に支配したいとだって思うのさ。〝海賊〟ってのはそういうもんさね〜 」
まるで全てを見透かす様なノアの瞳に思わず呑まれそうで目を逸らすが、既に後の祭り。出会った時からノアには全てが見えているのだ。
いや、きっと出会う前から___
「 まぁそんな事はどうだっていい。今回はまた何の用で私を訪ねて来たんだい?シャンクス 」
面白そうとばかりに目元は歪み、上がる口角を隠そうともしないノアに知ってるくせに...と溜息を零すシャンクスはそれでも重苦しく口を開き、訪れた理由を素直に話すしかないのである。どうせ誤魔化しても見抜かれているのだ。
全く厄介な女だな。
端から知っている事実に再び溜息を零した。