Welcome to dream
ドレスに着替えて
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妖力も高く、コントロールも出来る上流妖怪達は真の姿を隠し人里で暮らす事は侭ある事だ。しかしそれは数百、数千年も生きる年長者であり、彼等は〝完全に〟人間に化ける事が出来るからこそである。この双子はまだ生きても精々100年少し程の子供。未熟者だ。
「 学校に来ているの分かったら、問答無用で追い出すからね。嫌だったら大人しくしてて 」
〔ちぇ、分かったよーだ〕
〔ノアのケチー!〕
赤と青が足をバタバタとさせて不満を顕にするが、それでもノアに従うのは彼等もまた人間の怖さをよく知っているからである。それは遥か昔の話ではあるが、記憶には鮮明に残っているだろう。その時代にはノアというこの摩訶不思議な存在など居なかったが、人間の恐ろしさは時代と共に強くなっていた。ノアもまたそれを知っている。妖怪が恐ろしい存在なのは変わらないが、同じくらい人間も恐ろしいのだ。
「 ん、いい子ね。さぁ、朝ご飯出来たわよ。食べたらちゃんとお水に付けて、そのあと歯を磨く事。いいね? 」
〔はーい!〕
双子の悪鬼がこの家に棲みつくようになって、早3年。仕事で家を留守にしがちなノアの父親も流石に悪鬼達の存在に気づいているが、生憎その姿を目にする事は出来ない。精々笑い声が限度である。父親曰く突然大きな声で笑い出すのは止めて欲しい様だが双子には届かない願いだ。そもそも、双子がこの家に棲みついたのにはノアという存在が大きく関わっているのだが...笑い声に怯える父がそれを知ることは無いだろう。
古くから日本の闇に住まう妖怪。その姿を目に出来る人間など無いも等しい。数百年に1度、摩訶不思議な存在が産まれるかどうかさえ分からないのが、今から16年前。1人の美しい女性から〝視る力〟を持った紅眼の子が生まれた。その噂は風の如く妖界に知れ渡り、生まれたばかりの〔恐ろしい〕赤子を亡き者にしようと妖が魔の手を差し向け、その度に大火傷を負い寝床へ逃げ帰る事など最早日常であった。現代に恐らく1人しかいないであろう〝視る眼〟を持つ少女。それがノアだ。
「 行ってくるけど、呉々も学校には来ないでね 」
〔ノアってば何度も言い過ぎー!〕
〔人間のガッコーには行かねぇ!〕
「 はいはい、ごめんね。
じゃーアカツノ、アオツノ。行ってきます 」
〔〔いってらっしゃーい!〕〕
しかし、こう見ていれば仲の良い可愛らしい姉弟である。まぁ、悪鬼の姿は他の人間には見えていないだろうし、仮に見えていたとしても双子は宙に浮かんでいるから普通では無いが...。