Welcome to dream
小さな足音
What's your name?
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私の個性は四歳の誕生日に生まれた。
いや、生まれたというのは少し違うのかもしれない。子供特有の小さくもっちりとした手の平で躍る様に浮かぶ二つの透明な塊を見て思う。
私の個性は静かに目覚めたのだ。
「ノア.....」
「 ママ!見て見て!氷が出てきたの!」
光に反射してキラキラと輝く塊は、ひんやりと僅かに冷気を放っている。ノアに芽生えた個性は氷を発生させる物であろうと、見た瞬間はそう思った。しかし、実際はそうでは無く.....自分の個性を喜ぶ我が子を抱き締めて、見覚えのあるそれに目を細める。
少しずつ形を変えていく氷はノアの感情を表すように彩られ、花が咲く。
「 ママ? 」
我が子が産まれる日に逝ってしまった愛する夫の個性、物質操作によく似た個性。それとはまた少し違うようだが美しさはまるで瓜二つである。
彼の個性も煌々と光る美しさがあった。
「...綺麗ね...、ノア」
「 うふふん!そうでしょ! 」
己の個性を認識し、尚それを誇らしげに胸を張る可愛い我が子。その手の平で踊る"向日葵"に涙ぐむ私を、ノアは不思議そうに見上げるのであった。
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