似た者同士
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異世界から来た事務員兼食堂のおばちゃんのお手伝いさん。だけではなく、その他雑用も引き受けてしまっている朱美は非常に多忙だ。
まず、忍術学園の教員と忍たま達の三食を食堂のおばちゃんと共に作っている。夕食については忍たま達の当番制があるから、いつもではないけれど………しかし、彼女の時代に比べれば、火を起こし、水を汲む手間もある。
ああ、ごめんよ。朱美の時代には、簡単に火を点けられるし、水もすぐに汲めるんだ。
それだけでも彼女にとって相当な労力を要するはずだが、彼女は疲れた顔を見せずに働いている。
そして昼間は吉野先生のもとで事務仕事を小松田くんと共に行い、放課後の時間には生徒達の委員会を手伝ったり、きり丸のアルバイトを手伝ったりしている。
その間、笑顔が絶えることはない
………いや、きり丸のバイトの手伝いをするときは盛大に愚痴を投げつけているが……それでも彼女はきり丸のバイトを手伝っている。
極めつけは学園長のお遣いだ。
過去にあんな事があったにも関わらず、学園長は遣いを命じているんだ。
さすがにヘムヘムと一緒らしいが………。
うん。そうだね。
本来ならば上級生や先生方が付き添えば心配ないし、もっと言うならばそもそも学園長が買いに行けばいい。しかし上級生も委員会の仕事があるし、我々もなかなか時間を割くことはできない。
学級委員だって組のとりまとめや上級生ともなれば忍務も任される。だからヘムヘムなんだ。
そして小松田くんと一緒よりは、あの学園長と共に忍の時を過ごしたヘムヘムの方が安心だろう。ヘムヘムもお遣いに行くことは嫌がるが、彼女となら良いらしい。
話が逸れてしまった。
彼女は息つく暇もない。
だからこそ、私の手伝いなぞせずに休んでほしいんだ。
それなのに「むしろ手伝わない方が元気出ない」と、しれっと言って部屋に入ってくる。
休めばいいのに。
それでも私の顔を見たいからと真顔で言ってくるんだ。惚気?違うよ!
しかし朱美もこの世界に来たばかりの頃を思えば逞しくなったもんだ。
………どちらがいいかなんて、そういう問題じゃないんだよ、利吉くん。
朱美の字はとても綺麗になったよ。
それでいて早い。
「写し終えたから、この間のテストの採点もしちゃいますよ」とか「算数のテスト作りましょうか?」って、言ってくるんだ。
でも何でもかんでも任せるのは流石に悪いから………いや、遠慮しているわけではないんだ、利吉くん。
体を壊してしまっては元も子もないじゃないか。
だから、休めるときに休んでほしいんだ。