不死川玄弥
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私が恥をかいた日の、その次の日の朝。
昨日の事もあり、2人と顔を合わせづらいと感じながらも仕事を放棄するわけにはいかないので、バイタル測定の為、善逸さんと玄弥くんの病室の前までやってきた。
少々緊張気味の気持ちを落ち着ける為、一度深呼吸をしてから病室のドアをノックする。
おはようございますと声をかけてドアを開くと、身支度をしている善逸さんの姿があった。
怪我人アピールが凄かったのでまだだと思っていたが、そういえば今日は善逸さんが復帰する日だった。
私の怒りはまだ燻っていたのだが…また元気で会える保証などない。
復帰していく皆さんにするように武運を祈りながら、善逸さんを門の外まで見送った。
騒がしくて手を焼いていた善逸さんも、いなくなれば寂しいもので、私と玄弥くん2人だけの病室は静かだった。
玄弥くんにご飯を食べさせてあげるのも、この夕食が最後。
腕が徐々に回復してきたので明日からは自力で食べられる。
玄弥くんは女子に食事を食べさせてもらうというこの状況にだいぶ慣れたようで、珍しく自分から口を開く。
「…あんただけだよな。食事中に俺と会話するのは。他のやつらは会話らしい事は喋らないから、正直無言の時間が気まずくて…俺が悪いんだろうけどな…」
「そうですね〜玄弥くんが緊張して怖い顔になってるからかなー?みんないい子たちだから、緊張しなくていいんですよ?」
「いや、それはわかるけど…食事以外でも、怪我してる俺らの世話してくれる時も、ただこなせばそれでいいっていうのとは違うだろ?あんたは。うまく言えないけど…俺には到底できそうにない。それに、あんたは知識や技術も信頼できる」
私の事を褒めてくれているのだろうか?
急に何で?
それに、玄弥くんは私を高く評価してくれているみたいだけど、それは褒めすぎたと思う。
他のみんなより、例えば善逸さんのような人とか、うまく扱えているとは思うけど、そんなのはただの人生経験の差だ。
私が1番の年上だから。
私は、ただ自分の居場所を無くしたくない一心でここまでやってきたと思う。
日輪刀の刃の色が変わらなかった、まるで素質のない私。
私は私の為に、医学を学び技術も磨いてきた。
きっと、ただそれだけだ。
それに1番伝えたいのは、私以外のみんなも、ただこなせばいいという気持ちで患者に接しているわけではないという事。
そう玄弥くんに告げた。
「……悪かったな。治療してもらってる身で文句言ってるみたいになっちまったが、文句を言ってるわけじゃなくて……うまく言えないけど、とにかく、俺はあんたを尊敬するよ」
鬼殺の前線には立てないダメな私。
刀を握って戦えない事にコンプレックスを感じていたけれど…
刀を振り日々鬼と戦っている彼にそう言われ、今まで頑張ってきた自分が初めて認められた気がした。
尊敬するなんて、私なんかが言われるには恐れ多い言葉だけど…おそらく偽りのない彼の言葉が嬉しくて、
「ありがとう」
と素直に思えた。
昨日の事も、これで許す!
握手のつもりで私が思わず手を取ると、玄弥くんの顔は真っ赤になっていた。
昨日の事もあり、2人と顔を合わせづらいと感じながらも仕事を放棄するわけにはいかないので、バイタル測定の為、善逸さんと玄弥くんの病室の前までやってきた。
少々緊張気味の気持ちを落ち着ける為、一度深呼吸をしてから病室のドアをノックする。
おはようございますと声をかけてドアを開くと、身支度をしている善逸さんの姿があった。
怪我人アピールが凄かったのでまだだと思っていたが、そういえば今日は善逸さんが復帰する日だった。
私の怒りはまだ燻っていたのだが…また元気で会える保証などない。
復帰していく皆さんにするように武運を祈りながら、善逸さんを門の外まで見送った。
騒がしくて手を焼いていた善逸さんも、いなくなれば寂しいもので、私と玄弥くん2人だけの病室は静かだった。
玄弥くんにご飯を食べさせてあげるのも、この夕食が最後。
腕が徐々に回復してきたので明日からは自力で食べられる。
玄弥くんは女子に食事を食べさせてもらうというこの状況にだいぶ慣れたようで、珍しく自分から口を開く。
「…あんただけだよな。食事中に俺と会話するのは。他のやつらは会話らしい事は喋らないから、正直無言の時間が気まずくて…俺が悪いんだろうけどな…」
「そうですね〜玄弥くんが緊張して怖い顔になってるからかなー?みんないい子たちだから、緊張しなくていいんですよ?」
「いや、それはわかるけど…食事以外でも、怪我してる俺らの世話してくれる時も、ただこなせばそれでいいっていうのとは違うだろ?あんたは。うまく言えないけど…俺には到底できそうにない。それに、あんたは知識や技術も信頼できる」
私の事を褒めてくれているのだろうか?
急に何で?
それに、玄弥くんは私を高く評価してくれているみたいだけど、それは褒めすぎたと思う。
他のみんなより、例えば善逸さんのような人とか、うまく扱えているとは思うけど、そんなのはただの人生経験の差だ。
私が1番の年上だから。
私は、ただ自分の居場所を無くしたくない一心でここまでやってきたと思う。
日輪刀の刃の色が変わらなかった、まるで素質のない私。
私は私の為に、医学を学び技術も磨いてきた。
きっと、ただそれだけだ。
それに1番伝えたいのは、私以外のみんなも、ただこなせばいいという気持ちで患者に接しているわけではないという事。
そう玄弥くんに告げた。
「……悪かったな。治療してもらってる身で文句言ってるみたいになっちまったが、文句を言ってるわけじゃなくて……うまく言えないけど、とにかく、俺はあんたを尊敬するよ」
鬼殺の前線には立てないダメな私。
刀を握って戦えない事にコンプレックスを感じていたけれど…
刀を振り日々鬼と戦っている彼にそう言われ、今まで頑張ってきた自分が初めて認められた気がした。
尊敬するなんて、私なんかが言われるには恐れ多い言葉だけど…おそらく偽りのない彼の言葉が嬉しくて、
「ありがとう」
と素直に思えた。
昨日の事も、これで許す!
握手のつもりで私が思わず手を取ると、玄弥くんの顔は真っ赤になっていた。