真田弦一郎
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「ねえ。話変わるけど、名前はいつ彼に告白するの?」
下校時の事。
唯一と言っていいと思う私が心を開いている親友に、突然そんな事を聞かれた。
私は彼女を信頼して真田くんの事で、以前からいろいろと話を聞いてもらっていたんだけど、彼女から私に真田くんの話をふってくるのは珍しい。
「いきなりなんで?」
「だって、最近ため息多くない?」
「んー……まあ……ため息ついてた?」
意外と面倒見のいい真田くん。
初対面の私に対してそうだったように、他の誰かに対してもその面倒見の良さを発揮していると思う。
そういうところが好きなんだけど。
真田くん好みの奥ゆかしそうな下級生から「真田先輩♡」なんて頼られている場面を見てしまったら、
そこから恋愛に発展しちゃうんじゃないかとか、やっぱ私とは全くタイプが違うこういう娘が好きなのかなぁ?とか、私らしくもなく悶々としていた。
自覚はなかったけど、ため息をついていたのかもしれない。
「そんなに悩むくらいなら、ズバッと言っちゃって、スッキリしちゃったら?」
それは一理あるんだけど……
「そんな簡単に言わないでよ〜。自信なんて全くないし……真田くんの好みは奥ゆかしい女の子だし……私奥ゆかしくないし……」
「うだうだしてたら誰かに取られちゃうかもよ?本当に好きならどうせ諦められないんだからさぁ」
「うだうだって……真田くんの事は初めて会った時から大好きなんだけど、私の態度で本人に伝わってたらなぁ……なんて、やっぱ都合のいい考えだよねぇ……」
もう陽も傾きかけて時間も時間だったから、ほとんどの生徒が帰宅したのか、校内は静かだった。
2人でお喋りしながらエントランスまで着いた時の事。
人気なんてないので、油断していた。
そういや真田くんと初めて会ったのはここだったと思い出しながら見た視線の先に、まさか話題の本人が近くに居ただなんて……
真田くんの表情を見る限り、言い逃れはできそうになかった。
俺の表情を見た苗字は、今の話を俺が聞いてしまったのだと悟ったようだ。
側にいた苗字の友人は「また明日」と、スマートに去って行く。
「……聞くつもりはなかったのだが……すまん……」
聞いて欲しくなかったに違いない話を聞いてしまった事を一応詫びる。
俺が悪い訳ではないのだが……
「……こうなったらもう正直に言っちゃうけど、真田くんは気付いてなかったと思うけど……ずっと前から好きでした。だから、私を真田くんの彼女にしてください。」
本当に…… 苗字が俺の事を……?
もちろん苗字には好意を持っている。
だが、何と返していいのか……突然の事で俺は混乱気味なのだ。
自分で自分の気持ちはわかっているのに、なかなか言葉が出ない……。
沈黙に耐えかねたのか、苗字が言った。
「女の子が勇気出して告白してるのに、沈黙が長い!」
威勢よく言い放ったその顔は思い切りそっぽを向いていて、視線が合う事はない。
横顔しか見えないが、苗字は少し怒ったような、それでいて泣き出しそうな表情をしていて、頬はほんのり赤く見える。
俺は苗字を女の子として好きだと思っているのだと、素直に伝えなければならない。
女子に好意を伝えるなど初めての経験で、緊張して何と伝えればいいのか正直わからないが、苗字にいつまでもこんな表情をさせるわけにはいかない。
早く俺の気持ちを伝えなければ……
「俺は…… 苗字とこれから恋人として付き合っていきたいと思っている。こんな俺だが、よろしく頼む。」
俺は握手を求めるように手を差し出した。
差し出したその手に苗字の手が重ねられた。
その手を握って離さないまま、俺と苗字は帰路についた。
下校時の事。
唯一と言っていいと思う私が心を開いている親友に、突然そんな事を聞かれた。
私は彼女を信頼して真田くんの事で、以前からいろいろと話を聞いてもらっていたんだけど、彼女から私に真田くんの話をふってくるのは珍しい。
「いきなりなんで?」
「だって、最近ため息多くない?」
「んー……まあ……ため息ついてた?」
意外と面倒見のいい真田くん。
初対面の私に対してそうだったように、他の誰かに対してもその面倒見の良さを発揮していると思う。
そういうところが好きなんだけど。
真田くん好みの奥ゆかしそうな下級生から「真田先輩♡」なんて頼られている場面を見てしまったら、
そこから恋愛に発展しちゃうんじゃないかとか、やっぱ私とは全くタイプが違うこういう娘が好きなのかなぁ?とか、私らしくもなく悶々としていた。
自覚はなかったけど、ため息をついていたのかもしれない。
「そんなに悩むくらいなら、ズバッと言っちゃって、スッキリしちゃったら?」
それは一理あるんだけど……
「そんな簡単に言わないでよ〜。自信なんて全くないし……真田くんの好みは奥ゆかしい女の子だし……私奥ゆかしくないし……」
「うだうだしてたら誰かに取られちゃうかもよ?本当に好きならどうせ諦められないんだからさぁ」
「うだうだって……真田くんの事は初めて会った時から大好きなんだけど、私の態度で本人に伝わってたらなぁ……なんて、やっぱ都合のいい考えだよねぇ……」
もう陽も傾きかけて時間も時間だったから、ほとんどの生徒が帰宅したのか、校内は静かだった。
2人でお喋りしながらエントランスまで着いた時の事。
人気なんてないので、油断していた。
そういや真田くんと初めて会ったのはここだったと思い出しながら見た視線の先に、まさか話題の本人が近くに居ただなんて……
真田くんの表情を見る限り、言い逃れはできそうになかった。
俺の表情を見た苗字は、今の話を俺が聞いてしまったのだと悟ったようだ。
側にいた苗字の友人は「また明日」と、スマートに去って行く。
「……聞くつもりはなかったのだが……すまん……」
聞いて欲しくなかったに違いない話を聞いてしまった事を一応詫びる。
俺が悪い訳ではないのだが……
「……こうなったらもう正直に言っちゃうけど、真田くんは気付いてなかったと思うけど……ずっと前から好きでした。だから、私を真田くんの彼女にしてください。」
本当に…… 苗字が俺の事を……?
もちろん苗字には好意を持っている。
だが、何と返していいのか……突然の事で俺は混乱気味なのだ。
自分で自分の気持ちはわかっているのに、なかなか言葉が出ない……。
沈黙に耐えかねたのか、苗字が言った。
「女の子が勇気出して告白してるのに、沈黙が長い!」
威勢よく言い放ったその顔は思い切りそっぽを向いていて、視線が合う事はない。
横顔しか見えないが、苗字は少し怒ったような、それでいて泣き出しそうな表情をしていて、頬はほんのり赤く見える。
俺は苗字を女の子として好きだと思っているのだと、素直に伝えなければならない。
女子に好意を伝えるなど初めての経験で、緊張して何と伝えればいいのか正直わからないが、苗字にいつまでもこんな表情をさせるわけにはいかない。
早く俺の気持ちを伝えなければ……
「俺は…… 苗字とこれから恋人として付き合っていきたいと思っている。こんな俺だが、よろしく頼む。」
俺は握手を求めるように手を差し出した。
差し出したその手に苗字の手が重ねられた。
その手を握って離さないまま、俺と苗字は帰路についた。