我妻善逸
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「おはようございます。皆さん、体調はいかがですか?これから順番にバイタル測りますよー」
朝、大部屋に仲良く入院中の3人の元へ訪れた私は、皆さんのバイタルチェックをして体調に変化がないかの確認をする。
「おはよー!名前ちゃん!今日も可愛い〜♡」
…善逸さんは今日も元気そうだ。
まずは炭治郎さんの血圧から…善逸さんの事は、とりあえず無視をする。
炭次郎さん、伊之助さんの血圧と体温を順番に測り終え、最後は善逸さんだ。
「善逸さん、くれぐれも動かないでくださいよ」
血圧を測る前に釘を刺しておく。
昨日は計測中もクネクネと体を動かされ上手く測れず、何度か測り直している為である。
「だって、名前ちゃんが優しく手取り足取り血圧測ってくれるなんて…恥ずかしくてキンチョーしちゃう!」
「手取り足取りって?…まあ、いいです。念の為もう一度言いますけど、くれぐれも動かないでくださいね?」
「わかってるよぉー」
……今日は動かないでいてくれた。
「皆さん、バイタル的には何も問題ありませんねー。では、また後ほど様子をみに来ますから」
「え⁉︎もう行っちゃうの?やだやだ!名前ちゃん!もう少し、もう少しだけ側にいてぇ〜!」
「善逸!名前さんは他にも仕事があって忙しいんだぞ?我がままを言うな!」
「お前、情けないやつだな」
病室を出て行こうとすると、情けない声を出しながら言う善逸さんに呼び止められた。
はぁ…またこれだよ。
そしてまた炭治郎さんに叱られている。
さすがに呆れたのか、伊之助さんまで物申している。
何だって彼は私に構ってくるのだろう?
昨日は無視して病室を後にした。
けれど、次病室を訪れた時に泣き付かれ、なかなか面倒だった。
「……じゃあ、少しだけ側にいてあげますので、ちゃんと大人しくしていてもらえます?一応怪我人なんですから」
「え?ほんとうに?」
私がベッドの横へ椅子を持って行き腰掛けると、善逸さんは嬉しそうにしている。
善逸さんは手当てや診察の度に騒がしいので、仕事が進まず面倒だという事からつい冷たい感じになってしまうけど、彼を心底嫌いというわけでは全くなく、興味がないわけでもない。
私は以前から気になっていた髪の色について話してみた。
「善逸さんのその髪の色なんですけど…せっかく綺麗なのに、もったいないですよねー」
つい、いつもの調子で意図せず毒舌になってしまった。
悪意があったわけではなく、よく見ると端正な顔立ちをしていて、おまけに白馬に乗った王子様のような髪の色、女好きさえなければ、普通にモテると思うのだ。
本当にもったいない。
善逸さんは私の毒舌を全く気にしていないようで、私が髪を綺麗と褒めた事を喜んでいた。
「え?この髪の色キレイ⁇ 名前ちゃんにそう言われると照れちゃう!雷に打たれた甲斐があったなぁ」
「え⁉︎まるで雷に打たれて色が変わったみたいな言い方してますけど…」
「雷に打たれるまでは俺、黒髪だったんだよ」
思わぬトンデモエピソードを聞いてしまった。
「…その時死ななくて良かったですね…。私は今の善逸さんの髪色で馴染んじゃってるので、やっぱりこの色がいいですね」
「名前ちゃんがそんなに褒めてくれるなんて…もう思い切って結婚しちゃう⁉︎」
「しませんけど」
私に少しでも気があると思われると面倒なので、キッパリとお断りしておく。
「名前ちゃんも、前にお世話になった時と、前髪を分ける方向変わったよね!とても似合ってるよ、名前ちゃんならどんな髪型でも可愛いけど〜♡」
「そうなのか?名前さん。よく気付いたなー善逸」
今言われて思い出したが、確かに私は前髪の分け方を変えていた。
今となっては当たり前すぎて、自分でも忘れていたくらいなのだから、私の前髪を覚えていて違いに気づくなんて凄いと思うのだが、同時にキモいと思ってしまった私がいる。
複雑な表情をしている私を見て、
「もしかして俺、何か変なこと言った⁉︎」
と、不安気な顔をしている善逸さん。
私は正直に言ってしまった。
「前髪のわけ方、そんなに大きな変化ではないのに善逸さんが覚えていた事が正直キモいと…」
あ…マズい。ちょっと言い過ぎたかも。
また善逸さんがネガティブに騒ぎ出してしまう!
「いえ…キモさ半分、小さな変化に気付いてくれた嬉しさ半分くらいです!私の前髪を覚えていたのも凄いと思うし、総合的にはとても関心してますよ!」
これで大丈夫か…?
「褒められたんだ…よね?…可愛い名前ちゃんの事は俺、忘れないもん!厳しい口調に似合わない可愛い声も、怒った顔も笑った顔も、全部全部、いつか俺のものしちゃうんだからね!!」
今度はポジティブに騒ぎ出してしまった。
加減難しいっ!!
「もう時間なので私は行きます!炭治郎さん、いつもすみません…後はお願いします!」
「ああ、任せておけ!」
本当に炭治郎さんにはいつも迷惑をかけてしまう……。
私は、善逸さんがポジティブにもネガティブにも暴走をしないよう加減を覚える必要があるようだ……大人しくさえできれば、その分傷の治りは早いのだ。
……可愛いだなんて、私だけに言ってる言葉じゃないくせに。本当に世話が焼ける人!
そんなふうに毒づきながらも口角が上がっている事に、この時の私はまだ気づいていないのだった。
朝、大部屋に仲良く入院中の3人の元へ訪れた私は、皆さんのバイタルチェックをして体調に変化がないかの確認をする。
「おはよー!名前ちゃん!今日も可愛い〜♡」
…善逸さんは今日も元気そうだ。
まずは炭治郎さんの血圧から…善逸さんの事は、とりあえず無視をする。
炭次郎さん、伊之助さんの血圧と体温を順番に測り終え、最後は善逸さんだ。
「善逸さん、くれぐれも動かないでくださいよ」
血圧を測る前に釘を刺しておく。
昨日は計測中もクネクネと体を動かされ上手く測れず、何度か測り直している為である。
「だって、名前ちゃんが優しく手取り足取り血圧測ってくれるなんて…恥ずかしくてキンチョーしちゃう!」
「手取り足取りって?…まあ、いいです。念の為もう一度言いますけど、くれぐれも動かないでくださいね?」
「わかってるよぉー」
……今日は動かないでいてくれた。
「皆さん、バイタル的には何も問題ありませんねー。では、また後ほど様子をみに来ますから」
「え⁉︎もう行っちゃうの?やだやだ!名前ちゃん!もう少し、もう少しだけ側にいてぇ〜!」
「善逸!名前さんは他にも仕事があって忙しいんだぞ?我がままを言うな!」
「お前、情けないやつだな」
病室を出て行こうとすると、情けない声を出しながら言う善逸さんに呼び止められた。
はぁ…またこれだよ。
そしてまた炭治郎さんに叱られている。
さすがに呆れたのか、伊之助さんまで物申している。
何だって彼は私に構ってくるのだろう?
昨日は無視して病室を後にした。
けれど、次病室を訪れた時に泣き付かれ、なかなか面倒だった。
「……じゃあ、少しだけ側にいてあげますので、ちゃんと大人しくしていてもらえます?一応怪我人なんですから」
「え?ほんとうに?」
私がベッドの横へ椅子を持って行き腰掛けると、善逸さんは嬉しそうにしている。
善逸さんは手当てや診察の度に騒がしいので、仕事が進まず面倒だという事からつい冷たい感じになってしまうけど、彼を心底嫌いというわけでは全くなく、興味がないわけでもない。
私は以前から気になっていた髪の色について話してみた。
「善逸さんのその髪の色なんですけど…せっかく綺麗なのに、もったいないですよねー」
つい、いつもの調子で意図せず毒舌になってしまった。
悪意があったわけではなく、よく見ると端正な顔立ちをしていて、おまけに白馬に乗った王子様のような髪の色、女好きさえなければ、普通にモテると思うのだ。
本当にもったいない。
善逸さんは私の毒舌を全く気にしていないようで、私が髪を綺麗と褒めた事を喜んでいた。
「え?この髪の色キレイ⁇ 名前ちゃんにそう言われると照れちゃう!雷に打たれた甲斐があったなぁ」
「え⁉︎まるで雷に打たれて色が変わったみたいな言い方してますけど…」
「雷に打たれるまでは俺、黒髪だったんだよ」
思わぬトンデモエピソードを聞いてしまった。
「…その時死ななくて良かったですね…。私は今の善逸さんの髪色で馴染んじゃってるので、やっぱりこの色がいいですね」
「名前ちゃんがそんなに褒めてくれるなんて…もう思い切って結婚しちゃう⁉︎」
「しませんけど」
私に少しでも気があると思われると面倒なので、キッパリとお断りしておく。
「名前ちゃんも、前にお世話になった時と、前髪を分ける方向変わったよね!とても似合ってるよ、名前ちゃんならどんな髪型でも可愛いけど〜♡」
「そうなのか?名前さん。よく気付いたなー善逸」
今言われて思い出したが、確かに私は前髪の分け方を変えていた。
今となっては当たり前すぎて、自分でも忘れていたくらいなのだから、私の前髪を覚えていて違いに気づくなんて凄いと思うのだが、同時にキモいと思ってしまった私がいる。
複雑な表情をしている私を見て、
「もしかして俺、何か変なこと言った⁉︎」
と、不安気な顔をしている善逸さん。
私は正直に言ってしまった。
「前髪のわけ方、そんなに大きな変化ではないのに善逸さんが覚えていた事が正直キモいと…」
あ…マズい。ちょっと言い過ぎたかも。
また善逸さんがネガティブに騒ぎ出してしまう!
「いえ…キモさ半分、小さな変化に気付いてくれた嬉しさ半分くらいです!私の前髪を覚えていたのも凄いと思うし、総合的にはとても関心してますよ!」
これで大丈夫か…?
「褒められたんだ…よね?…可愛い名前ちゃんの事は俺、忘れないもん!厳しい口調に似合わない可愛い声も、怒った顔も笑った顔も、全部全部、いつか俺のものしちゃうんだからね!!」
今度はポジティブに騒ぎ出してしまった。
加減難しいっ!!
「もう時間なので私は行きます!炭治郎さん、いつもすみません…後はお願いします!」
「ああ、任せておけ!」
本当に炭治郎さんにはいつも迷惑をかけてしまう……。
私は、善逸さんがポジティブにもネガティブにも暴走をしないよう加減を覚える必要があるようだ……大人しくさえできれば、その分傷の治りは早いのだ。
……可愛いだなんて、私だけに言ってる言葉じゃないくせに。本当に世話が焼ける人!
そんなふうに毒づきながらも口角が上がっている事に、この時の私はまだ気づいていないのだった。