不死川玄弥
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玄弥くんの事を最初は怖がったり苦手意識を感じていたこの蝶屋敷の面々も、最近では気構える事なく話せているようだ。
玄弥くんの方も、最初の頃の緊張感がだいぶ薄れてきているようだし、怪我の治療を受け関わるうちに慣れてきたのだろう。
それはとても良い傾向だと思うのだけど……逆に私には以前と比べて素っ気なくなったような……最近はそう感じるようになった。
気のせいだと言われれば、その通りかもしれないんだけど。
私、玄弥くんに何か嫌な事でもしたのかな?
思い当たる節は全くないのだが、私の自覚ない所で玄弥くんを傷つけている可能性もある。
今度、それとなく聞いてみようかな……このままじゃ寂しいままだし。
玄弥くんは定期的にしのぶさんの健康診断を受けにやってくるのだが、確か今日がその日だ。
近頃の私が抱えるモヤモヤを解決するなら、今日がチャンスという事だ。
それに、玄弥くんの体に異常がないかどうかも気になる。
私は玄弥くんが健康診断を終えて診察室から出てくる頃を見計らって、近くで待ち構える。
私はストーカーかと、自分でツッコミつつ、この私のモヤモヤについてどう話をしようかと考えていた。
声をかけて、まずは玄弥くんの態度を確認してみよう。
素っ気なかったりギクシャクした態度なら、私が気になっている事について聞いてみたらいい。
うん、そうしよう。
考えがまとまったところで、丁度診察室から玄弥くんが出てきた。
あくまでも、通りすがりだというふうに装って、私は玄弥くんに声をかける。
「診察はもう終わったの?異常はありませんでした?」
「ああ、異常はないらしい……毎回しのぶさんには迷惑かけちまってる」
一見普通の態度だが、玄弥くんは私と目を合わせてくれない。
これでは私の気がかりは解消されないままだ。
「迷惑だなんて、そんな事ありません。心配はされてるでしょうけど」
私も玄弥くんの鬼喰いは心配なんだけど、必死な状況に追い込まれた上での行為なんだろうと思うと、やめて欲しいなんて踏み込んだ事は言えずにいる。
「玄弥くん、最近リラックスして治療受けられてるみたいだね。みんな玄弥くんの事、顔は怖いけど優しい人なんですねって言ってましたよ」
私はそれとなく話を逸らし、玄弥くんの反応を伺う。
「顔が怖いのはその通りだと思うけど、優しいとかそんなんじゃねぇよ」
やっぱり目線は微妙にずれてて、目を合わせてくれる事はない。
「玄弥くん、私と全然目合わせてくれないよね……私、玄弥くんが傷つくような事、無自覚のうちにしちゃってたかな……?」
もしそうだったらこの態度、嫌われてるって事だよね……そう思うと、玄弥くんがどんな返答をするのか想像して、緊張混じりの声になってしまった。
やっぱり俺の態度は名前さんに不信感を抱かせていたようだ。
名前さんには、俺に対して自分が何かやらかしたと思わせてしまったらしい。
俺が彼女に対してこんな態度になってしまう理由、それは言えないが、誤解を解くのに必死になっていた。
「そんなんじゃねぇんだ……あんたが俺を傷つけるような事をしたなんて、絶対にないからっ……それは信じてくれ!」
「……わかった」
名前さんはわかったとは言ってくれたが、どこか納得いかない顔をしている。
そんな顔させたくはないのだが、兄貴と名前さんがじゃれ合う現場を目撃してからというもの、俺は未だ自分の気持ちを整理できずにいる。
「……わかりましたけど、寂しかったから……ううん、何でもない。やっと目、合わせてくれたね」
彼女はいつもの笑顔に少し悲しさも混じったような、そんな顔をしていた。
「あ、ああ……」
ずっと目を合わせられないでいた俺だったが、恐らく俺がそうさせてしまった彼女の悲しそうな顔を見て、誤解を解きたい一心から気付けば正面から彼女を見つめていたのだった。
照れくささから目を逸らしてしまったが、また彼女に悲しい顔をさせたくない俺は、もう一度視線を彼女に戻す。
寂しかった、確かに彼女はそう言った。
彼女にとっては深い意味はないのかもしれないが、全く眼中にないわけではないのでは?と、期待してしまう自分と、兄貴は彼女をどう思っているのか……いろんな感情がないまぜになっていて、自分の気持ちに整理がついていない状況はあまり変わらない。
……冷静になって考えてみれば、俺は自分の想像の中だけで期待したり落ち込んだりしているだけなのだ。
……
「もう帰るんでしょ?外までお見送りします」
見送りなんていいと言い掛けたその言葉を何とか飲み込む。
「いやっ……そうだな……ありがとう……」
「ふふっ。ありがとね……行こっか」
外までのほんの数分間、たわいもない話をしながら並んで歩く。
横顔しか見えないが、彼女は最後まで笑顔でいてくれた。
玄弥くんの方も、最初の頃の緊張感がだいぶ薄れてきているようだし、怪我の治療を受け関わるうちに慣れてきたのだろう。
それはとても良い傾向だと思うのだけど……逆に私には以前と比べて素っ気なくなったような……最近はそう感じるようになった。
気のせいだと言われれば、その通りかもしれないんだけど。
私、玄弥くんに何か嫌な事でもしたのかな?
思い当たる節は全くないのだが、私の自覚ない所で玄弥くんを傷つけている可能性もある。
今度、それとなく聞いてみようかな……このままじゃ寂しいままだし。
玄弥くんは定期的にしのぶさんの健康診断を受けにやってくるのだが、確か今日がその日だ。
近頃の私が抱えるモヤモヤを解決するなら、今日がチャンスという事だ。
それに、玄弥くんの体に異常がないかどうかも気になる。
私は玄弥くんが健康診断を終えて診察室から出てくる頃を見計らって、近くで待ち構える。
私はストーカーかと、自分でツッコミつつ、この私のモヤモヤについてどう話をしようかと考えていた。
声をかけて、まずは玄弥くんの態度を確認してみよう。
素っ気なかったりギクシャクした態度なら、私が気になっている事について聞いてみたらいい。
うん、そうしよう。
考えがまとまったところで、丁度診察室から玄弥くんが出てきた。
あくまでも、通りすがりだというふうに装って、私は玄弥くんに声をかける。
「診察はもう終わったの?異常はありませんでした?」
「ああ、異常はないらしい……毎回しのぶさんには迷惑かけちまってる」
一見普通の態度だが、玄弥くんは私と目を合わせてくれない。
これでは私の気がかりは解消されないままだ。
「迷惑だなんて、そんな事ありません。心配はされてるでしょうけど」
私も玄弥くんの鬼喰いは心配なんだけど、必死な状況に追い込まれた上での行為なんだろうと思うと、やめて欲しいなんて踏み込んだ事は言えずにいる。
「玄弥くん、最近リラックスして治療受けられてるみたいだね。みんな玄弥くんの事、顔は怖いけど優しい人なんですねって言ってましたよ」
私はそれとなく話を逸らし、玄弥くんの反応を伺う。
「顔が怖いのはその通りだと思うけど、優しいとかそんなんじゃねぇよ」
やっぱり目線は微妙にずれてて、目を合わせてくれる事はない。
「玄弥くん、私と全然目合わせてくれないよね……私、玄弥くんが傷つくような事、無自覚のうちにしちゃってたかな……?」
もしそうだったらこの態度、嫌われてるって事だよね……そう思うと、玄弥くんがどんな返答をするのか想像して、緊張混じりの声になってしまった。
やっぱり俺の態度は名前さんに不信感を抱かせていたようだ。
名前さんには、俺に対して自分が何かやらかしたと思わせてしまったらしい。
俺が彼女に対してこんな態度になってしまう理由、それは言えないが、誤解を解くのに必死になっていた。
「そんなんじゃねぇんだ……あんたが俺を傷つけるような事をしたなんて、絶対にないからっ……それは信じてくれ!」
「……わかった」
名前さんはわかったとは言ってくれたが、どこか納得いかない顔をしている。
そんな顔させたくはないのだが、兄貴と名前さんがじゃれ合う現場を目撃してからというもの、俺は未だ自分の気持ちを整理できずにいる。
「……わかりましたけど、寂しかったから……ううん、何でもない。やっと目、合わせてくれたね」
彼女はいつもの笑顔に少し悲しさも混じったような、そんな顔をしていた。
「あ、ああ……」
ずっと目を合わせられないでいた俺だったが、恐らく俺がそうさせてしまった彼女の悲しそうな顔を見て、誤解を解きたい一心から気付けば正面から彼女を見つめていたのだった。
照れくささから目を逸らしてしまったが、また彼女に悲しい顔をさせたくない俺は、もう一度視線を彼女に戻す。
寂しかった、確かに彼女はそう言った。
彼女にとっては深い意味はないのかもしれないが、全く眼中にないわけではないのでは?と、期待してしまう自分と、兄貴は彼女をどう思っているのか……いろんな感情がないまぜになっていて、自分の気持ちに整理がついていない状況はあまり変わらない。
……冷静になって考えてみれば、俺は自分の想像の中だけで期待したり落ち込んだりしているだけなのだ。
……
「もう帰るんでしょ?外までお見送りします」
見送りなんていいと言い掛けたその言葉を何とか飲み込む。
「いやっ……そうだな……ありがとう……」
「ふふっ。ありがとね……行こっか」
外までのほんの数分間、たわいもない話をしながら並んで歩く。
横顔しか見えないが、彼女は最後まで笑顔でいてくれた。