恋已 ~こいやみ~ 「真白き翼の裁き」外典

皆様、お付き合い頂きましてありがとうございます。
この作品は、当初「白き翼~」本編の中のエンディングの一つとして考えていた物でございました。
「闇爾バッドエンド」と名付けていたのですが、ミホ視点だと闇爾の病みっぷりが発揮できないのでは、と。おまけにヤンデレ要素は城戸紅騎が既に掻っ攫ってしまっている。そんな奴を二人も存在させて、ミホちゃんどんだけ逆ハーだよ、ざけんな、つかそんな怖い事あってたまるか……って事になりまして。
結局の所、色々あって (要は面倒臭くなって) 分割、今回のような「外典」という扱いになりました。
ちなみに当初のミホ視点だと、このエンディングに到ると真犯人は見つからない、暁は無罪、ミホちゃん死亡といういいトコなしのエンディングでございました。
え? こっちでもいいトコなしだって? それは言っちゃぁいけませんぜ。所詮辰巳クオリティだもの (逃げ口上)。
ただ、闇爾が壊れたのが少々唐突でしたかね。そこは反省。もう少しゆっくり、じわじわと壊すつもりだったんですが、紅騎のぶっ壊れ具合につられて、闇爾も早々にぶっ壊れました。
じわじわ、と言うのが苦手なようです。猛省。

タイトルの「恋已」ですが、「こいやみ」……「濃い闇」とか「恋病み」とか「来い止み」とか色んな漢字変換が出来ます。それは、闇爾の病み&闇だったり、最後の金色の独白が言う「終わりを願う」と言う意味だったり。
タイトルに使った字である「已」は、デジタル大辞泉によると、「1 やむ。やめる。2 すでに。3 ある時・所を起点としてそれより」と言う意味を持ちます。ざっくり言って、「止」、「既」、「以」の字を引き受けた、素敵漢字。
そういう、「色んな意味にとらえられる」事を好む傾向にある辰巳は、今回もこのような形のタイトルを付けさせて頂きました。

それから……アレだ。ファムのサバイブ。
オーディン倒したんだし、無限のカード貰っちゃって良くね? ってな安直な考えで変身させました。でないとナイト・サバイブに対しファムがノーマルで相手とか厳しすぎる (苦笑)。
勝手に作ったブランウィングの強化体は、「ブランガルディエーヌ」。ダークウィングの強化体が「ダークレイダー」……「闇の襲撃者」だったので、こちらは対応して「白い守護者」の名前を付けました。女性形の名前なのはご愛嬌。
ファムサバイブの持ちカードは、無限を貰ったと言う事で、オーディンとほぼ同じです。ただし、タイムベントだけ持っていません。
いや、ナイトサバイブと同じ内容だと、相殺相殺相殺……の繰り返しになりそうでしたので。それでなくとも相殺相殺してるのに (苦笑)。
ファイナルベントの表現がないのは……け、決して思い浮かばなかったからとか、そんなんじゃないんだからねっ! (泳ぐ目)

と言う訳で皆様方。ここまでお付き合い頂き、誠にありがとうございました。
ご意見、ご感想、ご指摘などございましたら、ぜひともスキコメントにてお寄せください。
「白き翼」の本編は、決してこんな結末にはならないようにしますからっ!


【裏話】
実はこの、一見すると夢オチにしか見えない作品ですが、本当は夢オチではありません。それに近い、「時間ループオチ」でございます。
これは、実際に起こった結末の一つなのです。
「裁判員を殺してはならない」と言うルールを作中ちらりと記しておりますが、今回は「闇爾がミホを殺した」という状況が発生しました。こうなると、裁判を運営する側が何を行うか。
……神崎史郎と同じ事をします。つまり、「時間の巻き戻し」。困った時のタイムベント。
「DCD 龍騎の世界」におけるタイムベントは、使用者をタイムスリップさせる効果じゃ? と思われるかと存じます。
で、それを解決させるためのこじつけ論理としまして。
「オーディンが持つ『タイムベント』と、裁判運営側が持つ『タイムベント』は、同名のカードだが効果が異なる」
と無理につけてみました。ライアとベルデの「コピーベント」みたいなものです。ライアは武器だけをコピーするけれど、ベルデは姿をコピーする、みたいな。
で、最後の最後に視点が「そのことを知っている人物」へ移ったがゆえに、文字色が隠す気のほとんどない薄灰色になっております。
昔は隠していたんですが、まあもう隠す必要もないかなと。
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