五色の戦士、仮面の守護

【あとがき】

……長かった。
そりゃあもう圧縮版にするのも長かった。
だが何が一番長くなったかって、この「あとがき」ですよ。長いと思ったならもう少し圧縮しなさいよとか思うんですが、語りたい事というか愚痴というか結局は没になった内容とか、そういった物を吐き出したかったので、ここではっちゃけようと思います。

【はじまり】
いきなりシンケン&響鬼が始まるのもおかしかろうという事で、文字通り「困った時の神頼み」としてのワンクッションがこの「はじまり」。何気にここで初めて姿を見せた「女帝」。しかもマジレンジャーより、辰巳が敬愛してやまないスフィンクス様の状態でご登場願いました。よもや後に「ゴーカイジャー」のジェットマン編にて「女神様」が出てくるなんて、露程も思ってなかったさ。
一方で、愛理さんに「皇帝」らしさを醸し出してもらおうとして、いつも通りののほほん姉さんになってしまったのはここだけの話。まあ、対比になって良かったのかな?
導入部分は常に短くしているのですが、果たしてこの「はじまり」の部分は必要だったのだろうかと、今は思います。って言うか何しに来やがったんだ、鳴滝さんよ。いや、お手伝いに来たって話なんですけれども。
ちなみに、この「はじまり」は予防線のつもりだったんですよねー、「組み合わせは十個だけ」っていう。

【シンケン&響鬼編】
執筆当時はシンケンジャーがリアルタイムで放映期間でした。で、色々妄想していた時にふと思った事。
……そう言えば外道衆には「鬼」がいないなーと。
そこからは連想ゲームというかドミノ倒しというか何というか。
「鬼がいない」→「かつてオルグがいたせいだろうか? 絡ませたら面白くね?」→「いや待て、鬼と言えばヒビキさんじゃないですか」→「よし、シンケンジャーと響鬼を絡ませよう」→「あれ、案外この二つって共通点多いじゃん?」
……連想の最後と最後から二番目が、普通は逆だろうとか思うんですが、そこはまあご愛嬌。
最初に気付いた共通点は、「ディスク」の存在。その後、折神もディスクアニマルも、どっちも実は式神だよね、とか和風つながりだよね、とか、互いに互いの力を見たらきっと驚くよね、とか……色々気付いた結果、「よし、書こう」という事になりました。
つまり、この「シンケン&響鬼」の存在がなければ、「五色」は存在しなかったと言う事ですよ、旦那。
ところがここでぶち当たったのが、劇場版なんかでよく見かけるオリジナルの敵の存在。その後の原典の流れに支障が出ない程度に絡ませ、そしてそれっぽいテイストを持った敵、かつ本編で出てきていない種類が望ましい。
で、出来たのが「魔化魍コダマ」によく似た外観を持つ「外道衆コエトリ」。人間の声を奪う事で、意思疎通が図れなくなるようにし、人々を悲しませる能力を持っています。作中ではそんな能力を生かせませんでしたが、裏ではその力で三途の川の水を少量ではありますが増していたようです。また、ヤマビコの童子と姫には、「声を奪う能力」は重宝されていたみたいですよ?

【ゴーオン&カブト】
「シンケン&響鬼」を執筆するにあたり、「よし、ならば過去に遡って十年分を!」とか無茶な事を考えた結果、いくらか悩んだ組み合わせの一つです。
出演者つながりという意味では「ゴーオン&555」の線が濃厚だったのですが。気が付けば「二人の兄貴」の演者つながりになってました。中の人同じなのに、対照的な「兄貴」と、スピードに絶対の自信がある赤い二人って感じで。
移管前の「明瞭」で、加賀美がハイパーゼクターを手に入れていたので、ハイパーガタックも登場させつつ。
今では黒歴史と化していますが、当初は巨大戦がなく、ゴッドスピードエンジンオーなんて影も形もなかったですし、この頃はまだ「星」連中も極悪人ポジションだったため、ムダニステラが怖い子になっていました。具体的には神代、影山を後ろからざっくりと刺した挙句、二人の亡骸を踏みにじるという、まさに外道。
……がっ! 時間が経過するにつれて、「星」連中がどんどんコミカルなキャラになり、悪人臭さが何者かにより抜かれてしまったようですので、こちらへの移管に伴い巨大戦を実施。
「原本」の「五色」からは、一番修正が多かったかもしれないのがこれですかね?
キカンシャバンキ→リニアバンキへの「脱皮」なんかも、結構無茶したなーとか思います。でも詰め込みたかったんだ、ワームの特性である脱皮を。いや、自分の作品で無茶していない作品なんて、何一つとしてないんですけどね。
そんなキカンシャバンキは、かなり早い段階で決まりました。脱皮 (蛮機獣の場合は進化?) したら、クロックアップ=高速移動が可能になる機械関係から連想されたのが、機関車→リニアモーターカーだったという。そのころのトレンドでもあったしね!

【ゲキ&555】
悩み悩んで結局555はこちらと組みました。
って言うかよく考えたらゴーオンに登場する、烈鷹のキャラとかいまいち分からなかったです。ゲストキャラなんぞ見ただけで掴めるかいな。
それならいっそ、「一回死んだ」→「復活」という共通点や、「狼男」、「獣の力を手にした存在」などを前面に押し出して、「ホラっ! 実はゲキと555って、こんなに似てるんだよ!」とゴリ押ししようとか考え……おや、誰か来たようだ。
本当はゴウにファイズギア着けさせて、ファイズに変身! とか考えていたんですが、尺とかその後の展開の都合上、諦めました。しかし、ここで諦めたが為にガオ&龍騎でガオホワイトが、一時的にとはいえ、ライダーに変身してしまうことになったのです。
「生者」では啓太郎は「パラダイス・ロストの世界」の彼=「戦車」が登場していましたが、今回は普通にただの人間としての啓太郎が登場しました。個人的に巨大戦の解説に巻き込みたかったってのもありますし、そもそも彼が巻き込まれた理由もちゃんとあるのですが……ちょっと今回は控えておきます。
巨大戦は、それまで「乗り込む」ばかりだったので、555に関してはブラスターモード発動、人間サイズで戦ってもらいました。なんて無謀な。下手すればぷちっと潰されてますよ。
後は、拳法つながりでダイレンとも関係している、なーんて設定を作りました。激気も臨気も幻気も、全ては「気力」を元にした力って解釈です。天狼の存在は、彼らとは根本的に違う、というのを見せたかったので、「妖力」を元にした「妖獣拳」というものを作りましたとも。コットポトロ用意しておけばよかったぜ。
どこかでも言いましたが、この話は元々、ゲキレンが本放映中に、電王とのコラボレーションとして考えていた話を元にしています。結果、リンリンシーであるゲワシハはこちらに流用。お蔵入りした作品よりも、出番が増える事となりました! やったねゲワシハ!

【ボウケン&クウガ】
「これ以外ねえよっ!」というお声が多かった組み合わせです。自分でもクウガはボウケンジャー以外とは組めないなぁと思いましたし、ボウケンジャーもクウガ以外とは組めないなぁと思っていたので、これといった問題も混乱もなく組み合わさりました。何気に人気も高かった記憶があります。
ですが、一番の問題は「自分がロクにクウガを見ていなかった」……というか、今もあまりきちんとは見られていない、掘り下げられる所まで視聴していないという部分です。よくそんなんで「明瞭」書いてるな、自分。
だがしかし、表面上だけはキャラを把握し、それでも感じてしまうであろう深層の部分での差異を少しでも誤魔化す補うために、偶数話ではクウガに登場する時間表記っぽい物を書いています。その表記すらも、実は間違っているんじゃないかって噂が…………。
グロンギ語に基本的に対訳を付けていないのも、よりクウガ「らしさ」を演出する為とかなんとか。ディケイドではご丁寧にも対訳ついてましたが、ここはあくまで「クウガ」なのでつけてません。それでもすぐに言語を理解できるガジャ様。流石です。翻訳間違っていたらご指摘お願い致します。
少しだけリ・イマジネーション要素として、舞台をユウスケクウガの舞台と同じ、「火灯山」という名前にしたのも、ちょっとした裏話。
ここではオリジナルの敵は基本、登場しません。強いて言うならダイボウケンと戦っていたダイジャリュウ程度ですが、あれだって所詮は巨大戦消化用の噛ませ犬にすぎな……おや、誰か来たようだ。

【マジ&剣】
キリリクに「掘り下げ版を!」という要望まで来た一編。未だキリリクが終了していないってどういう事だ。むしろキリリクの掘り下げ版の方が本編臭いのはどういう事だこん畜生め。
私は剣からライダー復帰した身である為、結構思い入れが深かったりします。
この組み合わせも結構あっさりと決まりました。というのも、剣の前期OPタイトルは「Round ZERO~BLADE BRAVE」、後期OPタイトルが「ELEMENTS」と、「勇気」と「エレメント」というマジレン二大要素が入っていたからです。後はまあ、アンデッドをすんなり受け入れられそうな戦隊が、マジだったっていうのもあります。
しかし実際に書いてみると……推して知るべし。何なんでしょうかね、あの中身の薄さは。だからこそ、掘り下げ版は時間がかかっているって話もあるんですが。
こちらが通常放映版だとすれば、掘り下げ版はディレクターズカット版ですかね。
それまでの巨大戦が、往々にしてライダーがロボに乗り込む、所謂「スーパーヒーロー大戦」タイプだったので、ここではライダーに巨大化してもらいました。ブレイドなら、なんでもアリだ!
後から気付いた共通点と言えば、
・「家族」の話が根底にある事が多い (ただし方向性は真逆かも)
・マジレンも剣も、強大な力を手に入れる代償として、人間でなくなる可能性があった
ってのもあります。勿論、そんな理由は後付けですがね!
ちなみにこちらに登場した冥獣ゴーストは、その場のノリで決めました。血の涙流しながら襲ってくるとか、それなんて「SIREN」? 当時は「SIREN」というゲームを知らなかったとはいえ、完全にイメージは半屍人です。…………ニチアサで子供が見たら泣くぞ。

【デカ&キバ】
ぶっちゃけて言えば。余り物の組み合わせで、どうにかこじつけられそうなモノって事で生まれました。
デカレンは凄く好きなのですが、ライダーを組み合わせるとなると、どれを組み合わせても微妙なんだよなー、と思った事が大きいです。
で、結局こじつけたのは「異星人」と「異形」で「エイリアン」として扱っちまえという事でキバ。
そして裏で暗躍する「星」共が用いているツールが、ここでようやく「ガイアメモリ」であると明言したのもこの一編でした。というのも、この「デカ&キバ」で折り返しだったからです。まあ、その前までの話で既にバレバレなんですけどね。
そしてこの話を境に、「星」連中が妙にコミカルになった気がします。本当はこの話を執筆している最中くらいまでは、「星」がラスボス的な地位に立っていたんですが。
また、これを執筆していた最中は、某ゲームにドハマりしていました。そのせいでイーガロイドとキバットの台詞が、「らしくない」感じになってしまっているのは否めません。しょうがない、書き手は「中の人つながり」が大好きな声優スキーなんだから。タツロットの「一人インドで~」の下りは、「ゴーオンVSゲキ」でのバエの台詞を意識しました。ここでも中の人つながりですね。
インキュバスは……考えるのが面倒くさかったので、サキュバス姉さんの対みたいな感じで名前を付けました。どちらも夢魔から来た名前ですね。ちなみにこの後、「デカVSアバレ」に続くイメージです。サウナギンナンの情報も、実はエステルが売ったとかいう自分大好き設定が痛い。

【アバレ&アギト】
余り物の組み合わせパート2。ぶっちゃけ、最初は「竜」という共通項しかありませんでした。
というか、今でもつながりは薄いです。あとはせいぜい、「クウガリスペクト同士」って事くらいで。
それでも何とか共通点を見つけようと努力した結果……ご覧の通り惨敗です。アギトも、クウガに負けず劣らず資料&理解不足な面がある為、余計に微妙な感じになってしまいました。
氷川さんの存在は、最後の最後まで登場させるかどうしようか悩んだ挙句、結局出しました。ってか、らんるちゃん、あなたG3-Xのスーツを購入してどうする気だったのよ。
ちなみに、氷川さんの活躍シーンは「古巣」時代より増えています。拳銃ぶっ放してますね。
アバレを最初に見た時、敵の名前が「トリノイド」だったのに、「鳥ちゃうやん」と思ったので、今回トリノイドの説明に「Tri」である事を蛇足的に突っ込みました。いらん解説で字数を稼ごうというセコイ真似です。
トリノイドは遊びました。そりゃあもうすごい勢いで。某連邦の白い悪魔の人みたいなことを言っている訳ですが。今回の修正では、メモリ使用前後で、ファースト→リボーンズのパロへ変化したなっしー!
なんでもトリノイドは「植物+動物+なにか」らしいので、口だけエトワールに対し、名前的に「クチナシ」、そこからつながる動物をと考えた結果、「クチナシマウマ」は決まっていた物の。……どこから来たんだろう、「シンク」。未だにこれは謎です。まあ毎度の事ですが。
そして圧縮に際して追加したギガノイド。一応「序曲」という名前がありました。「ウィリアム・テル序曲」がイメージ曲。だがその名前は公にならず、結局は「馬」としか呼ばれない「序曲」の不憫さよ。

【ハリケン&DCD】
お祖母ちゃんは言っていた。「この組み合わせは納得できない」と。
この組み合わせを「?」と思われた方が多かったようですし、実際そう言ったコメントも頂いたのです。……が、辰巳的ロジックでは「ディケイドはハリケンとしか絡ませられない! それ以外? ありえないね!」とせせら笑っておりました。
何故なら舞台は「シンケンジャーの世界」と同じ世界だからです。ハリケンの世界が、「時間軸の異なるシンケンの世界」である事を考えると、士のコスプレは黒衣くろごで固定。同じ世界だからね。そりゃあ同じ衣装、役割じゃなきゃおかしいでしょう?
ならば、黒衣が出てもおかしくない戦隊、かつnotシンケンとなると……ハリケンしかいなかった訳です。黒子ロボ万歳! 困った時の黒子ちゃん! でも本編での出番がなくてごめんね!
……ちなみに、作中では士の衣装やロボは、原典にならって「黒子」と表記していますが、正式な名称は「黒衣」らしいです。
初出の頃はサンダールさんの某赤い彗星さんのパロディ台詞がてんこ盛りで楽しかったです。まあ、今の時点でも充分多い……どころか少し足しましたけど。だって、シマウマがあんなに白い悪魔化していたのに、サンダールさんが赤い彗星化しないなんてアリエナイ。
もう一つ楽しかったのは、シュリケン海東ですかね。アレはなかなか楽しめました。書いていた身でアレですが、ぜひ映像で見てみたいです。そしてもう少し遊ばせたかったよ、シュリケン海東。ユウスケ辺りに「ぽっかーん」としてもらいたかったよ。
オリジナル敵、である扇忍獣、「暴扇獣、ブドーギ」。本家ゾル大佐の正体が狼男……というか、「黄金狼男」でしたので、狼系の外見をもたせることは即座に決定。名前には悩みましたが、「武道」+「扇」で「ブドーギ」。しかもその名前が、意外な事に公式に存在していなかったのが幸いしました。やったね!

【ガオ&龍騎】
「動物と契約」という、ただ一点のみでくっつけた組み合わせです。
クロスシリーズの二番目、「紅蓮」において、英雄坊やこと東條悟がデッキをゴミ箱ポイしたので、それを拾った「どこかの誰かさん」が、処分がてら冴ちゃんに変身してもらったようです。冴ちゃんの苗字も「大河」だし、ちょうど良いかな? とか思ったのは今更な話。まあ、あくまで「スペシャルやしな」を言い訳に、戦隊ヒーローに、ライダーへ変身してもらいたかっただけなんですが。
……よもや後に、ゴーカイ共がオーズの各コンボに変身するとは思わなんだ orz
とは言え、龍騎自体は「デッキがある限りは戦い続けなければならない運命」にあるので、早々に冴ちゃんにはガオホワイトに戻って頂きました。使いこなせていなかったとはいえ、ああもあっさりとデッキを破壊するとは、流石腐ってもデュークオルグのツエツエ。やりおるな。
また、ガオイエローとの戦いの最中、ヤバイバには「卑怯もラッキョウも大好物だぜ!」ってな台詞を言ってもらおうかなーとか思ったんですが……「あ、違う。卑怯も云々はDCD版のシザーズだから却下」ってな事で没になったなんて話もあります。
これを執筆していた当初は、どうしようもないスランプに陥っており、結果「何だかよく分からないうちに終わっていた」というご意見を頂いてしまうほどの「不人気さ」を獲得してしまった組み合わせです。でも修正はほとんどしない。
巨大戦は、巨大ユナイトベントです。ガオにおける巨大ロボ合体完了時の、「○○、ガオ××!」と必殺技の「四文字熟語! 技名!」のお決まりを考えるのに苦労しました、特に熟語部分。で、結局は「降誕」、「虚実一体」になりました。
ちなみに、「鬼宿の話し方がウザすぎて嫌いです」と言われたのは、ご愛嬌。個人的には好きなんですけどね、打ち込むの面倒だけど。
サンメンキョウオルグは、単純に「龍騎には鏡! 鏡と言えば開閉自由な化粧台的な三面鏡!」という単純な連想ゲームです。

【タイム&電王】
時間つながりです。ついでに脚本が小林靖子さんであるとかいうつながりもありますが、それはともかく。
電王が絡むとギャグにしかならないというあの不思議現象は一体何なんでしょうかねぇ。ま、タイムだからいいか。
直人に憑かせるイマジンを、ジークにしようかデネブにしようか、最後まで悩みました。一方でテディ in タックは悩みもせずに即決。この差は一体何なんだろう。結局、ジークが女性に憑いて、羽根をまき散らすシーンを想像できなかったため、直人にはジーク、ユウリにはオカン……もとい、デネブが憑依という形で落ち着きました。って言うか個人的に、俺様な印象の強い直人に、別の意味で俺様なジークを宛ててみたくなっただけって話です。
「イマジンは過去へ飛ぶ」→「だけどロンダーズは未来人」→「ならばロンダーズの記憶を辿って飛ぶ先は、『今』から見て未来」という矛盾を作りたかったので、リバウンドはナシ。その埋め合わせにギガンデス戦と、タイムフライヤーによる援護射撃を入れました。タイムフライヤーの援護射撃は、タイム本編でも、緊急システム発動依頼が却下された際に使っていた手段ですので、まあそんなに珍しくもないかなぁと。だが何故デンライナーに格納されていたんだ。
イマジンはその場のノリで決めました。「アリス」は既に「明瞭」、「英雄」の方で使っていたので、それ以外の物語……で、何故かよく分かりませんが、かちかち山の狸になりました。何故それが出たのやら。
結果、カチカチつながりで某お笑い芸人さんの持ちネタを使い、圧縮冷凍を相殺する程の炎を出せるようになっていたりと、びっくりな能力をGetしていました。こいつに関しては、勝手に動いてくれたので楽でしたねー。もう少し泥船エンド的なくだりも作りたかったですが、致し方ない。
一方でヘルユーロさん。「ロンダーズって基本、通貨の単位が名前に入ってるんだよね」→「ドルもマルクもリラもフランももう出てるし、当時はなかったユーロにでもすっか」→「じゃあ、ヘルズケート囚っぽく頭に『Hell』でもつけてみようか」という過程を経て、ヘルユーロ・リーマンになりました。ラクーンドックがアレな感じになったので、ヘルユーロさんも残忍な性質にしてやろう……と思ったら、カワハギの外道になりました。流石ヘルズゲートの囚人だゼ! ちなみに、書いている当時はリーマンショックがどうこう言われている時期だったなあ、と思う西暦2017年。

【W&ゴーゴー】
何故か急遽追加されてしまった「十一番目の組み合わせ」。流石にこれ以上は増やせないしもう無理! という事で、この後に「オーズとギンガを~」とか、「フォーゼとメガの組み合わせ」とか言われましたが、無理なものは無理なんだよと言って切り捨てました。ダイからギンガマンまでの間、特撮離れしてたもので。
急ごしらえなせいか、やっつけ感が漂いまくり。共通項は「V」の字 (Wは「V」を二つ並べた感じで、「X」は「V」を上下に並べた形。「A」はもちろん「V」をひっくり返した形)。
涙目になりながら共通項とストーリーを考えていたのも、今は良い思い出です。もうちょっとダイモンと照井さんを絡ませられればと後悔しきり。
外堀を埋められての一編ではあったものの、自分でも外堀を埋めるために「灰ガラス」と微妙にコラボ。少しだけ弓と硝子と霧雨が登場しています。逆に「灰ガラス」でも、マトイ達がワンシーンだけ登場しています。というか、弓達側の視点って感じですね。
「灰ガラス」とのコラボの為の火災なので、翔太郎とマトイ達が最初に出逢った折の現場は、ラヴァーノの作る簡易グランドクロスとは関係ありません。いや、なくはないんですが (あの家も簡易グランドクロスを形成するのに必要だった)、実際に火災を起こしたのはラヴァーノではなく聖守 (というか霧雨の親) だったという。吾妻宅のみ燃え方が異なるのは、燃やした人が違うからです。連続放火の中に、一件だけ全く無関係の事件が紛れていたパターンですね。
ラヴァーノは、マグマゴレムやマグマドーパントのような熔岩系の怪人で、でも「マグマ」だと被りすぎなので「熔岩」を意味する英語の「lava」と「火山」を意味する「volcano」を足し合わせた名前です。映画「ボルケーノ」を見た時の印象が強かったので、名前に加えました。熔岩で傷を埋めるという特殊能力は、なんか気が付いたら発揮してました。……いつの間にそんな能力を習得していたの、ラヴァーノさん。

【終焉】
色々と収拾つかなくなって面倒臭くなった……もとい、執筆開始時の設定からかなり離れてしまった事もあり、クロスシリーズにおけるラスボス、いわば全ての元凶を「世界」に完全統一。「世界」って事はつまり、外見はダスマター大佐って事ですね。まさに自分の趣味丸出しです、ありがとうございます。大佐の衣装は中二心をくすぐると思うの。
とは言え、最初はその「全ての元凶」というポジション、いなかったんですよね。「星」連中は「五色」の元凶ではありましたが、それすらもなくなったという。……死亡フラグが回避されたと思えばいいのかな。彼らの意外な人気に嫉妬。何でこうなったのか、正直今でも「星」連中にそれなりの人気がある理由がわかりません。やっぱりエステルが皆様に袖の下でも渡して根回ししているんでしょうか?
一方で不人気度合を一手に引き受けたのは、「世界」でした。「五色」の中では断トツで苦手意識を持たれています。「灰ガラス」に登場する聖守、歌宿、レオ辺りと、不人気具合でタメ張れるんじゃなかろうか。いや、そうでないと困るんだが。一緒にいる「彼女」に関しては、最初から「世界」に付き従っていると決めていたキャラクターでもあったので、言及は避けておきます。
が、既にどこかしらに登場しているキャラクターである事だけは言っておきましょう。
……「辰巳のオリジナル」で、「女性」で、「既に登場済」とか、結構候補絞られるんですがそれは。

【星連中について】
【終焉】のパートでも書きましたが、当初は本当に、この「五色」における黒幕ポジションでした。
私が持つタロットカードの解釈本では、「星」のカードには往々にして「星が七つ描かれている」とあったので、この「星」連中に関しては最初から「七人」という設定ではありました。書き分け出来るかどうか不安だったので、個々の口調で特徴は付けましたが……鬼宿がなんであんな話し方になったのか、未だに謎です。ウザいとか言われるのも分かります。自分のあの時の精神状態が分からないよ orz
なお、シュタこと「星の零」シュテルンは、執筆当初は設定にいませんでした。が、「北斗七星の双子星」の存在を思い出し、双子星のある六番目に相当する「星の陸」ズヴェズダの影にひっそりと隠れた人格として再設定。どこの名もなきファラオですか。いやむしろ盗賊王で(以下略)
更に、いつの間にか「本来の『星』の人格」という設定になってしまいました。世の中何が起きるか分からないね。真のセンターはシュタだってよ。
拍手ページには、一時期「ステラ人形」なる物まで登場して…………辰巳の暴走が止まらない。
「古巣」で掲載していた頃は、完全に黒幕にするつもりであとがきを書いてました。それがいつの間にかただの守銭奴一家ですよ。現在では古参である玄金達「ページ」を差し置いて、「灰ガラス」メンバーに次いだ人気者です。最近では「灰ガラス」メンバーすらも追い抜きそうな勢いですが。
おかしいな、だってあいつら、「カミサマ」だぞ? 侵略者ってこと、忘れてない?

【全体について】
基本的に、クロスシリーズは「○○の××、△△の□□」という形のタイトルを取っております。
普段は難産なんですが、今回の「五色の戦士、仮面の守護」は結構簡単に決まりました。ちなみに仮タイトルは、「女帝の世界」である事にちなんで女帝のカードナンバーである「III」。辰巳のPCの中には、その仮タイトルで保管されております。これこそまさに裏話。
執筆当初は、「スーパーヒーロー大戦」なんて欠片も存在していなかったのですよ。
元々、「戦隊VSシリーズみたいな感じで、戦隊とライダーの共闘が見てえ! 出来れば本編時間軸の中での出来事として!」という欲望が有りました。
ポシャりましたが、最初は「ゲキレンジャーVS電王」という案でした。放映年同じなので、本来の「本編時間軸中」もできますし、色がゲキ、電王共に大体同じ (ゲキ・電王→赤、青、黄、紫、白 リン・ゼロノス→黒、緑) ってのもありましたし。ただ、完成はしませんでした。諸々の事情……主に時間が経ちすぎたとか、本編時間軸中にしてもいつ頃なのかとか、やる気その物がなくなったとか、そういう問題が発生してしまったので。
で、時は経ち。「シンケン&響鬼編」でも申し上げた通り、「よし、やろう」と思い立った訳です。あとはノリと勢いだけで突っ走りました。その為、組み合わせによってかなりのムラがあります。
…………途中で何度も息切れを起こし、結局完成までに数年の時間を必要とした訳ですが。
それでも、個人的にはどの組み合わせも好きですよ! 難産だった「アバレ&アギト」、「ガオ&龍騎」あたりも、今は良い思い出です。圧縮時にも難産だったけどなっ!
ところどころで巨大戦のネタが尽き、「もういっそ巨大戦なしでイイよね!?」と自分に言い訳しつつも、結局は「W&ゴーゴー」を除く十の組み合わせで巨大戦を敢行。よもやユグドラシルタワーの近くで巨大インベスとトッキュウジャーが戦うとは以下略。

というわけで、無事「五色」は完結となります。
ここまでお付き合いいただき、まことにありがとうございました。
2024年8月30日 辰巳結愛


終焉、そして元凶
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