二話 穢れの大地
















頂上には両手に骨を抱え、一心不乱にそれを喰らう「鬼」がいる。それは何も言わずに天を見上げ、ただただ喰べ続けている。



呆気にとられ、景も心陽も何も言えずに立ち尽くしていた。




(このままでは私達もあの死骸と同じように…何かせねば、)






「っぐ?!」


心陽は突如として金縛りのように身動きが取れなくなってしまったのだ。


「因幡!!おい、しっかりしろッ!!」























「これはこれは………………。挨拶も何もせず食事中に乱入するのは些か無礼が過ぎるのでは?」















「く、………ッケイ、鬼を………」





──風の呼吸 弐ノ型




景は一瞬のうちに間合いを詰めたように思われた。


「ぐぁあああぁぁぁああああああッッ!!!!」


しかし、鬼は景の首元を掴み死骸の山へと投げ捨てる。







鬼の姿はよく見えないが、黒髪長髪で、上裸の男だ。心陽は今まで見てきた鬼の中で一番強い風格を感じた。白目が黒く淀んでいる。




「用があるのは貴様では無い。」



鬼が心陽の目の前に立つと、金縛りが一瞬にして消えた。



「はぁ………っお前、一体何がしたいんだ………!!」


鬼は口元に弧を描く。だが、瞳の奥はどこまでも冷たく、凍てついている。






















「拙と遊びましょう。」























「……は。」

「拙がとおを数える間に、百まで見つからぬように隠れてください。見つからなければ、頸を落とすなりなんなりして構いません。……ですが、拙が見つければ——嬲って差し上げましょう。」

「何を言って………」

ぃ──────────」


心陽は走り出した。常に全集中の呼吸を使っているので体力面や速度はなんとか補える。今は走り続けるしかない。








絶対に見つからない場所まで。









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