夜をかける
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ハルはヨナ一行を座敷に上げた。といっても全員がやっと入る程度の広さだ。
『どーぞ。丁度お茶を作ってたところなんで。お姫様のお口に合うかはわかりませんが』
ハルは皮肉を交えながら木彫りのカップに全員分のお茶を注いだ。
ハクがすぐにお茶を手に取り飲む。
「…、ふーん。飲んだことない味だがうまいな」
『素直に言えば?毒見しましたって。あんたがお姫様の直属の家来ってとこ?』
ハルは目を細めながらハクを見た。そう言うハルをハクもにらみ返す。
「まあ、まあ!ごめんね、こっちから押しかけといて失礼だったよね!ほら、ハクも誤って」
せっかく中に入れてもらえたのに、もめ事を起こして暗い中山に出されるのはたまらない、と感じたユンが間に割って入りハルをなだめた。ユンの勢いにつられ、ハクも小さく謝る。
お茶を飲むとヨナが改めてハルに向き直りこれまでの旅の経緯について話した。
ー------------
『ふーん、それで?私にも城を追い出し、父を殺したスウォンを倒す手伝いをしてほしいと?』
「・・・違うわ。私はそこまでまだ考えていない。今はまだ、父が愛していたこの国の実際を見てみたいの。そして、私にできることがあるなら助けが必要な人々の手助けをしたい・・・」
ヨナの力強い眼差しと、それに惹かれる周りの男たちに目を向ける。
ハルは少し考えるように目を伏せると再びヨナに向き直った。
『あなたが言いたいことは分かった。一国の姫としてそれを成し遂げるのは素晴らしいことだと思う。それに周りの者たちの様子からあなたにはそれを成し遂げる意思も強いのでしょう。すごく慕われているのがわかる。・・私は、この山奥で一人で暮らし、他の人間と接することも、ましてや他の世界に踏み入れることにも縁がないと思っていた。あなたと共に行けば私も、広い世界を知ることができるのでしょうね』
「・・・!じゃあ、」『でも』
『残念ながら私にはそこにいる四龍のようにあなたを守れる力はない。黄龍になんと説明されてここまで来たのかはわからないが、私がともに行くことであなたに何の利益もでないですよ。』
ハルは小さく微笑んだ。
そして何か言いたげなヨナの言葉を遮るように言った。
『今晩はここでお休みください。私はあなたと共に行くことはできません。明日にはお引き取りを』
ー------------
「なかなか帰ってこないので何をしているのかと思ったら、優雅にお茶とは」
振り向くとそこには緑龍ジェハの姿があった。
ハルは簡単な食事をヨナたちにふるまい、食器を洗うといって外に出ていたのだった。
『・・・いいでしょ。やっとゆっくりできたんだからお茶くらい飲んでも』
「今夜は満月だしね」
『あんたは緑龍・・・?』
「そうだよ。美しき龍さ。でも、君には負けるね」
『ふーん、どうも。で、あんたも説得しに来たの?言っとくけど私、ほんとになにもできないからね』
「うーん、僕はちょっと違う話。・・・君、四龍のことは昔から言い伝えられているといってたね。じゃあ、緑龍と黒龍の縁についても何か知らないかい?」
ジェハが問うとハルは少し驚いたような表情を見せた。
『なんでそんなこと聞くの?てゆうか、黄龍に聞けば?あっちの方が詳しいでしょ』
「それが教えてくれないんだよね。君の様子から見て何か知っている風だ。」
『・・・』
「僕はね、君を一目見たときからどうにも胸がざわつくんだよ。君が美しい女性だからかと思っけれど、これはどうにも僕の中の龍が原因ぽいんだよね。」
『お前そんな恥ずかしいことよくそんなすらすら出てくるな』
「正直なだけさ。で、教えてくれるかな」
ジェハがハルの顔を覗き込む。月明かりにハルの表情が照らされ、少し頬が赤くなっていることに気づいた。
「え・・・」
『っ、何でもない!知らない!』
そういうとハルは残りのお茶を飲み干してさっさと中に入ってしまった。
「え~・・・」
残されたジェハはただ困惑するだけであった。
『どーぞ。丁度お茶を作ってたところなんで。お姫様のお口に合うかはわかりませんが』
ハルは皮肉を交えながら木彫りのカップに全員分のお茶を注いだ。
ハクがすぐにお茶を手に取り飲む。
「…、ふーん。飲んだことない味だがうまいな」
『素直に言えば?毒見しましたって。あんたがお姫様の直属の家来ってとこ?』
ハルは目を細めながらハクを見た。そう言うハルをハクもにらみ返す。
「まあ、まあ!ごめんね、こっちから押しかけといて失礼だったよね!ほら、ハクも誤って」
せっかく中に入れてもらえたのに、もめ事を起こして暗い中山に出されるのはたまらない、と感じたユンが間に割って入りハルをなだめた。ユンの勢いにつられ、ハクも小さく謝る。
お茶を飲むとヨナが改めてハルに向き直りこれまでの旅の経緯について話した。
ー------------
『ふーん、それで?私にも城を追い出し、父を殺したスウォンを倒す手伝いをしてほしいと?』
「・・・違うわ。私はそこまでまだ考えていない。今はまだ、父が愛していたこの国の実際を見てみたいの。そして、私にできることがあるなら助けが必要な人々の手助けをしたい・・・」
ヨナの力強い眼差しと、それに惹かれる周りの男たちに目を向ける。
ハルは少し考えるように目を伏せると再びヨナに向き直った。
『あなたが言いたいことは分かった。一国の姫としてそれを成し遂げるのは素晴らしいことだと思う。それに周りの者たちの様子からあなたにはそれを成し遂げる意思も強いのでしょう。すごく慕われているのがわかる。・・私は、この山奥で一人で暮らし、他の人間と接することも、ましてや他の世界に踏み入れることにも縁がないと思っていた。あなたと共に行けば私も、広い世界を知ることができるのでしょうね』
「・・・!じゃあ、」『でも』
『残念ながら私にはそこにいる四龍のようにあなたを守れる力はない。黄龍になんと説明されてここまで来たのかはわからないが、私がともに行くことであなたに何の利益もでないですよ。』
ハルは小さく微笑んだ。
そして何か言いたげなヨナの言葉を遮るように言った。
『今晩はここでお休みください。私はあなたと共に行くことはできません。明日にはお引き取りを』
ー------------
「なかなか帰ってこないので何をしているのかと思ったら、優雅にお茶とは」
振り向くとそこには緑龍ジェハの姿があった。
ハルは簡単な食事をヨナたちにふるまい、食器を洗うといって外に出ていたのだった。
『・・・いいでしょ。やっとゆっくりできたんだからお茶くらい飲んでも』
「今夜は満月だしね」
『あんたは緑龍・・・?』
「そうだよ。美しき龍さ。でも、君には負けるね」
『ふーん、どうも。で、あんたも説得しに来たの?言っとくけど私、ほんとになにもできないからね』
「うーん、僕はちょっと違う話。・・・君、四龍のことは昔から言い伝えられているといってたね。じゃあ、緑龍と黒龍の縁についても何か知らないかい?」
ジェハが問うとハルは少し驚いたような表情を見せた。
『なんでそんなこと聞くの?てゆうか、黄龍に聞けば?あっちの方が詳しいでしょ』
「それが教えてくれないんだよね。君の様子から見て何か知っている風だ。」
『・・・』
「僕はね、君を一目見たときからどうにも胸がざわつくんだよ。君が美しい女性だからかと思っけれど、これはどうにも僕の中の龍が原因ぽいんだよね。」
『お前そんな恥ずかしいことよくそんなすらすら出てくるな』
「正直なだけさ。で、教えてくれるかな」
ジェハがハルの顔を覗き込む。月明かりにハルの表情が照らされ、少し頬が赤くなっていることに気づいた。
「え・・・」
『っ、何でもない!知らない!』
そういうとハルは残りのお茶を飲み干してさっさと中に入ってしまった。
「え~・・・」
残されたジェハはただ困惑するだけであった。
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