第1章
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ハルの表情は固まっていた。
大勢の男たちの間をすり抜け、リングに近づいてくる男は今ハルが最も会いたくない人物であったからだ。
「蹴り技が十八番と聞くサンジ!こちらの従業員も同じく蹴り技が十八番!どちらが上かーーー!?」
エコーのかかった声が響き渡る。
サンジはポケットから新しいタバコを取り出し1本加えると火をつけた。そしてゆっくりと口から煙を吐き出すと、リングの上に飛び乗った。
「まさか、こんなところで会うとはな」
サンジがハルを見つめながら眉を顰める。
ハルはキャスケット帽をより深くかぶった。
「お前には聞きたいことがくそほどあるんだ。・・・だが、まずは
うちの食費を稼ぐのが先だ。話はそれからでもいいだろ」
もう一度深く煙を吐くと、アナウンスの男が叫んだ。
「ではー!本日第2試合目!麦わらの一味サンジVS従業員ハルー!レディーッ、ファイッ!!」
開始の合図のゴングなり、全員がリングに目を向けた。
サンジは早く勝負をつけるため、ゴングが鳴ると同時にハルのもとまで間合いを詰め、左足をハルの頭頂から振り下ろさんとした。
全員がサンジの速さに目を奪われた。
しかし、その足は振り下ろされることは無かった。
『リタイアッ!!』
ハルがそう叫び、右手を挙げたからだ。
寸前のところでサンジは足を止め、眉間にしわを寄せた。
会場全体がどよめく。
「今までリタイアなんかでたことなんじゃないか?」
「どうしたチビー!怖気づくんじゃねえ!怖えなら出てくんな!」
「リンチ状態でも楽しませてみろー!」
どうやらハルが怖気づいてリタイアを申し出たと周囲は考えているらしい。
「おい、どういうつもりだ」
サンジはハルをにらみつけた。
ハルはなにも答えず、アナウンスの男の方を向いた。
男は慌てた様子でハルに詰め寄ってきた。
「なにやってんだハル!戦えないほどどこか悪いのか!?」
ハルはだまって首を振った。
『こっちが負けたり、リタイヤしたら3000万ベリーでしょ。持ってきて。』
「そんなことしたら・・・!」
『いいから。どうにかするから』
ハルと男の会話にサンジはさらに眉間のしわを深くした。
「おい、どういうことだ。鼻から俺とやり合う気はねえってか?これをしなきゃお前はどうなるんだ?だいたいこの島の連中は何かおかしい。お前の特徴を聞いたところで慌てた様子で知らないの一点張り。なにかやべえことに首突っ込んでんじゃねえのか!ハル!」
サンジがハルの腕をつかみ、ハルに問いただした。
ハルはその腕を振り払うとサンジをにらみつけた。
『あんたに関係ない。お金が欲しいんでしょ。それ持ってさっさとこの島から出ていって。』
「まったく話がかみ合ってねえだろ。まず、俺の質問に答えろ。お前はこの島で何やってる。」
『それにこたえる義理はない。サンジには関係ない。』
「答えになってねえだろ!」
『これ以上さわぐなら!海軍よぶから!知ってるでしょ。島の近くに海軍の要塞がある。』
リング上で何やら騒ぎになっているのを感じ、ナミやウソップたちが近づいてきた。
「海軍!?サンジ君!今はいったん退いて。海軍なんか呼ばれたらたまったもんじゃないわ」
すると周囲の海賊たちも騒ぎ出した。
「海軍を呼ぶだと!?」
「逃げろ!!」
あっという間に店にひしめき合っていた海賊たちは消え、残されたのは麦わらの一味と数人の地元住民のみとなってしまっていた。
「おい~!俺たちも早くいこう!海軍呼ばれちまうぞ!」
「おれ、まだ死にたくねえー!」
ウソップ、チョッパーはハルを睨むサンジの裾を引っ張った。
「そうよ、サンジ君!お金もないんだし争いごとは避けたいわ!」
ナミもサンジを店から連れ出そうと説得する。
すると店の奥から一人の老人が歩いてきた。
「ハル、3000万ベリーだ。これでいいんだね?」
老人は両手に抱えた布袋をハルに差し出した。
ハルは申し訳なさそうに眉を下げ、それを受け取った。
『ごめんね、ダントさん』
ハルは小さな声でそうつぶやくと布袋をサンジにつき出した。
『これ、約束の3000万ベリー。これでもう出てって』
それを聞いたナミはサンジが口を開く前に飛びついてきた。
「3000万ベリー!?うそ!・・・本物だわ!」
ナミは布袋を開け、すぐさま中身を確認し、驚いた。
「あ?別に約束なんかしてねえよ。」
『してもしてなくても一緒でしょ。なんなら、これ受け取ってすぐ出ていくなら海軍も呼ばないけど?』
「お前はなんとしてもおれと話す気はねえのか…?」
『最初っからそう言ってんじゃん。海賊なんて底辺な奴らと仲良く話したいと思う変わり者なんてそういないでしょ』
ハルがそういうとサンジはひどく傷ついた症状を見せた。
それに瞳を揺らしたハルであったが、再び話し始めたナミの声で我に返った。
「ちょっと!こんな簡単にお金も手に入って、海軍にばれずに出向できるチャンスなのよ!ぼさっとしてないでさっさと出港準備するわよ!」
「そうだ!そうだ!」とウソップ、チョッパーも騒ぎ立てる。
しかし、ルフィの発言で再び店内は静まり返った。
「まだ出ねえよ」
ルフィにナミたちがなぜだ!と詰め寄った。
ハルもまさかのルフィの発言に目を見開いた。
「だって、サンジはこのまま出航すんの嫌なんだろ?じゃあ置いてけねえよ!しかも強えみてーじゃん!おれも仲間にほしい!」
笑顔でそういうルフィに全員があきれ顔で黙った。
(え、なんで説得しないの?いやでしょ、普通!)
『じゃ、海軍よんでもいいんだ?』
ハルはまさかのルフィの発言に眉をひそめながら聞いた。
「んー?別にいいぜ?俺らは海賊だぞ!そんときゃ、戦うだけさ」
にやりと笑うルフィにハルは目を丸くさせる。
ロビンは楽しそうに笑い、一方でナミたちは始まった、とばかりに涙を流した。
「あきらめろ。こいつは一回行ったら聞かねえぞ。俺もお前とは一回手合わせしてみてえしな」
ゾロも不敵な笑みを浮かべながらそう言った。
(なんなの…!?こいつら!)
何を言っても通じないと察したハルは苛立ちを浮かべた。
『勝手にしろ!』
ハルはルフィたちに背を向けると足早に裏方へ回ると店外につながる扉から出ていってしまった。
「俺なんかまずいこと言ったか?」
ルフィはサンジの方を向き尋ねた。
サンジは頭をかきながらハルが走り去った方向を見つめた。
「まあ、大丈夫だろ。悪いな、みんな」
これからどうするかと考えていると、先ほど3000万ベリーを持ってきて来た老人がルフィたちに話しかけた。
「お前たち。ハルを連れていきたいのか」
ルフィは自信満々に「そうだ」と伝えた。
老人は安どした表情を浮かべ言った。
「どうか、あの子をこの町から解放してやってくれ」
大勢の男たちの間をすり抜け、リングに近づいてくる男は今ハルが最も会いたくない人物であったからだ。
「蹴り技が十八番と聞くサンジ!こちらの従業員も同じく蹴り技が十八番!どちらが上かーーー!?」
エコーのかかった声が響き渡る。
サンジはポケットから新しいタバコを取り出し1本加えると火をつけた。そしてゆっくりと口から煙を吐き出すと、リングの上に飛び乗った。
「まさか、こんなところで会うとはな」
サンジがハルを見つめながら眉を顰める。
ハルはキャスケット帽をより深くかぶった。
「お前には聞きたいことがくそほどあるんだ。・・・だが、まずは
うちの食費を稼ぐのが先だ。話はそれからでもいいだろ」
もう一度深く煙を吐くと、アナウンスの男が叫んだ。
「ではー!本日第2試合目!麦わらの一味サンジVS従業員ハルー!レディーッ、ファイッ!!」
開始の合図のゴングなり、全員がリングに目を向けた。
サンジは早く勝負をつけるため、ゴングが鳴ると同時にハルのもとまで間合いを詰め、左足をハルの頭頂から振り下ろさんとした。
全員がサンジの速さに目を奪われた。
しかし、その足は振り下ろされることは無かった。
『リタイアッ!!』
ハルがそう叫び、右手を挙げたからだ。
寸前のところでサンジは足を止め、眉間にしわを寄せた。
会場全体がどよめく。
「今までリタイアなんかでたことなんじゃないか?」
「どうしたチビー!怖気づくんじゃねえ!怖えなら出てくんな!」
「リンチ状態でも楽しませてみろー!」
どうやらハルが怖気づいてリタイアを申し出たと周囲は考えているらしい。
「おい、どういうつもりだ」
サンジはハルをにらみつけた。
ハルはなにも答えず、アナウンスの男の方を向いた。
男は慌てた様子でハルに詰め寄ってきた。
「なにやってんだハル!戦えないほどどこか悪いのか!?」
ハルはだまって首を振った。
『こっちが負けたり、リタイヤしたら3000万ベリーでしょ。持ってきて。』
「そんなことしたら・・・!」
『いいから。どうにかするから』
ハルと男の会話にサンジはさらに眉間のしわを深くした。
「おい、どういうことだ。鼻から俺とやり合う気はねえってか?これをしなきゃお前はどうなるんだ?だいたいこの島の連中は何かおかしい。お前の特徴を聞いたところで慌てた様子で知らないの一点張り。なにかやべえことに首突っ込んでんじゃねえのか!ハル!」
サンジがハルの腕をつかみ、ハルに問いただした。
ハルはその腕を振り払うとサンジをにらみつけた。
『あんたに関係ない。お金が欲しいんでしょ。それ持ってさっさとこの島から出ていって。』
「まったく話がかみ合ってねえだろ。まず、俺の質問に答えろ。お前はこの島で何やってる。」
『それにこたえる義理はない。サンジには関係ない。』
「答えになってねえだろ!」
『これ以上さわぐなら!海軍よぶから!知ってるでしょ。島の近くに海軍の要塞がある。』
リング上で何やら騒ぎになっているのを感じ、ナミやウソップたちが近づいてきた。
「海軍!?サンジ君!今はいったん退いて。海軍なんか呼ばれたらたまったもんじゃないわ」
すると周囲の海賊たちも騒ぎ出した。
「海軍を呼ぶだと!?」
「逃げろ!!」
あっという間に店にひしめき合っていた海賊たちは消え、残されたのは麦わらの一味と数人の地元住民のみとなってしまっていた。
「おい~!俺たちも早くいこう!海軍呼ばれちまうぞ!」
「おれ、まだ死にたくねえー!」
ウソップ、チョッパーはハルを睨むサンジの裾を引っ張った。
「そうよ、サンジ君!お金もないんだし争いごとは避けたいわ!」
ナミもサンジを店から連れ出そうと説得する。
すると店の奥から一人の老人が歩いてきた。
「ハル、3000万ベリーだ。これでいいんだね?」
老人は両手に抱えた布袋をハルに差し出した。
ハルは申し訳なさそうに眉を下げ、それを受け取った。
『ごめんね、ダントさん』
ハルは小さな声でそうつぶやくと布袋をサンジにつき出した。
『これ、約束の3000万ベリー。これでもう出てって』
それを聞いたナミはサンジが口を開く前に飛びついてきた。
「3000万ベリー!?うそ!・・・本物だわ!」
ナミは布袋を開け、すぐさま中身を確認し、驚いた。
「あ?別に約束なんかしてねえよ。」
『してもしてなくても一緒でしょ。なんなら、これ受け取ってすぐ出ていくなら海軍も呼ばないけど?』
「お前はなんとしてもおれと話す気はねえのか…?」
『最初っからそう言ってんじゃん。海賊なんて底辺な奴らと仲良く話したいと思う変わり者なんてそういないでしょ』
ハルがそういうとサンジはひどく傷ついた症状を見せた。
それに瞳を揺らしたハルであったが、再び話し始めたナミの声で我に返った。
「ちょっと!こんな簡単にお金も手に入って、海軍にばれずに出向できるチャンスなのよ!ぼさっとしてないでさっさと出港準備するわよ!」
「そうだ!そうだ!」とウソップ、チョッパーも騒ぎ立てる。
しかし、ルフィの発言で再び店内は静まり返った。
「まだ出ねえよ」
ルフィにナミたちがなぜだ!と詰め寄った。
ハルもまさかのルフィの発言に目を見開いた。
「だって、サンジはこのまま出航すんの嫌なんだろ?じゃあ置いてけねえよ!しかも強えみてーじゃん!おれも仲間にほしい!」
笑顔でそういうルフィに全員があきれ顔で黙った。
(え、なんで説得しないの?いやでしょ、普通!)
『じゃ、海軍よんでもいいんだ?』
ハルはまさかのルフィの発言に眉をひそめながら聞いた。
「んー?別にいいぜ?俺らは海賊だぞ!そんときゃ、戦うだけさ」
にやりと笑うルフィにハルは目を丸くさせる。
ロビンは楽しそうに笑い、一方でナミたちは始まった、とばかりに涙を流した。
「あきらめろ。こいつは一回行ったら聞かねえぞ。俺もお前とは一回手合わせしてみてえしな」
ゾロも不敵な笑みを浮かべながらそう言った。
(なんなの…!?こいつら!)
何を言っても通じないと察したハルは苛立ちを浮かべた。
『勝手にしろ!』
ハルはルフィたちに背を向けると足早に裏方へ回ると店外につながる扉から出ていってしまった。
「俺なんかまずいこと言ったか?」
ルフィはサンジの方を向き尋ねた。
サンジは頭をかきながらハルが走り去った方向を見つめた。
「まあ、大丈夫だろ。悪いな、みんな」
これからどうするかと考えていると、先ほど3000万ベリーを持ってきて来た老人がルフィたちに話しかけた。
「お前たち。ハルを連れていきたいのか」
ルフィは自信満々に「そうだ」と伝えた。
老人は安どした表情を浮かべ言った。
「どうか、あの子をこの町から解放してやってくれ」
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