第1章
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夕日が海に沈みそうになるころ、麦わらの一味は再びメリー号に集まっていた。
ロビンとナミは両手に洋服や日用雑貨の入った紙袋を下げて帰宅し、満足気な表情である。ルフィはファイティングバーを楽しみにしてをり、ウソップとチョッパーは甲板で昼寝をしているゾロを起こしている。
一方サンジは、甲板の壁に体を預けタバコに火をつけていた。
あの後2~3人に声をかけ、一人目の女性同様の質問をしたが皆、知らないと首を横に振るばかりで何の情報もつかめないでいた。
「サンジ君、あの子には会えた?」
ナミが思い出したかのようにサンジに声をかけた。
「いや、会えなかった。ごめんねナミさん、戻れなくて」
「良いのよ。それより、あと2日あるんだしきっと見つかるわよ」
ナミの言葉に「ありがとう」ありがとうと言おうとしたサンジであったが、ナミが発した次の言葉に驚いた。
「これから行くファイティングバーにもうサンジ君登録しといたから」
ルフィが参加するものだと思っていたサンジには予想外だった。そしてそれはルフィやほかのクルーも同様であった。
「えーーっっ!!俺じゃねえのか!?俺は出るぞ!!」
「無理なのよ。ロビンとバーへ出場者登録しに行ったんだけど、出場者には条件があって悪魔の実の能力者と武器の使用は禁止されてるの。だからサンジ君」
「なんだよつまんねぇ…。」
唇を尖らせるルフィに対してナミは彼の片耳を引っ張り目を尖らせて怒鳴った。
「あ、の、ねー!理由はどうであれ誰かが参加しなきゃうちの資金は底をつきそうなの!あんたの食費のせいだからね!出場者は多くの応募者の中、抽選で2人しか選ばれないの!それを引き当てた私に感謝してほしいわ!!」
「ごめんなさい…」
最後にナミから拳骨を一発もらったルフィは甲板に突っ伏した。
「俺は刀が無くてもコックより戦えるがな」
ウソップとチョッパーに事の成り行きを聞き、会話の中にゾロがサンジに挑発するような笑みで入ってきた。
「あ?なんだと、まりもヘッド!!」
「すぐにやられそうなお前を心配してやってんだろが」
今にもつかみかかりそうな勢いの二人の中にナミが入っていく。
「はいはい!そこまで!サンジ君には今から一仕事してもらうんだから変な疲労感与えないでよゾロ」
「ナミさん!俺の事、心配してくれてるんだね!」
サンジがゾロの事を忘れ、目にハートを浮かべるとナミがサンジの方を振り返り黒い笑みを浮かべた。
「サンジ君…何としても勝ってね。何としても…。1000万ベリーは私たちのものよ」
少し顔を引きつらせサンジは返事し、ナミの隣ではゾロも顔を引きつらせていた。
「じゃ、そろそろ行くわよ!」
ナミの掛け声とともにいつの間にか起き上がっていたルフィが声を上げた。
「よっし、いくぞー!おれの食費稼ぎに!」
「なんでだよ!」とウソップがルフィを小突き、一同は船から降りた。
ーーーーーーーーーー
麦わらの一味はナミが案内した建物の中でテーブルにつき、食事をしていた。
中では男たちの低い声が飛び交っている。
「おおー!あいつすげえデカいな!」
「あのリングで戦うのか!?おれも戦いてえなあ!」
ルフィ、ウソップ、チョッパーは他に酒や食事を楽しむ男達を見たり、部屋の真ん中にあるリングに関心を示していた。
「ナミさん、もうすぐで始まる?あと、俺はもう一人の出場者と戦うの?」
サンジがナミの方に顔を向けた。
「そうね、もうすぐじゃないかしら。戦う相手はそっちじゃなくて、このバーの従業員見たい」
ナミの言葉にゾロが顔をしかめた。
「従業員?しまらねえな。強いんだろうな?」
「登録の時にそう言われたの。強いかどうかはわかんない。ただ、負けたことがないんだって!」
ナミはサンジに向かってにやりと笑って見せた。
「へえ。楽しみだな」
サンジも笑って見せた。
その時、カンカンカンカンッッ!!と鐘が鳴った。
バーにいる全員がその音が鳴るほうに視線を向ける。
「皆さんお待ちかね!戦いの時間だよーー!」
エコーのかかった声が部屋中に響く。
その瞬間、男たちが歓声を上げた。
それは麦わらの一味も例外ではなく、これから戦いが始まるであろうリングに視線を集めた。
「ルールはシンプル!リングの場外に出るか、リタイアを言うか!
では早速登場してもらいましょう!今回もおなじみ、ファイティングバーの従業員にして負けなしの男!その名も、ハルー!」
その名を聞いてサンジは目を見開いた。
そして客席をかいくぐってリングに入った人物を見て驚きを隠せなかった。
「ハル…!?」
客が囲む闘技場の真ん中に立つのは昼間に出会ったキャスケット帽をかぶったサンジが探していた人物であった。
「ハルと対戦するのはー!剛腕が自慢の男の中の男!賞金3000万ベリーの海賊の船長、ディリー!」
アナウンスの紹介と共に「うおお!」と雄叫びをあげながら客席の中から2mはありそうな大男が立ち上がった。
その周りではクルーと思われる男たちが盛り上がっている。
「おお!でけえなあいつ!いいなー!おれが戦いてえなー!変わってくんねえかな」
「ダメって言ってんでしょ!賞金がかかってるんだからおとなしくしててよね。そういえば見間違いかもしれないけど、リングに立ってる人って昼間ロビンにぶつかった子じゃない?あと、サンジ君が探してた」
ルフィが目を輝かせる横でナミがあきれ顔で答え、サンジの方を向いた。しかし、サンジにはナミの言葉は耳に入っておらずリングに立つハルの姿から目を離せないでいた。
「サンジ君!」
再びナミに声をかけられサンジは我に返りナミにこたえようとしたとき、再び歓声が鳴った。
試合が開始したようだ。
「そんなチビ、一瞬でやっちまえー!」
「もっと強そうなやつ連れて来いよー!」
「賞金は船長のもんだ!」
様々なヤジが飛び交い、その中のほとんどはディリーの勝利を確信したような言葉であった。
麦わらの一味も例外ではなく、対格差から大男が勝つであろうと予想していた。サンジだけを除いては…
(ハルがなんでこんなことやってんのかは分かんねえが、この勝負、絶対にハルが勝つ…!あいつが負けるはずねえ)
サンジは眉間にしわを寄せながら試合の成り行きを見ていた。
しかし、勝負はすぐについた。
ディリーがリングの中で何か挑発するような言葉をハルに発していたのが突然ピタリと止まったのだ。
そして、ディリーの巨体はリングから吹き飛び、建物が崩壊するかのような大きな音を立てて、酒場の壁にめり込んだのであった。
一瞬の出来事に誰もが言葉を無くし、酒場が静まり返った。
リングの中にいるのはハルだけで、右足を天井に向かって突き上げている。
どうやらハルがディリーを蹴り、壁まで飛ばしたようだ。
「ルールはリングの外に出たらアウト。ということで、勝者はハルーー!」
アナウンスの男は驚いたそぶりも見せずハルの勝利を言い放った。まるでそれが当たり前かのように…
そのアナウンスに我に返った客たちは大きな歓声を上げた。
ディリーは気絶しているようでピクリとも動かない。
「あいつやるなー!蹴りがサンジみたいに速かったぞ!」
「へえ、甘く見てたな…」
ルフィとゾロがハルに関心を寄せている。
「まさかの一瞬で決着がついてしまいました!うちの従業員はすごいでしょう?次の出場者にはぜひとも頑張ってもらいたいですね~!では、登場してもらいましょう!麦わら海賊団のコックを務める男!サンジー!」
呼ばれたサンジはリングの中で驚いた表情をしているであろうハルのもとへ歩き出した。
ロビンとナミは両手に洋服や日用雑貨の入った紙袋を下げて帰宅し、満足気な表情である。ルフィはファイティングバーを楽しみにしてをり、ウソップとチョッパーは甲板で昼寝をしているゾロを起こしている。
一方サンジは、甲板の壁に体を預けタバコに火をつけていた。
あの後2~3人に声をかけ、一人目の女性同様の質問をしたが皆、知らないと首を横に振るばかりで何の情報もつかめないでいた。
「サンジ君、あの子には会えた?」
ナミが思い出したかのようにサンジに声をかけた。
「いや、会えなかった。ごめんねナミさん、戻れなくて」
「良いのよ。それより、あと2日あるんだしきっと見つかるわよ」
ナミの言葉に「ありがとう」ありがとうと言おうとしたサンジであったが、ナミが発した次の言葉に驚いた。
「これから行くファイティングバーにもうサンジ君登録しといたから」
ルフィが参加するものだと思っていたサンジには予想外だった。そしてそれはルフィやほかのクルーも同様であった。
「えーーっっ!!俺じゃねえのか!?俺は出るぞ!!」
「無理なのよ。ロビンとバーへ出場者登録しに行ったんだけど、出場者には条件があって悪魔の実の能力者と武器の使用は禁止されてるの。だからサンジ君」
「なんだよつまんねぇ…。」
唇を尖らせるルフィに対してナミは彼の片耳を引っ張り目を尖らせて怒鳴った。
「あ、の、ねー!理由はどうであれ誰かが参加しなきゃうちの資金は底をつきそうなの!あんたの食費のせいだからね!出場者は多くの応募者の中、抽選で2人しか選ばれないの!それを引き当てた私に感謝してほしいわ!!」
「ごめんなさい…」
最後にナミから拳骨を一発もらったルフィは甲板に突っ伏した。
「俺は刀が無くてもコックより戦えるがな」
ウソップとチョッパーに事の成り行きを聞き、会話の中にゾロがサンジに挑発するような笑みで入ってきた。
「あ?なんだと、まりもヘッド!!」
「すぐにやられそうなお前を心配してやってんだろが」
今にもつかみかかりそうな勢いの二人の中にナミが入っていく。
「はいはい!そこまで!サンジ君には今から一仕事してもらうんだから変な疲労感与えないでよゾロ」
「ナミさん!俺の事、心配してくれてるんだね!」
サンジがゾロの事を忘れ、目にハートを浮かべるとナミがサンジの方を振り返り黒い笑みを浮かべた。
「サンジ君…何としても勝ってね。何としても…。1000万ベリーは私たちのものよ」
少し顔を引きつらせサンジは返事し、ナミの隣ではゾロも顔を引きつらせていた。
「じゃ、そろそろ行くわよ!」
ナミの掛け声とともにいつの間にか起き上がっていたルフィが声を上げた。
「よっし、いくぞー!おれの食費稼ぎに!」
「なんでだよ!」とウソップがルフィを小突き、一同は船から降りた。
ーーーーーーーーーー
麦わらの一味はナミが案内した建物の中でテーブルにつき、食事をしていた。
中では男たちの低い声が飛び交っている。
「おおー!あいつすげえデカいな!」
「あのリングで戦うのか!?おれも戦いてえなあ!」
ルフィ、ウソップ、チョッパーは他に酒や食事を楽しむ男達を見たり、部屋の真ん中にあるリングに関心を示していた。
「ナミさん、もうすぐで始まる?あと、俺はもう一人の出場者と戦うの?」
サンジがナミの方に顔を向けた。
「そうね、もうすぐじゃないかしら。戦う相手はそっちじゃなくて、このバーの従業員見たい」
ナミの言葉にゾロが顔をしかめた。
「従業員?しまらねえな。強いんだろうな?」
「登録の時にそう言われたの。強いかどうかはわかんない。ただ、負けたことがないんだって!」
ナミはサンジに向かってにやりと笑って見せた。
「へえ。楽しみだな」
サンジも笑って見せた。
その時、カンカンカンカンッッ!!と鐘が鳴った。
バーにいる全員がその音が鳴るほうに視線を向ける。
「皆さんお待ちかね!戦いの時間だよーー!」
エコーのかかった声が部屋中に響く。
その瞬間、男たちが歓声を上げた。
それは麦わらの一味も例外ではなく、これから戦いが始まるであろうリングに視線を集めた。
「ルールはシンプル!リングの場外に出るか、リタイアを言うか!
では早速登場してもらいましょう!今回もおなじみ、ファイティングバーの従業員にして負けなしの男!その名も、ハルー!」
その名を聞いてサンジは目を見開いた。
そして客席をかいくぐってリングに入った人物を見て驚きを隠せなかった。
「ハル…!?」
客が囲む闘技場の真ん中に立つのは昼間に出会ったキャスケット帽をかぶったサンジが探していた人物であった。
「ハルと対戦するのはー!剛腕が自慢の男の中の男!賞金3000万ベリーの海賊の船長、ディリー!」
アナウンスの紹介と共に「うおお!」と雄叫びをあげながら客席の中から2mはありそうな大男が立ち上がった。
その周りではクルーと思われる男たちが盛り上がっている。
「おお!でけえなあいつ!いいなー!おれが戦いてえなー!変わってくんねえかな」
「ダメって言ってんでしょ!賞金がかかってるんだからおとなしくしててよね。そういえば見間違いかもしれないけど、リングに立ってる人って昼間ロビンにぶつかった子じゃない?あと、サンジ君が探してた」
ルフィが目を輝かせる横でナミがあきれ顔で答え、サンジの方を向いた。しかし、サンジにはナミの言葉は耳に入っておらずリングに立つハルの姿から目を離せないでいた。
「サンジ君!」
再びナミに声をかけられサンジは我に返りナミにこたえようとしたとき、再び歓声が鳴った。
試合が開始したようだ。
「そんなチビ、一瞬でやっちまえー!」
「もっと強そうなやつ連れて来いよー!」
「賞金は船長のもんだ!」
様々なヤジが飛び交い、その中のほとんどはディリーの勝利を確信したような言葉であった。
麦わらの一味も例外ではなく、対格差から大男が勝つであろうと予想していた。サンジだけを除いては…
(ハルがなんでこんなことやってんのかは分かんねえが、この勝負、絶対にハルが勝つ…!あいつが負けるはずねえ)
サンジは眉間にしわを寄せながら試合の成り行きを見ていた。
しかし、勝負はすぐについた。
ディリーがリングの中で何か挑発するような言葉をハルに発していたのが突然ピタリと止まったのだ。
そして、ディリーの巨体はリングから吹き飛び、建物が崩壊するかのような大きな音を立てて、酒場の壁にめり込んだのであった。
一瞬の出来事に誰もが言葉を無くし、酒場が静まり返った。
リングの中にいるのはハルだけで、右足を天井に向かって突き上げている。
どうやらハルがディリーを蹴り、壁まで飛ばしたようだ。
「ルールはリングの外に出たらアウト。ということで、勝者はハルーー!」
アナウンスの男は驚いたそぶりも見せずハルの勝利を言い放った。まるでそれが当たり前かのように…
そのアナウンスに我に返った客たちは大きな歓声を上げた。
ディリーは気絶しているようでピクリとも動かない。
「あいつやるなー!蹴りがサンジみたいに速かったぞ!」
「へえ、甘く見てたな…」
ルフィとゾロがハルに関心を寄せている。
「まさかの一瞬で決着がついてしまいました!うちの従業員はすごいでしょう?次の出場者にはぜひとも頑張ってもらいたいですね~!では、登場してもらいましょう!麦わら海賊団のコックを務める男!サンジー!」
呼ばれたサンジはリングの中で驚いた表情をしているであろうハルのもとへ歩き出した。