第1章
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ハルは町の通りを息を切らしながら走っていた。
頭の中は混乱状態が続いている。
(なんで、なんで、なんで!こんなところにサンジが⁉もう二度と会うはずがなかったのに!会いたくなかったのに!私がこの島で何をしているかばれてしまったら…!!)
ガランッ
「いらっしゃい。ごめんねー、まだ空いてないんだよ。17時から…、ハル?」
ハルが飛び込んだ建物はハル出発してきたはずの建物であった。
建物内は広く、丸テーブルと5~6人分ほどの椅子がセットで置かれているものが大量にあり、部屋の奥にはカウンターがある。カウンター奥の棚にはウイスキーなどの酒やグラスが大量に並んでいる。どうやら酒場の要である。ただ、普通の酒場と違うところは部屋の中央に幅7mほどの正方形のせんがひかれ、4つ角に高さ1mほどの杭を打ち、その正方形をロープで囲んで、闘技場のようなものが作られていることである。
カウンターの奥にある扉から白ひげを生やした男が出てきた。
「早いな。もう買ってきてくれたのか?」
驚いた顔をしながら男はハルい近づいてきた。
「…ふぅ。ダントさん、ごめんなさい。リキュール買えてない。少し時間を空けてから行ってきてもいい?開店までには行ってくるから」
一息つくとハルはそう話した。
男はダントというらしい。
ダントはハルの様子がおかしいことに気づくと彼女の肩に手を置いた。
「どうしたんだ。様子がおかしい。まさか、ガンダーノに何かされたのか!?」
「違う違う!あいつは関係ない。そうだな……ダントさんには行っとくね」
ハルは胸の前で両手を振ると近くにあった椅子に腰を下ろした。
「…この前飲んだ時に、私がここに来る前海上レストランにいた時の話したの覚えてる?」
「ああ、2年前までいたところだったな」
「そう。そんで、サンジってやつの話したでしょ?」
「サンジ…、そういえば話していたな。確か、その話をした後お前が会いたいといって大泣きして…まさか、居たのか!」
ダントは目を丸くしてハルを見つめた。
「うん…」
「なんだ!よかったじゃないか!あんなに会いたがってたんだ。あって来なくていいのか?」
ダントの嬉しそうな顔とは裏腹にハルは眉間にしわをよせ、今にも泣きそうな顔をした。
「会えるわけない!」
「え…」
「会いたいよ!会いたいけど…!私が今していることがバレたらきっと幻滅する。こんな姿見られたくない!バラティエは東の海を拠点にしていたはず。なんでこんなところにいるの!?」
ハルは両手を膝の上で強く握った。
ダントはその姿をみると、自分と彼女の考えが違うことに気づいた。そして一息ついてゆっくりと話した。
「やめなさい。そんなに握ると血が出るよ。自分の力の強さを忘れたわけではないだろう。」
彼女はハッと我に返り肩の力を抜いた。
「この前話を聞いたが君は違うといっていたね。でも今の取り乱しようで、やはり思うんだよ。そのサンジという彼は君が想う人、それか恋人ではないのかい?」
「…違う」
目をそらしながらそう答える彼女をみて、「はぁ…」とため息をつくと再びハルの肩に手を置いた。
「そこまで言うならそういうことにしよう。リキュールは僕が買ってくる。開店まであと1時間ちょっとだ。君は部屋に戻って少しゆっくりしていなさい。急なことで気が動転しているだろう。それに、仕事に支障をきたしてはいけない。君は勝ち続けなくてはいけないのだから…」
「ごめんなさい。そうする…。仕事はちゃんとする。必ず勝つ」
彼女の表情にもう悲しみは見られず、まっすぐダントを見つめた。
「…すまない。私たちはもう2年も君を縛りつ図けている」
悔しそうな顔をするダントとは逆に、ハルはにこりと笑った。
「いいんだよ~。みんな幸せが1番だから」
ーーーーーーーーーー
サンジは一人、街の路地を歩いていた。
ハルが走り去った後、再びナミとロビンは買い物を始めたのであったが、二人が話しかけてもサンジはどこか上の空で、終いにはキャスケット帽を被った人を見つけるたびに目で追い始めたのでナミから「夕飯まで探してこい!」と怒られたのであった。
治安の悪さからナミとロビンを心配したが、だったらさっさと探して帰ってこいとナミに黒い笑みで言われ、クリマタクトで雷をおとされる勢いであったため、急いでハル探しを始めたのであった。
「どこ行ったんだあいつ…。足の速さは昔から変わらねーな。あ、そこのマダム!」
サンジは歩いている路地の前方に見えた年配の女性に声をかけた。
「はい?なにかしら?」
女性が振り返り、サンジは駆け寄る。
「ここら辺でキャスケット帽被った奴見なかったか?」
「さぁ?見てないけど?」
「そっかー…あ、じゃあ」
首をかしげる女性に、サンジは覚えていたハルの特徴を伝えた。
「髪と目が赤い女は?」
それを聞くと女性はピクリと眉を動かした。
「そんな子も見なかったわ?ここに住んで長いけど、見たことないわね。珍しいからすぐわかると思うけど…」
そう言うと女性は「急いでるから」とサンジが答える前にそそくさと行ってしまった。
一人路地に立ち尽くしたサンジは顎に手を当てた。
「なんだ?なんかしらねぇ風じゃねえな」
サンジは女性の様子がおかしいことに気づき、「ここに住んでいるか」と聞いてもいない質問に先に答えたことに疑問を感じた。
(ここで考えても仕方ない。また人に聞くか)
タバコを取り出し口に咥え、火をつけるとサンジは再び歩き出した。
頭の中は混乱状態が続いている。
(なんで、なんで、なんで!こんなところにサンジが⁉もう二度と会うはずがなかったのに!会いたくなかったのに!私がこの島で何をしているかばれてしまったら…!!)
ガランッ
「いらっしゃい。ごめんねー、まだ空いてないんだよ。17時から…、ハル?」
ハルが飛び込んだ建物はハル出発してきたはずの建物であった。
建物内は広く、丸テーブルと5~6人分ほどの椅子がセットで置かれているものが大量にあり、部屋の奥にはカウンターがある。カウンター奥の棚にはウイスキーなどの酒やグラスが大量に並んでいる。どうやら酒場の要である。ただ、普通の酒場と違うところは部屋の中央に幅7mほどの正方形のせんがひかれ、4つ角に高さ1mほどの杭を打ち、その正方形をロープで囲んで、闘技場のようなものが作られていることである。
カウンターの奥にある扉から白ひげを生やした男が出てきた。
「早いな。もう買ってきてくれたのか?」
驚いた顔をしながら男はハルい近づいてきた。
「…ふぅ。ダントさん、ごめんなさい。リキュール買えてない。少し時間を空けてから行ってきてもいい?開店までには行ってくるから」
一息つくとハルはそう話した。
男はダントというらしい。
ダントはハルの様子がおかしいことに気づくと彼女の肩に手を置いた。
「どうしたんだ。様子がおかしい。まさか、ガンダーノに何かされたのか!?」
「違う違う!あいつは関係ない。そうだな……ダントさんには行っとくね」
ハルは胸の前で両手を振ると近くにあった椅子に腰を下ろした。
「…この前飲んだ時に、私がここに来る前海上レストランにいた時の話したの覚えてる?」
「ああ、2年前までいたところだったな」
「そう。そんで、サンジってやつの話したでしょ?」
「サンジ…、そういえば話していたな。確か、その話をした後お前が会いたいといって大泣きして…まさか、居たのか!」
ダントは目を丸くしてハルを見つめた。
「うん…」
「なんだ!よかったじゃないか!あんなに会いたがってたんだ。あって来なくていいのか?」
ダントの嬉しそうな顔とは裏腹にハルは眉間にしわをよせ、今にも泣きそうな顔をした。
「会えるわけない!」
「え…」
「会いたいよ!会いたいけど…!私が今していることがバレたらきっと幻滅する。こんな姿見られたくない!バラティエは東の海を拠点にしていたはず。なんでこんなところにいるの!?」
ハルは両手を膝の上で強く握った。
ダントはその姿をみると、自分と彼女の考えが違うことに気づいた。そして一息ついてゆっくりと話した。
「やめなさい。そんなに握ると血が出るよ。自分の力の強さを忘れたわけではないだろう。」
彼女はハッと我に返り肩の力を抜いた。
「この前話を聞いたが君は違うといっていたね。でも今の取り乱しようで、やはり思うんだよ。そのサンジという彼は君が想う人、それか恋人ではないのかい?」
「…違う」
目をそらしながらそう答える彼女をみて、「はぁ…」とため息をつくと再びハルの肩に手を置いた。
「そこまで言うならそういうことにしよう。リキュールは僕が買ってくる。開店まであと1時間ちょっとだ。君は部屋に戻って少しゆっくりしていなさい。急なことで気が動転しているだろう。それに、仕事に支障をきたしてはいけない。君は勝ち続けなくてはいけないのだから…」
「ごめんなさい。そうする…。仕事はちゃんとする。必ず勝つ」
彼女の表情にもう悲しみは見られず、まっすぐダントを見つめた。
「…すまない。私たちはもう2年も君を縛りつ図けている」
悔しそうな顔をするダントとは逆に、ハルはにこりと笑った。
「いいんだよ~。みんな幸せが1番だから」
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サンジは一人、街の路地を歩いていた。
ハルが走り去った後、再びナミとロビンは買い物を始めたのであったが、二人が話しかけてもサンジはどこか上の空で、終いにはキャスケット帽を被った人を見つけるたびに目で追い始めたのでナミから「夕飯まで探してこい!」と怒られたのであった。
治安の悪さからナミとロビンを心配したが、だったらさっさと探して帰ってこいとナミに黒い笑みで言われ、クリマタクトで雷をおとされる勢いであったため、急いでハル探しを始めたのであった。
「どこ行ったんだあいつ…。足の速さは昔から変わらねーな。あ、そこのマダム!」
サンジは歩いている路地の前方に見えた年配の女性に声をかけた。
「はい?なにかしら?」
女性が振り返り、サンジは駆け寄る。
「ここら辺でキャスケット帽被った奴見なかったか?」
「さぁ?見てないけど?」
「そっかー…あ、じゃあ」
首をかしげる女性に、サンジは覚えていたハルの特徴を伝えた。
「髪と目が赤い女は?」
それを聞くと女性はピクリと眉を動かした。
「そんな子も見なかったわ?ここに住んで長いけど、見たことないわね。珍しいからすぐわかると思うけど…」
そう言うと女性は「急いでるから」とサンジが答える前にそそくさと行ってしまった。
一人路地に立ち尽くしたサンジは顎に手を当てた。
「なんだ?なんかしらねぇ風じゃねえな」
サンジは女性の様子がおかしいことに気づき、「ここに住んでいるか」と聞いてもいない質問に先に答えたことに疑問を感じた。
(ここで考えても仕方ない。また人に聞くか)
タバコを取り出し口に咥え、火をつけるとサンジは再び歩き出した。