ハエの王のあらすじ

翌朝、サイモンの死体を海に流すだけの葬式が執行された。
サムやエリック、サンディに「なんでサイモンは死んだの?」と聞かれても「事故だった」としか答えられない。
モーリスはその葬式にも姿を見せなかった。

葬式の後、カレンはロジャーに怪物の正体が星屑をまとった大きな雲だったことを知らされていた。
「こんな大きな雲を怪物と見間違えてたのね。ありがとう」
ロジャーは赤面した。
「カレン、実は俺…」
「お姉ちゃーん、曇ってふかふかなんだねー!」
「一緒に座ろー!」
ロジャーが言いかけた時、サムとエリックが姉に声をかける。カレンは弟達に気付いた。
「なら、わたしも座ってみようかしら。ロジャー、後でね」
カレンはそう言うと、すぐ近くの弟達の座る雲のソファーに座る。

ピギーとサンディは島で暮らすうさぎと触れ合うために森の方に行っていた。
森の方に行く時にピギーはクレアに言った。
「クレア、ハンナが落ち込んでるみたいだからちょっと様子を見に行ってくれないかな?僕はサンディとうさぎを見に行くところなんだ」

いつも明るいハンナもまさか無人島生活中に誰か死ぬと思っていなかったようで、さすがにふさぎ込んでいる。
クレアがハンナの隣に座って、話をした。
「ハンナ、少しいいかしら?」
ハンナは黙ったままなので、クレアはゆっくり続ける。
「サイモンのことは残念だったけど…あなたのおかげでこの島の怪物の正体がわかって、サンディ達も怯えなくて済んだし」
確かにそうだ。怪物の正体が怖くないとわかったので、以前のような不穏さはないようだ。
「ハンナが言っていた肝試しも無駄じゃなかったわ」
「無駄じゃ、なかった…?」
ハンナは立ち上がった。そしてこう言った。
「ありがと!なんか元気出たよ!」
クレアはその後、ハンナにデジカメの写真を見せてもらい、写真の中のお花畑の写真を見た。
「そうだわ、ハンナ。デジカメちょっと借りていい?」
「うん、お花畑から帰ったら返してね」
そう言うと、ハンナはクレアにデジカメを貸した。

「内なる獣…内なる獣って、いったいなんなんだー!」
ラルフは考え事をしながらうろうろしている。そこにクレアが声をかけた。
「ラルフ、時間あるかしら?」
「ああ、僕は大丈夫だけど…何か用かい?」
「ええ、一緒に行きたいところがあるの」

クレアはラルフを連れて、ハンナの写真で見たお花畑へと連れて行った。ラルフは道中で、木に生っている真っ赤に熟れた新鮮なリンゴを取った。

ラルフとクレアは、小鳥や蝶が舞い、色とりどりの花が咲き誇るお花畑へと進んだ。
「きれいなところだね!」
「ええ、元気になってよかったわ」
きれいな花が咲いているのを見ながら、ラルフは取ってきたリンゴは二つに分けて片方をクレアに渡す。
「いただきまーす」
そう言って、ラルフとクレアはリンゴを食べ始める。二人にとってこのリンゴは、今まで食べたどのリンゴよりもおいしかった。

リンゴを食べ終わり、ラルフとクレアはお花畑で追いかけっこをしたり、四葉のクローバーを探したり、お花畑でクレアが戯れる様子をラルフがハンナのデジカメで撮ったりした。
ラルフは小さなピンクの花を摘んで、クレアの髪に飾る。
「ありがとう、ラルフ。このお花は押し花にするわね」
「君が喜んでくれて嬉しいよ、クレア。僕もこの四つ葉のクローバーを大事にするよ」
ラルフとクレアは「花の誓い」をした。
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