5話「全力疾走×全面抗争」

キュアロージーはプリキュア・ロージーブロッサムが直撃した香澄に向かって駆け寄る。香澄は慌てて立ち上がった。
「香澄ちゃん!」
「…」
立ち上がった香澄は、キュアロージーの方を見ようとはしない。

そして、香澄は静かにこう言った。
「私達はもう敵同士なのよ…次に会う時は本気で殺し合うことになるかもね」
「待って!」
キュアロージーの制止も聞かず、静かに立ち去る香澄。

キュアロージーに、颯人が聞いた。
「…あのシスターは、ロージーの友達なのかい?」
「うん…前は優しい子だったんだよ。困ってる人を助けたいからシスターになったいい子なの」
キュアロージーはそこまで言うと、泣き出した。
「どうして香澄ちゃんは、わたし達を魔女と決めつけて戦うの…?戦うのが嫌いだったのに…?」
颯人がキュアロージーを優しく抱き締めると、キュアロージーは颯人の腕の中で泣く。

それを見て、キュアアメジストは決意したように言った。
「わたし、決めたよ。プリキュアが戦う理由」
「アメジスト、決まったの?」
キュアイノセントが聞くと、キュアアメジストがうなずく。
「うん、わたしは誰も悲しまなくていいようにするために戦うよ。シスターのあの子も、ロージーも」
「それいいと思うよ!」
キュアシトラスがキュアアメジストの両手を取って喜ぶ。

レンもキュアアメジストの肩をポンと叩く。
「僕もそう思うよ。黒曜に関しては何か理由がありそうだし…」
「うん、レンの言う通りだよ。何か理由がありそうだもん」
「理由…ありそうだよね」
キュアロージーは泣き止んで、キュアアメジスト達の方を見た。
「ロージー、もう大丈夫か?」
大輝が聞くと、頷くキュアロージー。
「はい、大丈夫です。香澄ちゃんがそこまでやるのには、きっと理由があるよ」
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