5話「全力疾走×全面抗争」

「はぁっ!」
香澄が飛びかかってパンチすると、キュアロージーがそれを受け止める。
「やめて!香澄ちゃん!」
「どうして?あなたは魔女なのよ。私は魔女を止めなきゃいけないの!」
香澄が受け身を取ると、後ろからシトラスショットが飛ぶ。振り返ると、キュアシトラスがいた。

「どうしてあんたはロージーにしつこく絡むの!?」
「そうね…私を見る目が、どうしようもなくムカつくからよ!」
香澄はそう言うと、キュアシトラスに飛びかかった。だが、キュアアメジストのアメジストバリアで防がれる。
「なっ!?」
香澄が空中で受け身を取る。キュアアメジストも聞いた。
「シスター香澄…前はそんなに苛烈かれつじゃなかったのにね」
「何ですって…?」
キュアアメジストは続けた。
「中学生の頃は誰からも頼られる生徒会長だった…それに裏社会に進むしかなかった同級生に涙を流すような優しい子だった。あなたは何よりも戦いが嫌いだった!なのにどうして!?」
「そうだよ…本当はウチらと戦いたくないんでしょ?」
キュアシトラスも言う。その言葉が、香澄の怒りに触れた。
「ふざけないで!あんた達は魔女だから、私をたぶらかすようなことを言うんでしょ!」
香澄の拳が、アメジストバリアを砕き、殴られそうになったところにキュアイノセントが二人を抱えて距離を取る。

キュアイノセントがキュアアメジストとキュアシトラスを下した後、こう言った。
「魔女にもいい魔女と悪い魔女がいるわ。どうして魔女を悪だと決めつけるの?」
「それはっ…」
香澄は拳を握りしめてこう言った。
「教団の神がそう決めたからよ!」
それはあまりに支離滅裂な言葉だったが、香澄は自分を納得させるためにこう言った。

「教団の神か…ずいぶん思い込みの激しい神様だな」
レンが皮肉たっぷりに言う。そしてこう続けた。
「一度でいいから会ってみたいよ」
レンの言葉に大輝と颯人も続ける。
「あのシスターの信じる神様って、頭固いんだな。真面目過ぎねぇか?」
「待てよ…ディアマン教団の教えって、そんな感じだったっけ?」
颯人がキュアロージーに近付く。
「ロージー、行くよ!」
「うん!」

あいりと颯人がキュアエンゲージリングを左手の薬指にはめて、スマホにかざす。
「キュアエンゲージリング!」
スマホをかざすと、颯人の体が光に包まれる。
颯人はミントグリーンとピンクのタキシード姿になっていた。
「キュアグルームスタイル!」
キュアロージーと颯人がスマホでキュアカード・ラバーズハートをスマホにかざす。
「ラバーズハート!」
そして、キュアロージーと颯人が手を取り合って、キュアテージスキルを出した。
「プリキュア・ロージーブロッサム!」

「うっ!」
香澄は両腕で防いだが、もろに直撃してしまった。
香澄はその場に伏せてしまった。
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