5話「全力疾走×全面抗争」

あいり達がキラットから出て様子を見に行くと、ひなが香澄と話していた。
この年頃の少女達のような和気あいあいとしたものではなく、威圧的な香澄にひなは引きつった笑顔で対応しているようだ。
「いや~、いい天気ですね、シスター…外回りですか?」
「そんなことは、どうでもいいわ…」

ひなと香澄のやり取りを聞いて、颯人はあいりに耳打ちをする。
「あのシスターに俺は絡まれたんだ」
「香澄ちゃんに…?」
あいりが聞くと、うなずく颯人。

香澄がひなを壁まで追い込んで聞く。
「魔女について洗いざらいはいてもらうわよ、情報屋」
「魔女?魔女って言っても色々いますよー?」
「…愛須市の裏社会を騒がせる魔女に決まってるじゃない」
とぼけるひなと、彼女を睨みつける香澄。
「怖いな~、慈愛に満ちたシスターがそんな怖い顔しないでくださいよー!」
「…」

「ひなちゃん、大丈夫!?香澄ちゃん、どうして!?」
あいりは無意識に叫んでいた。香澄は驚いて、振り返る。
「っ!?」
「あいりちゃーん!わたしは大丈夫だよー!」
ひなは香澄が見ていない好きに抜け出し、キラットの方に走りながらこう言った。
「ありがとー!助かったよ!キラットに行けなくて困ってたの!」

あまりの出来事に、あっけにとられるゆあ達と香澄。
「あなた達が魔女だって、わかってるのよ!そこに魔女と関わる悪魔の男達や魔女とつながりのある妖精がいることも!」
「颯人達は悪魔じゃないピュア!」
香澄の言葉に怒って出てくるピュアンナとそれを慌てて制止する颯人。
「ピュアンナ!気持ちは嬉しいけど、君が出てきたら話がややこしくなる!」

「マジでどうすんの、これ!?」
みつきが困惑すると、大輝がこう言った。
「あのシスターも俺達の話を聞いてくれそうにねぇな…ひなちゃんにも俺達の情報を求めてたし」
「僕達のことを一番よく知ってる情報屋はひなちゃんだもんね…」
レンもひなのことを補足する。
「あいちゃん、戦える…?」
ゆあが聞いたが、あいりは震える。颯人はあいりの手を握るしかできなかった。
そして、あいりはスマホを手に取った。
「プリキュアに変身ピュア!」
ピュアンナが叫ぶ。

あいり達はプリキュアに変身した。
「イノセントパクト!」
ピュアンナは人間の少女の姿となり、イノセントパクトを掲げる。あいり、ゆあ、みつきもスマホのアプリを起動した。
「プリキュア・スイーティーハニー!」
変身後、決めポーズをする。
「愛に咲くピンクのバラ、キュアロージー!」
「高貴に煌めく紫の水晶、キュアアメジスト!」
「熱意に実る黄色い果実、キュアシトラス!」
「プリキュア・スイーティーハニー!」
そして、4人が揃うとこう決めポーズをした。
「スイーティーフィフィプリキュア!」
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