1話「絶望の淵に咲く花」

インテリヤクザのような風貌の男は、あいりを連れて一軒のカフェ「キラット」へと向かう。キラットの前の日当たりのいいところには、キラキラと輝く花や葉っぱの樹が植えられている。
「これがグリッターツリー。オレら妖精はこの樹から生まれてきたんや」
「妖精?」
あいりが尋ねると、男からポンっと煙が出て妖精の姿になった。
「そや、オレはヤロロなんヤロ。人間の姿やと矢野やの壱郎いちろうを名乗っているヤロ」
「ヤロロ、遅いピュア!」
カフェの中からピュアンナが出てくる。あいりはピュアンナや人間の姿に戻ったヤロロと共にカフェの中に入って行った。

キラットの中にある事務所に案内される。見たところヤクザの事務所だが、幼い妖精達が遊ぶプレイマットの敷かれたスペースや明らかに子供向けのおもちゃや絵本もあったり、ところどころかわいらしい内装だったりとあいりの今までの常識を疑うようなスペースだった。
「組長、プリキュアを連れてきました」
「ご苦労だったね、ヤロロ。もう下がっていいよ」
金髪のショートヘアにパンツスタイルのスーツを着た女性が回転椅子を回転させ、あいりと目を合わせる。片目が隠れた紫の瞳に、あいりは思わずびくっとなった。
「ピュアンナ、こんなきれいな人が組長なの…?」
「そうピュア、キキリノは煌木組の組長ピュア」
あいりとピュアンナが話した後、キキリノと呼ばれた女性は微笑んで言う。
「そうだ、私はこの姿では煌木きらめき梨乃りのを名乗っているよ。立ち話もなんだし、そこにかけてくれないかい?」
「あ、ありがとうございます…」
あいりは事務所内の案内された席に座った。
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