4話「愛と希望の万華鏡(カレイドスコープ)」

宿題を済ませたあいりは、自分の部屋のベッドでごろごろしていた。
あいりのスマホに、颯人から着信があった。
「もしもし、颯人くん?」
『あいりちゃん、颯人だよ。俺の親友があいりちゃん達に会いたいと言ってるけどいい?変な意味じゃなくて、俺がみんなのことを親友に話してるから興味を持ったみたいで…』
「いいよ、他のみんなには連絡した?」
『うん、みつきさんには真っ先に連絡したよ。みつきさんは電車通学してるから行き先とかも伝えたよ』
みつきは軽薄そうに見えて結構几帳面なので、信用されているようだ。

『俺にとって、その親友は恩人なんだ。だから、あいりちゃん達を紹介したいんだ』
颯人が決意を込めて言う。あいりも頷いた。
「うん、そうなんだね。颯人くんがそう言うなら、間違いないね」
『はは、ありがとう。そう言ってもらえて親友も嬉しいと思うよ』
「颯人くん…その親友のこと、教えて?」
あいりの質問に、颯人はゆっくり頷く。

『うん、あいりちゃんには先に話そうかな…中学時代、俺は学校に行けなかったんだ』
「学校に行けなかった…?」
あいりが困惑するように聞くと、颯人は慌てて補足する。
『学校に行けなかったと言っても、あいりちゃんが想像するような深刻な理由じゃなくって…ちょっと学校に行くのがしんどくてね…』
颯人は安心させるように言うものの、どこか元気がない。だが、明るい表情になって言う。
『そんな時に手を差し伸べてくれたのが、俺の親友なんだ。そのこともあって、中学校を卒業する頃には毎日学校に通えるようになったんだ。高校が別々になった今でも連絡しているんだ』

「颯人くんにも、親友がいるんだね」
あいりは颯人の話を聞いて、感動したように言う。
『うん、あいりちゃん達の話をしたら、すごい興味を持ってくれてね…会いたいって言ってくれたんだ』
「そう言ってくれて嬉しい…ありがとう、って伝えて」
『うん、そう伝えるね。またね』
「うん!」
そう言うと、あいりと颯人は電話を切った。
10/21ページ
いいね