4話「愛と希望の万華鏡(カレイドスコープ)」

「はぁ…今日は疲れたな……」
大輝は自宅の鍵を開けて、玄関のドアを開ける。大輝は玄関に入ると、思わず固まった。

「あれ?なんで靴が一足あるんだ…?」
大輝は明らかに自分とはサイズの合わない靴が揃えられているのを見て、戦慄する。その靴は濃紺のショートブーツで、藤色のリボンやハートがデザインされていた。
大輝も靴を脱ぐと、ゆっくり進んだ。

家の中には荒らされた形跡はないようだ。大輝はこっそり戸棚を確認する。
「泥棒…じゃなさそうだ。金目のものはしっかりある」
侵入者が現金などに目もくれていないことに安堵しつつ、かえって恐怖を覚える大輝。

「…僕を泥棒扱いしないでくれるかな?」
「おわぁっ!?」
声の主である少年に声をかけられて、驚く大輝。その少年は藤色の髪をしており、青い宇宙のような瞳、王子様のような少年装とファンタジー作品を思わせる目立つ服装をしていた。
「え、エスポ…様……?」
大輝が名前を呼ぶと、エスポは微笑んだ。
「君が煌木組に育てられたというのは本当だったんだね…会えて嬉しいよ、天羽大輝」

エスポが紅茶を淹れ、大輝と向かい合ってソファーに座る。
「なぁ…どうやって入ったんだ?」
「そうだなぁ…霊力で君の家の鍵を開けたんだ」
「霊力で…?」
大輝の疑問に、エスポは紅茶を飲みながら答える。
「そうだよ?僕は守護霊だからね…プリキュアとその関係者の家に干渉できるんだ」
エスポの答えに、大輝は困惑する。
「あいりちゃん達の家だと他の家族がいるし、颯人の家だと通報されるかもしれねぇから、俺ん家を選んだのか?」
「そういうことになるね…」

エスポは平然と紅茶を飲むが、大輝は緊張して淹れてくれた紅茶に一口もつけていない。
「どうしたの?一口もつけてないけど…紅茶、飲めないとか?もしかして猫舌?」
「大丈夫だって!淹れてくれてありがとう!いただきまーす…」
エスポに心配されたので、大輝はさっそく紅茶を飲む。おいしいしのども渇いていたので、ごくごく飲んだ。

「ところでエスポ様は…どうしてこっちに来たんだ?」
「エスポでいいよ。この愛須市にプリキュアが現れたと聞いてね…僕にも手伝わせて欲しいと思ったんだ」
「待て、愛須市にプリキュアが現れたのは4月の初め頃だったぞ…なんで今になって?」
大輝の質問に、エスポは答える。
「この街は外の世界に比べると情報の伝達スピードが遅いからね…」
「外の世界…?」
大輝は「外の世界」に関する知識がない。エスポはそれを察した。
「…いや、こっちの話だよ」
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