3話「黒と紅の彩り」

「颯人くん、ベッドメイキング終わったよ」
「ありがとう、ある程度準備が進んだね」
キュアロージーと颯人が少し話すと、キュアシトラスがやって来た。
「アメジスト達は1階の教室の設営をしてるし、あとはウチらでやっとくよ!ロージーと颯人くんは子供達を呼んで来て!」
「うん!」
キュアロージーは頷く。

キュアロージーは、颯人と一緒に塾に行っていたという子供達に声をかける。
新しい塾で安全に暮らせると言うと、子供達は喜んで勉強道具と自分のおもちゃや毛布などを持って集まった。

「さやかちゃんの家、わかる?」
キュアロージーの質問に、眼鏡をかけた女の子のことはが答える。
「わたし、さやかちゃんの家を知ってます」
「ありがとう!颯人くん、先に子供達を連れて塾まで連れて行って」
「うん、ロージーも気を付けてね」
そう言うと颯人は、子供達を連れて塾まで連れて行った。

キュアロージーは、ことはに連れられてさやかの家まで行く。
さやかは、ことはに気付いた。
「ことはちゃん、どうしたの?」
さやかがボロボロの家の前に出る。ことはが言った。
「さやかちゃん、塾が新しくなるそうよ。しかも寮がつくから夜に凍えなくて済むわ」
「…ちょっと待って!」
さやかは勉強道具ときれいに保管していた何着かの服を愛用している毛布にくるんで、持って来る。

「忘れ物ない?」
キュアロージーが聞くと、さやかは頬を赤らめる。
「どうしたの…?」
ことはが怪訝な顔で問うと、さやかは緊張して答えた。
「こ…こんなきれいな服を着た人って見たことなくて……!」
さやかは落としそうになり、キュアロージーがそれを支える。
「そうなんだね、服の勉強してるの?」
「は、はい…」
「さやかちゃん、塾に行くわよ」
ことはの言葉に、思わず我に返るさやか。

最後におやこの家へと向かい、ゆめを迎えに行く。
ゆめは母親と暮らすけれど、新しくできた塾に通うため見に行くことになっていたのだ。
「あ!キュアロージーだ!」
ゆめが走って来る。
「こら、危ないでしょ!」
ことはが軽く注意するが、さやかがゆめに聞く。
「ゆめちゃん、この人を知ってるの?」
「うん!キュアロージーだよ!」
「そうだよ、ゆめちゃんのことを助けたことあるの…アハハ」
キュアロージーは苦し紛れに言う。

キュアロージーはゆめ、ことは、さやかを連れて塾まで行った。
中まで入ると、キュアアメジストとレンが塾の先生と寮の部屋割りを決めていた。2階は女の子の部屋、3階は男の子の部屋になるが、塾の生徒の数が少ないため、全員個室になるようだ。
ゆめも友達の部屋割りを決めるのを手伝いに行ったようだ。

文太がキュアロージーとさやかに声をかけた。
「お、いたいた!さやかちゃんの件を聞いたけど、カシラが便宜を図ってくれて、在庫処分される服を全部回してくれることになったんだって」
「ありがとうございます!」
嬉しくなって、さやかは頭を下げた。

そうこうしているうちに部屋割りが決まったようで、キュアロージー達は部屋の前に名札を付けた。その後、子供達はそれぞれ部屋に行ったようだ。
子供達が部屋に行った後、塾の先生はお礼を言った。
「ありがとうございます。おかげで子供達に勉強を教えるだけでなく、生活指導もできるようになりました。貧民街で暮らしている子供達が塾に通うのは危険です」
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