3話「黒と紅の彩り」

あいりは帰宅した後、スマホが鳴った。
恐る恐る電話に出てみると、姉であるまことの声がした。
「もしもし…?」
『もしもし!?電話に出てくれてよかった!あいりなのね!?』
「お姉ちゃん!?スマホ持てたの!?」
驚くあいりに、まことが答える。
『うん!煌木組の人が愛須市の外だとスマホを持っていないと不便だからという理由で持たせてくれてたみたいなの!』

その言葉に、あいりは嬉しくなる。
煌木組は愛須市の外の事情も知っていたし、まことが不便にならないよう便宜を図ってくれたのだ。
「そうなんだ!スマホの使い方で困ってることない?」
『そうねぇ…生活が一気に便利になった気がするわ。電子決済も便利だけど…使いすぎないようにしないと』
愛須市の人は電子決済をしない人も多いが、外の街だと電子決済が当たり前のところも多い。

あいりはまことの体について聞いた。
「お姉ちゃん…体は大丈夫なの?」
『うん、大丈夫よ。検診の結果も問題ないと言ってたわ』
姉が愛須市から出られてよかったとあいりは思う。話を聞いていると、まことは苦労をしつつも刹那ともうまくいっているようだ。
『あ、そろそろ夕飯の時間だから切るわね』
「うん、また連絡してね」
そう言うと、あいりは電話を切った。そして先程の電話番号を姉のまこととして登録した。

その後、またあいりのスマホに電話が鳴った。今度は煌木からだ。
「また電話ピュア」
「そうだね…煌木さん、何の用事だろう?もしもし…?」
『もしもし、あいりか…繋がってよかった』
煌木は安堵すると、本題に入った。
『…早速だが、貧民街の塾の件を話そうと思う。あいりも知っていると思うが、貧民街の塾は子供達にとって安全ではない』
「…そうですよね。貧民街は特に治安が悪いって聞きますし」
そう言って、あいりはゆめと見た塾のことを話した。
『ああ…知っての通り塾に通う子供達の多くは親のいない子供達だ。だから、貧民街に寮付きの塾を作ることは急務なんだ』
確かにこのまま塾に通い続けていれば、子供達がいつか危険な目に遭うかもしれない。
『この休日中には、貧民街の塾の建設が完成する。よかったら、見に来てくれないか?』
「え、いいんですか?」
あいりが聞くと、煌木が答えた。
『ああ、プリキュアを応援する子供が貧民街にいると聞いているからな。プリキュアが来たら、子供達も喜ぶだろう…それと、物資運びも手伝ってほしい』
あいりは頷いた。
「はい、みんなにも声をかけますね!」
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