3話「黒と紅の彩り」
あいり達は、おやこの家へと向かった。
「ゆめちゃん、塾に案内してくれる?」
あいりはおやこの家に行くやいなや、ゆめに頼む。
「今は12歳から15歳の女の子が授業を受けてるよ。迷惑になるし…」
ゆめはこの日、午前中で塾は終わっていた。
「お願い、そこを何とか!」
あいりが頼み込むと、ゆめが根負けした。
「もー、わかったよー」
あいりはゆめに連れられて、ゆめが行っている塾に向かう。そこはボロボロの廃墟のような施設だった。
「ここで…勉強してるの?」
あいりの質問にゆめは頷く。
「うん…屋根や壁があるだけマシだよ」
ゆめは貧民街での暮らしが肌に染みついている。だから、おやこの家で暮らせるようになった時は嬉しかったのだ。
あいりはゆめと一緒に、廃墟のような建物の中を覗き込む。そこは机といすを並べただけの簡易的な塾だった。生徒である少女達は本気で学びたいと思っておりみな表情が生き生きとしており、ノートを取っているようだ。
あいりは息を潜めて、授業を受ける少女達を眺める。
少女達はボロボロの服を着ているが、その中に一人だけきれいな水色のワンピースを着た少女がいる。
その少女は、腰まである紺色の髪をきれいに伸ばしており、時折青い瞳を伏せて考え事をしているようだった。
邪魔にならないように静かに立ち去り、あいりとゆめはおやこの家に戻って来た。
「おかえり、どうだった?」
颯人が聞くと、あいりが答えた。
「貧民街の塾を見たけど…酷いところだったよ。ボロボロの廃墟で、颯人くんが想像する塾とは全然違うと思う」
あいりは目を伏せていたが、一転して明るい表情になった。
「でも、みんな表情が生き生きしてたよ!本当に勉強したくて集まってるように見えたの」
その言葉を聞いて、颯人は嬉しくなってこう言った。
「みんな本当は勉強したくて塾に行ってるんだね」
颯人は過去を懐かしむように言った。
「あいりちゃん達と一緒にいると、お父さんのことを思い出すんだ…俺のお父さんは貧しい国で子供達の支援をしているんだ」
颯人は父親と離れて暮らしている。颯人は微笑んで言った。
「俺はお父さんの話を聞くのが好きだし、尊敬もしている…それに、あいりちゃんに出会って貧しい国の現実が身近に感じられるようになったんだ」
「颯人くん…!」
あいりは颯人の手を握り返した。
ゆめが近くに来たため、あいりは彼女の方に振り返って話しかける。
「ゆめちゃん、きれいな服を着ていた女の子のこと知ってる?」
あいりの質問に、ゆめははっとなって答えた。
「さやかちゃんのこと?」
「知ってるの?」
ゆめは頷くと、こう話した。
「さやかちゃんは女の子達に人気なんだよ。いつもきれいな服を着てるし、きれいな服を他の子にあげたこともあるんだよ」
貧民街の女の子にとっても、おしゃれは重要な関心ごとになりうるんだと感慨深くなる。
ゆめと話した後、あいりはゆあ達にも話す。
「さやかちゃんのためにも、塾を新しくしないとね」
「ゆめちゃん、塾に案内してくれる?」
あいりはおやこの家に行くやいなや、ゆめに頼む。
「今は12歳から15歳の女の子が授業を受けてるよ。迷惑になるし…」
ゆめはこの日、午前中で塾は終わっていた。
「お願い、そこを何とか!」
あいりが頼み込むと、ゆめが根負けした。
「もー、わかったよー」
あいりはゆめに連れられて、ゆめが行っている塾に向かう。そこはボロボロの廃墟のような施設だった。
「ここで…勉強してるの?」
あいりの質問にゆめは頷く。
「うん…屋根や壁があるだけマシだよ」
ゆめは貧民街での暮らしが肌に染みついている。だから、おやこの家で暮らせるようになった時は嬉しかったのだ。
あいりはゆめと一緒に、廃墟のような建物の中を覗き込む。そこは机といすを並べただけの簡易的な塾だった。生徒である少女達は本気で学びたいと思っておりみな表情が生き生きとしており、ノートを取っているようだ。
あいりは息を潜めて、授業を受ける少女達を眺める。
少女達はボロボロの服を着ているが、その中に一人だけきれいな水色のワンピースを着た少女がいる。
その少女は、腰まである紺色の髪をきれいに伸ばしており、時折青い瞳を伏せて考え事をしているようだった。
邪魔にならないように静かに立ち去り、あいりとゆめはおやこの家に戻って来た。
「おかえり、どうだった?」
颯人が聞くと、あいりが答えた。
「貧民街の塾を見たけど…酷いところだったよ。ボロボロの廃墟で、颯人くんが想像する塾とは全然違うと思う」
あいりは目を伏せていたが、一転して明るい表情になった。
「でも、みんな表情が生き生きしてたよ!本当に勉強したくて集まってるように見えたの」
その言葉を聞いて、颯人は嬉しくなってこう言った。
「みんな本当は勉強したくて塾に行ってるんだね」
颯人は過去を懐かしむように言った。
「あいりちゃん達と一緒にいると、お父さんのことを思い出すんだ…俺のお父さんは貧しい国で子供達の支援をしているんだ」
颯人は父親と離れて暮らしている。颯人は微笑んで言った。
「俺はお父さんの話を聞くのが好きだし、尊敬もしている…それに、あいりちゃんに出会って貧しい国の現実が身近に感じられるようになったんだ」
「颯人くん…!」
あいりは颯人の手を握り返した。
ゆめが近くに来たため、あいりは彼女の方に振り返って話しかける。
「ゆめちゃん、きれいな服を着ていた女の子のこと知ってる?」
あいりの質問に、ゆめははっとなって答えた。
「さやかちゃんのこと?」
「知ってるの?」
ゆめは頷くと、こう話した。
「さやかちゃんは女の子達に人気なんだよ。いつもきれいな服を着てるし、きれいな服を他の子にあげたこともあるんだよ」
貧民街の女の子にとっても、おしゃれは重要な関心ごとになりうるんだと感慨深くなる。
ゆめと話した後、あいりはゆあ達にも話す。
「さやかちゃんのためにも、塾を新しくしないとね」
