3話「黒と紅の彩り」
あいり達は、ひなに連れられて貧民街のおやこの家へと向かった。
来てみると、前回の訪問に比べれやや活気があり、何組かの親子がそこで暮らすようになっていた。
新しくそこで暮らすことになった子供たちの多くがまだ幼い子供で、親の多くは若い母親だが、父親もいる。
「こんにちはー!ゆめちゃーん、連れて来たよー!」
ひなが呼ぶと、ゆめが駆け寄ってきた。ゆめの母親も笑顔でついてくる。二人とも、髪がボサボサではなくなっているようだ。
ひなはゆめと軽くあいさつをすると、他の入居者に話を聞きに行ったようだ。
ゆめはゆあを見ると、真っ先にお礼を言った。
「ゆあちゃん!トリートメント、ありがとう!」
「どういたしまして」
ゆあが返答すると、母親であるあゆみが補足した。
「あなたのくれたトリートメント、毎晩お風呂に入る時に使っているわ。娘がお礼を言いたいって、ずっと言っていたのよ」
「そうなんですね。なくなりそうになったら、言ってください」
「そんな!あなたにお金を使わせるなんて…そのトリートメント、どこで売ってるの?」
「スーパーや薬局で売っていますよ」
「ありがとう、買い物に行った時に見てみるわ」
ゆめが年下の子供達と遊ぼうと遊び場の方に行き、あゆみの他の母親グループと会話するために去った後、みつきがゆあに声をかけた。
「ゆあ、あんたやるじゃん!トリートメントをあげて感謝されたね!」
「もう、みっちゃんったら…でも、感謝してもらえて嬉しいな」
あゆみはお母さんのグループとの会話を切り上げて、あいり達のところに戻ってきた。
「ここで暮らしていると、ある程度の生活費がもらえるからトリートメントのことを話したわ。困窮していた人が多いから、難しいかもしれないけど」
そして、あゆみはあいりに声をかけた。
「あいりちゃん、少しいいかしら?」
「はい」
あいりは特に予定がなかったので、うなずいた。
あいりはあゆみは、ゆめと小さな子供達が遊ぶ遊び場の近くまで移動する。
「…私はね、あなたくらいの年齢でゆめを産んだのよ」
その言葉に、あいりは驚く。愛須市では若くして子供を産む女性も多くいるが、いざそれを聞かされると驚いてしまう。
「幼いゆめを抱えて生きていくのはとても大変だったわ…だから、あの子には私と同じ思いをさせたくないの」
「あゆみさん…」
あいりが呟くと、あゆみは娘や子供達を見つめながら言う。
「あいりちゃんも、恋人といつまでも仲良くね」
「…はい」
あいりは力強くうなずくと、同じように子供達を眺めていた颯人のところに行く。
あいりに颯人が話しかけた。
「あいりちゃん、話終わった?」
「うん!ここはゆめちゃんのような子供達が、安心して暮らせるところなんだね」
来てみると、前回の訪問に比べれやや活気があり、何組かの親子がそこで暮らすようになっていた。
新しくそこで暮らすことになった子供たちの多くがまだ幼い子供で、親の多くは若い母親だが、父親もいる。
「こんにちはー!ゆめちゃーん、連れて来たよー!」
ひなが呼ぶと、ゆめが駆け寄ってきた。ゆめの母親も笑顔でついてくる。二人とも、髪がボサボサではなくなっているようだ。
ひなはゆめと軽くあいさつをすると、他の入居者に話を聞きに行ったようだ。
ゆめはゆあを見ると、真っ先にお礼を言った。
「ゆあちゃん!トリートメント、ありがとう!」
「どういたしまして」
ゆあが返答すると、母親であるあゆみが補足した。
「あなたのくれたトリートメント、毎晩お風呂に入る時に使っているわ。娘がお礼を言いたいって、ずっと言っていたのよ」
「そうなんですね。なくなりそうになったら、言ってください」
「そんな!あなたにお金を使わせるなんて…そのトリートメント、どこで売ってるの?」
「スーパーや薬局で売っていますよ」
「ありがとう、買い物に行った時に見てみるわ」
ゆめが年下の子供達と遊ぼうと遊び場の方に行き、あゆみの他の母親グループと会話するために去った後、みつきがゆあに声をかけた。
「ゆあ、あんたやるじゃん!トリートメントをあげて感謝されたね!」
「もう、みっちゃんったら…でも、感謝してもらえて嬉しいな」
あゆみはお母さんのグループとの会話を切り上げて、あいり達のところに戻ってきた。
「ここで暮らしていると、ある程度の生活費がもらえるからトリートメントのことを話したわ。困窮していた人が多いから、難しいかもしれないけど」
そして、あゆみはあいりに声をかけた。
「あいりちゃん、少しいいかしら?」
「はい」
あいりは特に予定がなかったので、うなずいた。
あいりはあゆみは、ゆめと小さな子供達が遊ぶ遊び場の近くまで移動する。
「…私はね、あなたくらいの年齢でゆめを産んだのよ」
その言葉に、あいりは驚く。愛須市では若くして子供を産む女性も多くいるが、いざそれを聞かされると驚いてしまう。
「幼いゆめを抱えて生きていくのはとても大変だったわ…だから、あの子には私と同じ思いをさせたくないの」
「あゆみさん…」
あいりが呟くと、あゆみは娘や子供達を見つめながら言う。
「あいりちゃんも、恋人といつまでも仲良くね」
「…はい」
あいりは力強くうなずくと、同じように子供達を眺めていた颯人のところに行く。
あいりに颯人が話しかけた。
「あいりちゃん、話終わった?」
「うん!ここはゆめちゃんのような子供達が、安心して暮らせるところなんだね」
