1話「絶望の淵に咲く花」

その日、愛須市のショッピングモールにはやや小柄な銀髪の眼鏡をかけた少年がいた。その少年は白衣を着ている。
「ボスにいただいたこの銃の威力、今こそ試すチャンスだな…」
少年は拳銃を握りしめて、こう叫んだ。
「闇をまとい、我が鉄砲玉となれ!」
少年が発砲した銃弾が自動販売機に当たり、怪物になった。
「バレッティオー!」

「え、何!?」
トイレから出たあいりが騒ぎを聞きつける。
見ると、人々が逃げている。スタッフは避難を誘導している。
「落ち着いてください!スタッフの指示に従ってください!」
「え…これ、ヤバくない?」
みつきが青ざめる。
「あいちゃん、逃げないと!」
ゆあも叫ぶと、あいりは決意を決めてこう言った。
「ゆあちゃん、みつきちゃん、先に逃げて。…大丈夫、わたしも後で合流するから」
「え、ちょっと!?」
「ゆあ、ウチらも逃げよう!」
あいりが駆け出した方向とは反対の方向に、ゆあとみつきも走って行った。

「かっこいいこと言っちゃったけど、あれって死亡フラグじゃん!」
あいりは走りながら叫ぶ。動揺しているようだ。
「そんなこと言ってる場合じゃないピュア!ミッドナイト・ファミリーにシマを荒らされたピュア!」
「し、シマを荒らされた!?」
「ミッドナイト・ファミリーが現れたピュア!」
ピュアンナの説明に耳を傾けながらも、あいりは走って行く。

「僕は離れたところにいるから、派手に暴れてやりな!」
少年がバレッティオに指示を出して去ろうとした時、あいりとピュアンナが現れた。
「まさか…レンくん!?」
「知り合いピュア?」
あいりはその見覚えのある少年を見て叫んだ時、ピュアンナは質問する。その質問に、少年は眼鏡を上げながら言った。
「ご明察…まさか、煌木組の妖精がここに来るとはね。僕は千歳レン…ミッドナイト・ファミリーの幹部さ」
あいりはかつての級友との思いがけない再会に、戸惑いを隠しきれない。
(まさか、こんなに早く敵同士になるなんて…!)
「危ないピュア!」
ピュアンナが叫ぶと、あいりに向かってペットボトルロケットが飛んでくる。あいりはよけたのだが、遅かったようで吹っ飛ばされた。
「きゃあっ!」
「あいり!」
ピュアンナはあいりの元に飛ぶと、レンは言った。
「おっと、こいつの心配する前に自分の心配しろよ!」
バレッティオがペットボトルロケットを飛ばし、あいりがピュアンナをかばうと辺りがピンクの光に包まれた。
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