1話「絶望の淵に咲く花」

日曜日、みつきは親友達と煌木組のカフェ「キラット」に来ていた。この時間帯は、ほぼ貸切状態だ。
「颯人くんも連れて来たけどいい?」
「ナンパ対策になるし…いいんじゃない?」
ゆあはあっさりと許諾したようだ。みつきは普段と違って、緊張で何も言えないようだ。
「は、はじめまして…君達があいりちゃんの言っていたゆあさんとみつきさんだね。俺は如月颯人、よろしく」
「よろしく…あいりってもう彼氏いたんだ」
少し緊張がほぐれたようで、笑顔を見せるみつき。

「大輝ー、こっちピュア!」
ピュアンナが大輝を呼ぶ。大輝は手を振りながらこっちに来た。
大輝が来た時にみつきは赤面する。
(どうしよう、こんなのらしくないよー…!)
横でゆあ達が話している。
「ゆあ達は、ちょっと離れた席で二人を見守ろう」
「うん、そうだね…みつきちゃん、後でねー」
「大輝さん、お願いします」
「おう、任せとけ!」
「え、ちょっと!?」
ゆあ達が少し離れた席に移動するので、みつきは少しパニックになる。

みつきは、こうして大輝と向かい合って座ることとなった。
「えっと、その、ウチと…」
「ゆっくりでいいぜ」
大輝は余裕のある態度で、みつきを見つめる。
(あー!あいりや颯人くんから告白の方法聞いておくんだったー!なんでそんなことしなかったのー!ウチのバカー!)
「結婚と言うよりは…付き合ってください!」
その言葉に、大輝は固まる。
(そんな告白あるわけないでしょ!気が早いっての!)
だが、大輝は笑いだした。
「アハハ!面白いな!確か…みつきちゃんだっけ?」
「そ、そうですけど…」
「タメ口でいいよ!なんか距離感感じるし!」
「そ、そうなんだ…」
みつきも少し緊張しなくなったのか、大輝と話している。

それを少し離れた席からあいり達は見守る。
「なんかいい感じだね…みつきちゃん楽しそう」
「ね?ゆあはこうなることがわかってたの」
ゆあは納得した様子で見守る。あいりは颯人にゆあのことを教えた。
「ゆあちゃんって、結構人を見る目があるんだよ。わたし達のことは何でもお見通しなの」
「へぇ…ゆあさんって、周りのことをよく見てるんだね」
「うん!なんでもすぐ気付くんだよ!」
「ゆあさんって、あいりちゃんがプリキュアだと知ってたの?」
颯人の質問に、ゆあは答える。
「知ってた…というよりは、最近はあいちゃんも忙しいのかなと思ってたの。でも人に話さない方がいいかな…って思ってて黙ってたの」
ゆあはそう言って、みつきと大輝の方を見る。もうすっかり打ち解けているようだ。その時にはもうみつきは大輝のことを「大ちゃん」と呼んでいた。

キラットの外に、まことがいた。
「まさか私がシマのパトロールをするなんてね…」
まことがキラットの中にあるコーヒーミルを見つける。そして、拳銃を構えて叫んだ。
「闇をまとい、我が鉄砲玉となれ!」
「バレッティオー!」

「ヤバいんだけど!何あれ!?」
コーヒーミルのバレッティオがキラットの外で暴れている。
「シマ荒らしピュア!」
ピュアンナが叫ぶと、あいり、ゆあ、颯人はキラットの外に出る。
「大ちゃん!どこ行くの!?」
「ちょっと見てくる!みつきは逃げろ!」
そう言って、大輝も走って行った。
「やだ…ウチを置いて行かないでよ……!」
残されたみつきは泣き出す。みつきは父親を喪った「あの日」を思い出したのだ。
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